ウンデカン酸テストステロンが配合されている通販商品
ウンデカン酸テストステロンの禁忌事項
下記に該当する方はウンデカン酸テストステロンを使用しないでください。
ウンデカン酸テストステロンを含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある
過敏症はウンデカン酸テストステロンに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。セルノスカプセルなどウンデカン酸テストステロンを含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は使用できません。該当する方が再度ウンデカン酸テストステロンを摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
前立腺がんや乳がんなどアンドロゲンに関わるがん及びその疑いがある
本剤の使用により、これらのがんが悪化するおそれがあります。
重度の腎臓病もしくはその病歴がある
腎機能が低下している場合、本剤の排泄が遅れ、体内に薬が蓄積しやすくなります。その結果、薬の作用が強まり、副作用が生じるおそれがあります。
妊婦および授乳婦
妊娠中、または妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性は使用しないでください。女性が本剤を使用すると、女児に男性化の影響を及ぼすおそれがあります。
ウンデカン酸テストステロンの働きと効果
- 効能・効果
- テストステロンの補充
- (1)男性ホルモン分泌不足による精力減退や勃起力減退などの諸症状を緩和します。
(2)筋力トレーニングの効率化をサポートします。
一般名:ウンデカン酸テストステロン
男性ホルモンであるテストステロンを、内服薬や筋肉注射として使用できるように加工した薬剤です。主に、加齢などの理由で体内のテストステロンが不足している男性に対し、ホルモン補充を目的として使用されます。
テストステロンは、性機能だけでなく、筋肉や骨の健康、意欲や集中力など、心身の活力を支える重要なホルモンです。加齢やストレス、生活習慣の乱れによって分泌が減少すると、全身の活力低下、性機能の衰え、気分の落ち込みなど、さまざまな不調が現れることがあります。特に中高年の男性では、こうした状態が続くことで「男性更年期障害」を発症しやすくなります。
このような症状に対しては、ウンデカン酸テストステロンなどのホルモン剤を用いた「テストステロン補充療法」が効果的です。テストステロンを外部から補うことで、以下のような改善が見込まれます。
- 性欲・精力および勃起力が高まる
- 筋肉量が維持されトレーニング効果が上がる
- 骨密度が高まり骨が丈夫になる
- 活力が高まり疲労の予防にもなる
- 気分が高まってやる気が出てくる
これらの効果により、ウンデカン酸テストステロンは男性更年期障害にともなうさまざまな不調を改善します。
ウンデカン酸テストステロンが活躍する仕組み
ウンデカン酸テストステロンは、全身の細胞に存在する「アンドロゲン受容体」と結合することで作用を発揮します。
アンドロゲン受容体とは、テストステロンなどの男性ホルモンを受け取るたんぱく質です。ウンデカン酸テストステロンは体内に吸収された後、血液中の酵素によって徐々にテストステロンへと変化し、その後アンドロゲン受容体と結合します。
受容体と結合したテストステロンは、細胞の核に入り、遺伝子の働きに影響を与えることで、男性ホルモンとしての作用をもたらします。具体的には、体の各部位で以下のような役割を果たします。
- 筋肉:タンパク質の合成を高め、筋肉の成長や回復を促進する。
- 骨:骨の生成を促し、骨量を増やして密度や強度を高める。
- 精巣:健全な精子の生成を促し、生殖機能を高める。
- 脳:性欲を高め、記憶力や集中力を向上させるほか、気分や意欲の改善にも関与する。
- 血管:血流を促進し、勃起をサポートする。
テストステロン補充効果を示した臨床データ
ウンデカン酸テストステロンによるテストステロン補充効果は、内服薬・筋肉注射のいずれにおいても、海外で実施された臨床試験により証明されています。
ウンデカン酸テストステロン内服薬の臨床試験
オーストリアでは、内服薬タイプの先発薬「アンドリオール」を用いた臨床試験が実施されています。(Andreas Jungwirth et al., 2007.[リンク])
この試験では、テストステロン値の低下が確認されている男性更年期障害の患者を対象に、ウンデカン酸テストステロンの有効性と安全性が評価されました。被験者には、本剤80mgを1日2回、3ヶ月間にわたって経口投与しました。
その結果、被験者の平均テストステロン値は正常値に回復しました。また、試験では男性更年期障害の症状に関するアンケートも実施され、性機能の低下や心身面での不調といった被験者の自覚症状においても改善が報告されました。
ウンデカン酸テストステロン筋肉注射の臨床試験
筋肉注射に関する臨床データとしては、海外先発薬「ネビド」のFDA(アメリカ食品医薬品局)承認申請時に行われた試験結果があります。(Brooke D. Wagner, 2007.[リンク])
この試験では、テストステロンの分泌が低下した男性性腺機能低下症(hypogonadism)の患者を対象に、ネビド1,000mgを12週ごとに筋肉注射し、その効果と安全性を検証しました。被験者には、1年間にわたり合計5回の注射が行われました。
その結果、被験者のうち94%が、12週間の治療期間中に正常範囲内のテストステロン濃度を維持することができました。また、テストステロン濃度が過剰に上昇するケースも少なく、FDAが定めたテストステロン濃度の基準値を上回ることもありませんでした。これにより、12週間に1回の投与で、治療効果と安全性が維持されることが明らかになりました。
これらの結果は、ウンデカン酸テストステロンが男性ホルモン補充療法において、有効かつ安全であることを示しています。
- ウンデカン酸テストステロンが配合されている男性ホルモン薬
- 先発薬(内服):アンドリオール(MSD)
- 先発薬(筋肉注射):ネビド(シェーリング)
- 後発薬(内服):セルノスカプセル(サンファーマ)
ウンデカン酸テストステロンの副作用
副作用
ニキビ、肝臓の数値上昇、多血症、脂質代謝異常、乳房の女性化、体液貯留、神経過敏、気分障害、頭痛、不安、錯乱、抑うつ、興奮、不眠、筋痛、めまい、高血圧、皮膚の潮紅や赤み・かゆみ・発疹、じんましん、前立腺障害、頻繁な尿意、精巣機能不全、精巣萎縮、精子無力症、勃起不全、精巣上体炎、膀胱アレルギー、吐き気、全身性知覚異常、性欲の増加または減少、習慣性(薬に対する依存)、悪寒、喉の痛み、発熱、白血球減少症、抗凝固療法を併用している患者での出血が報告されています。
重大な副作用
アナフィラキシー、血栓症、肝機能障害、浮腫(むくみ)、持続勃起症、睡眠時無呼吸症候群、うつ病。
主な副作用
主な副作用には、ニキビ、体毛の増加、多血症、脂質代謝異常、乳房の女性化などがあります。外部からテストステロンを摂取すると、体内のホルモンバランスが急激に変化し、さまざまな疾患や障害が生じる可能性があります。
精巣の機能不全、乳房の女性化、ニキビ、性機能の低下、精神面での不調などは、ホルモンバランスの乱れにより引き起こされる症状です。精巣機能が低下すると精子が十分に作られず、男性不妊の原因となる場合があります。
多血症は、テストステロンが赤血球の産生を促進することによって生じます。多血症になると血液が濃くなり、血栓(血の塊)ができやすくなります。悪化すると、血栓が血管をふさいで血栓症となり、重篤な心血管疾患のリスクになります。
また、テストステロンは前立腺がんの細胞の増殖を促す作用があります。継続使用によって前立腺がんの発症もしくは悪化が懸念されます。本剤の使用前には、PSA値(前立腺特異抗原)を測定する検査を受けることが推奨されます。
重大な副作用
以下のような重大な副作用が、ごくまれな頻度で報告されています。万が一、体調に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
アナフィラキシー
薬に対して重大なアレルギー反応を起こす状態です。呼吸困難、喘鳴(ヒューヒューゼーゼー音)、動悸、発熱、全身の体調不良、リンパ節の腫れ、顔・唇・口・舌・または喉の腫れ、嚥下困難、喉の詰まり、かゆみ、発疹、じんましん、吐き気、嘔吐、めまい、ふらつき、失神、胃のけいれん、関節痛などがみられます。
血栓症
血栓(血の塊)が血管をふさいで、突然血流が止まってしまう状態です。血流が途絶えた器官は、機能障害や細胞の壊死が起こります。胸の痛みや圧迫感、速いまたは異常な心拍、呼吸困難、背中・顎・喉・腕の痛み、発汗、胃の不調、嘔吐、めまい、突然起こる体の片側の脱力や激しい頭痛、言葉が不明瞭になる・または会話が理解しにくい、腕や脚の痛み・腫れ・または圧痛、視力低下、飛び出た目、複視などがみられます。
肝機能障害
肝臓の機能が低下し、体に様々な不調が生じる状態です。吐き気、嘔吐、胃や腹部の痛み、発熱、脱力感または異常な疲労感、かゆみ、食欲不振、明るい色の便、濃い色の尿、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなる「黄疸」などがみられます。
むくみ
体内に余分な水分がたまり、足などが腫れる状態です。むくみは心不全・腎障害・肝障害の患者にとっては深刻な合併症です。これらの疾患が併発している場合、指で押すとへこんだ状態がしばらく続くのが特徴です。腹部や足首など体の各部位での腫れ、胸痛、不整脈、息切れ、伸びた皮膚や光沢のある皮膚などがみられます。
持続勃起症(プリアピズム)
痛みを伴う異常な勃起が4時間以上続く状態です。放置すると陰茎が損傷し、性機能不全を引き起こす恐れがあります。早急な医療処置が必要ですので、疑わしい場合はすぐに医療機関を受診してください。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に、呼吸が一時的に止まったり浅くなったりする状態です。テストステロンは睡眠時無呼吸症候群を発症もしくは悪化させる可能性があります。肥満、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患がある方は発症リスクが上がります。夜中に息切れや窒息で目覚めたり、日中に強い眠気を感じたりした場合は医師に相談しましょう。
うつ病
抑うつ(気分の落ち込み)が慢性化・悪化し、生活に支障が出る状態です。不安や不眠といった精神・神経症状を併発し、やがて死にたいという思い(希死念慮、自殺念慮)が強まります。他にも意欲・集中力・思考力・判断力の低下、無関心(何に対しても興味を失う)、疲れやすい、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などがみられます。
ウンデカン酸テストステロンの使用上の注意点
この項目では、ウンデカン酸テストステロンの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
良性前立腺肥大症の患者
本剤により前立腺肥大が悪化し、排尿困難を引き起こす可能性があります。
心血管疾患がある、またはそのリスクがある
本剤には赤血球の産生を促す作用があり、血液が濃くなる(いわゆる「ドロドロ」状態)恐れがあります。これにより高血圧や心疾患などの心血管系の病気が悪化する可能性があります。
心不全・肝障害・腎障害がある
本剤は体内に水分をため込みやすく、副作用としてむくみを引き起こす可能性があります。むくみは心不全・肝障害・腎障害などの合併症を悪化させることがあります。
糖尿病の患者
テストステロンの代謝促進作用により、血糖値が低下しやすくなる可能性があります。インスリン製剤や糖尿病治療薬の用量調整が必要となる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群の患者
本剤により症状が悪化することがあります。肥満や慢性呼吸器疾患などの併存症がある場合には、特に慎重な対応が求められます。
高齢者
高齢者に対する有効性や安全性は十分に確立されていません。高齢になると腎機能が低下しやすく、本剤が体内に蓄積して作用が強まる恐れがあります。
併用に注意が必要な薬
抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)
- ワルファリン
ワルファリンを使用している方は、テストステロン製剤の影響で抗凝固作用が変化する可能性があります。治療の開始時および終了時には、血液の状態を通常より頻繁に確認する必要があります。
インスリンおよびその他の糖尿病治療薬
- インスリン アスパルト
- インスリン イコデク
- インスリン グラルギン
- メトホルミン
- セマグルチド
- ダパグリフロジン など
本剤も血糖値を低下させる作用を持つ可能性があります。これらの薬を併用する場合、低血糖を防ぐために減薬などの調整が必要になることがあります。
ステロイド系薬(コルチコステロイド)
- プレドニゾロン
- デキサメタゾン
- トリアムシノロン
- ベタメタゾン
- ベクロメタゾン
- フルニソリド
- フルチカゾン など
テストステロンとステロイド系薬を併用すると、水分が体内に蓄積しやすくなります。心臓・腎臓・肝臓に疾患がある方は、体調の変化に注意し、定期的なモニタリングが推奨されます。
シクロスポリン(免疫抑制薬)
本剤はシクロスポリンの血中濃度を上昇させ、腎毒性(腎臓への負担)のリスクを高める可能性があります。