パラセタモールが配合されている通販商品
パラセタモールの禁忌事項
下記に該当する方はパラセタモールを使用しないでください。
重篤な肝障害がある
急性肝不全(劇症肝炎)など命にかかわる疾患を引き起こす恐れがあります。
パラセタモールを含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある
過敏症はパラセタモールに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。カロナールなどパラセタモールを含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は使用できません。該当する方が再度パラセタモールを服用すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
パラセタモールの働きと効果
- 効能・効果
- (1) 片頭痛を含む頭痛、生理痛、のどの痛み、筋肉痛、関節痛などによる軽度から中等度の痛み。
(2) 発熱の緩和。
一般名:パラセタモール
風邪やインフルエンザなどの発熱、生理痛やのどの痛みなどを緩和する解熱鎮痛剤です。日本ではアセトアミノフェンという成分名で知られており、処方薬としては先発薬のカロナールおよび各種ジェネリックが認可されています。加えて、市販薬としても多数の解熱鎮痛剤や風邪薬に用いられています。
パラセタモールは、アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)には分類されていません。NSAIDsに比べて胃痛や吐き気などの胃腸症状がほとんどなく、安全性が高くなっています。
風邪(急性上気道炎)だけでなく、インフルエンザや新型コロナウイルスによる発熱や痛みの緩和にも使われています。特にインフルエンザに関してはNSAIDsを服用するとインフルエンザ脳症のリスクがあるため、パラセタモールが推奨されます。
鎮痛薬としては、頭痛、生理痛、のどの痛みなど、幅広い症状の緩和に用いられます。パラセタモールは抗炎症作用がほとんどないため、鎮痛効果は控えめです。痛みがひどい場合には、NSAIDsなど、より強力な鎮痛薬が使用されることがあります。
脳に作用して体温調節および炎症物質の抑制を行う
パラセタモールは、脳に働きかけて以下の2つの効果をもたらします。
- 体温を調節して解熱を促す
- 炎症に関わる生理活性物質を抑制する
- パラセタモールが配合されている医薬品
- 先発薬:カロナール(あゆみ製薬)
- 先発薬(海外):パナドールエクストラ(グラクソスミスクライン)
- 薬剤性過敏症症候群(やくざいせいかびんしょうしょうこうぐん)
- ショック
- アナフィラキシー
- 皮膚粘膜眼症候群(ひふねんまくがんしょうこうぐん)
- 中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう)
- 急性汎発性発疹性膿疱症(きゅうせいはんぱつせいほっしんせいのうほうしょう)
- 劇症肝炎(げきしょうかんえん)
- 肝機能障害(かんきのうしょうがい)
- 黄疸(おうだん)
- 顆粒球減少症(かりゅうきゅうげんしょうしょう)
- 間質性肺炎(かんしつせいはいえん)
- 間質性腎炎(かんしつせいじんえん)
- 急性腎障害(きゅうせいじんしょうがい)
- 炭酸リチウム
- ヒドロクロロチアジド等
- ワルファリンカリウム
- カルバマゼピン
- フェノバルビタール
- フェニトイン
- プリミドン
- リファンピシン
- イソニアジド
脳の視床下部には、体温を調節する中枢があります。パラセタモールはこの中枢に働きかけ、体温を下げるよう指令を出します。これにより、皮膚の血管や汗腺を広げて熱を体外に逃します。
脳の中枢神経には、COX-2(シクロオキシナーゼ2)という酵素があります。この酵素は、発熱や痛みなどの炎症症状に関わるプロスタグランジンという生理活性物質を合成します。パラセタモールは中枢神経でCOX-2を阻害し、プロスタグランジンの合成を抑制します。
これらの働きにより、パラセタモールは解熱鎮痛効果を発揮します。
NSAIDsに比べて胃腸の副作用が出にくい
パラセタモールはNSAIDsとは作用範囲が異なり、胃腸への影響が少ない薬剤です。
NSAIDsは、脳だけでなく体全体でCOXを阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制します。
プロスタグランジンは、発熱や痛みの他にも、体内のさまざまな生理機能に関与しています。COXのうちCOX-1(シクロオキシナーゼ1)は、胃の粘膜を保護するプロスタグランジンを合成します。
多くのNSAIDsは、COX-2だけでなくCOX-1も阻害してしまいます。その結果、胃の粘膜が胃酸によって損傷を受けやすくなり、胃腸症状となります。
パラセタモールが産生を抑制するのは、主に脳内のCOX-2で合成されるプロスタグランジンです。胃粘膜保護に関与するプロスタグランジンには、ほとんど影響しません。このため、NSAIDsに比べると胃腸の副作用が起こりにくくなります。
発熱・痛みを緩和する効果を示した臨床データ
パラセタモールの解熱・鎮痛効果は、国内で実施された先発医薬品カロナールの臨床試験により確認されています(17. 臨床成績, 医療用医薬品:カロナール, KEGG DRUG, [リンク])。発熱・頭痛をともなう患者および歯痛の患者を対象に、それぞれ試験が行われました。
発熱・頭痛の患者を対象とした試験
この試験では、風邪にともなう発熱および頭痛などの疼痛を有する患者に対して、カロナール錠200mgを2錠、頓服(症状が出ているときに服用)で投与しました。有効率は以下の通りです。
症状名 | 有効率 |
---|---|
発熱 | 73.3% |
頭痛などの疼痛 | 75.0% |
いずれの症状に対しても良好な治療効果が認められ、有効性が確認されました。
歯痛患者を対象とした試験
この試験では、歯痛および抜歯後の疼痛を有する患者に対して、カロナール錠200mgを2錠、頓服で投与しました。それぞれの有効率は以下の通りです。
症状名 | 有効率 |
---|---|
歯痛 | 71.4% |
抜歯後の疼痛 | 56.0% |
歯痛に対して良好な治療効果が得られ、有効性が示唆されました。
パラセタモールの副作用
副作用
悪心、嘔吐、食欲不振、過敏症などが報告されています。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、喘息発作の誘発、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎障害、薬剤性過敏症症候群などが報告されています。
主な副作用
以下はパラセタモールの添付文書(11. 副作用, 医療用医薬品:カロナール, KEGG DRUG, [リンク])に記載されていた副作用の発現率です。
発症頻度:不明
血液 | チアノーゼ、血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長) |
---|---|
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振 |
その他 | 過敏症 |
パラセタモールは副作用の少ない薬ですが、まれに吐き気、嘔吐、食欲不振などの胃腸症状が現れることがあります。そのほか、血液障害や薬に対するアレルギー反応(過敏症)が生じることもあります。
頻度は極めて低いものの、重度のアレルギー反応(ショック、アナフィラキシー)や、薬剤性過敏症に起因する肺炎・腎障害、命にかかわる重篤な皮膚疾患・肝機能障害などが発生する恐れがあります。
重大な副作用
以下のような重大な副作用が、ごくまれな頻度で報告されています。万が一、体調に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
過敏症
薬に対する重大なアレルギー反応です。薬剤性過敏症症候群では広範囲にわたる赤みや全身の発疹など、ショックでは冷や汗・顔面蒼白やめまい・意識の消失など、アナフィラキシーではじんましんや息苦しさなどがみられることがあります。
皮膚の障害
全身の皮膚が薬へのアレルギー反応によって壊死や重度の炎症を起こす状態です。皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)では全身のただれや水ぶくれ、中毒性表皮壊死融解症(TEN)では全身の赤みや広範囲(全身の10%以上)のただれ、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)では広範囲の皮膚が赤くなった上に小さな白いブツブツ(膿疱)などがみられることがあります。いずれも38度以上の高熱(TENやAGEPでは加えて倦怠感や食欲不振)をともないます。
喘息発作の誘発
気管支喘息やアスピリン喘息の患者は、本剤によって症状が悪化する可能性があります。アスピリン喘息の病歴がある方は、本剤によって再発する恐れがあります。
肝臓の障害
肝臓の炎症および機能低下により、体に様々な不調が生じる状態です。吐き気、嘔吐、胃や腹部の痛み、発熱、脱力感または異常な疲労感、かゆみ、食欲不振、明るい色の便、濃い色の尿、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなる「黄疸」などがみられることがあります。
血液の障害
白血球の一種である顆粒球、特にそのうち好中球が減少した状態です。免疫力が低下し、悪化すると命にかかわる感染症のリスクとなります。
肺の障害
菌やウイルスなどの抗原とは異なり、免疫の誤作動によって引き起こされる肺炎です。空咳、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には医療機関を受診してください。
腎臓の障害
間質性腎炎は、薬剤性過敏症によって腎臓に炎症を起こした状態です。急性腎障害は、腎炎などの原因によって腎機能が急激に低下した状態です。発疹、発熱、尿量減少、吐き気、食欲不振などの症状が出たら医療機関を受診してください。
パラセタモールの使用上の注意点
この項目では、パラセタモールの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
アルコール多量常飲者
多量のお酒を習慣的に飲んでいる方は、本剤によって肝障害が起こりやすくなります。
絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
上記に該当する方は、本剤によって肝障害が起こりやすくなります。
消化性潰瘍またはその病歴のある患者
症状が悪化または再発する恐れがあります。
出血傾向のある患者
血小板機能異常が起こることがあります。
心機能異常のある患者
症状が悪化または心不全が増悪する恐れがあります。
気管支喘息のある患者
症状が悪化する恐れがあります。
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)またはその病歴のある患者
症状が悪化する恐れがあります。
感染症を合併している患者
本剤によって感染症が不顕性化する(感染していながら症状が無くなる)恐れがあります。感染症の治療には医師の診断のもと、適切な抗菌薬を使います。
腎障害またはその病歴のある患者
症状が悪化または再発する恐れがあります。投与量の減量、投与間隔の延長を考慮する必要があります。
肝障害またはその病歴のある患者(重篤の場合は禁忌)
肝障害が悪化する恐れがあります。重篤な肝障害の場合は服用できません。
授乳婦
医師の診断のもと、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止が検討されます。
小児等
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に服用する必要があります。低出生体重児、新生児および3ヵ月未満の乳児においては有効性および安全性が確立されていません。
高齢者
高齢の方は副作用があらわれやすくなります。副作用の発現に特に注意し、少量から服用を開始するなど慎重に服用する必要があります。
併用に注意が必要な薬
リチウム製剤
躁病および躁うつ病の治療に用いられる気分安定薬です。他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン、イブプロフェン等)で、リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を発症した報告があります。
チアジド系利尿剤
高血圧やむくみの治療に用いられる利尿剤の一種です。他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で、チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されています。
アルコール(飲酒)
アルコール多量常飲者がパラセタモールを服用したところ、肝不全を発症した報告があります。
クマリン系抗凝血剤
血液を固まりにくくして血栓症を治療する薬です。本剤はクマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に服用する必要があります。
代謝酵素を増やす薬
カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドンはてんかんの薬です。リファンピシン、イソニアジドは結核の薬です。これらの薬剤を長期間にわたって使い続けると、肝臓で薬を分解する酵素が増加し、肝障害を生じやすくなるという報告があります。
抗生物質、抗菌薬
過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に服用する必要があります。