テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が配合されている通販商品
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の禁忌事項
下記に該当する方はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を使用しないでください。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある
過敏症はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩に限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。テノゼットなどテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は使用できません。該当する方が再度テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の働きと効果
- 効能・効果
- HIV-1感染症およびB型慢性肝疾患
- (1) 他の抗HIV薬(エムトリシタビンなど)と併用することでHIVの感染を予防します。
(2) 計3~4種類の抗HIV薬を併用することでHIVを治療します。
(3) 肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患においてB型肝炎ウイルスの増殖を抑制します。
一般名:テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
HIVおよびB型肝炎ウイルスに用いられる「核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)」という種類の抗ウイルス薬です。体内で薬効成分「テノホビル」に変わるプロドラッグです。HIVに対しては他の抗HIV薬との併用で、B型肝炎ウイルスに対しては単剤で効果を示します。
HIV感染症に対しては、併用療法を行うことでHIVの増殖を抑えます。免疫力を高め、エイズや日和見感染による合併症の発症を防ぎます。
HIVを検出不可能な量まで減少させれば、周囲への感染リスクや死亡リスクも軽減できます。寿命においては、健康な人と比較して数年短い程度の年齢まで改善すると報告されています(Adam Trickey et al., 2023, [リンク])。
B型肝炎に対しては、B型肝炎ウイルスの増殖を抑えて悪化を防ぎます。肝臓の機能を改善し、命にかかわる肝硬変や肝細胞がんへの進展リスクを軽減します。吐き気、食欲不振、体のだるさ、黄疸*などの自覚症状がある場合は、症状を緩和します。長期服用によって肝炎を鎮静化させ、肝機能の検査値を正常化します。
*白目や肌の色が黄色くなる症状
日本国内では、抗HIV薬の先発薬としてビリアードが、抗B型肝炎ウイルス薬の先発薬としてテノゼットが処方されています。このように対象疾患によって製品名は異なりますが、有効成分と含有量(300mg)は全く同じです。
HIVやB型肝炎ウイルスの酵素による「逆転写」を阻害
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は、HIVやB型肝炎ウイルスが持っている「逆転写酵素」を阻害します。逆転写酵素は、一部のウイルスが増殖する際に、特殊な働きでDNAを作る酵素です。
通常の細胞活動では「DNAからRNA」に遺伝情報をコピー(転写)します。対して逆転写酵素は「RNAからDNA」を合成(逆転写)します。逆転写によって合成されたウイルスDNAは、感染した細胞のDNAに組み込まれ、ウイルスの増殖を助けます。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は、肝臓で代謝された後にテノホビルに変わります。さらに細胞内に入り込むと「テノホビル三リン酸」という物質に変わります。この物質は、逆転写の材料となる「デオキシアデノシン三リン酸」とよく似ています。
逆転写酵素が、材料となる物質と誤って本剤の物質を取り込むと、逆転写がうまくできなくなります。ウイルスDNAの合成が不完全となり、DNAの鎖が短くなって効力が低下します。
効力を抑えることで、ウイルスDNAの複製が阻害され、結果として細胞内でのウイルス増殖が抑えられます。
HIV感染症およびB型肝炎に対する臨床データ
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のHIVおよびB型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス効果は、それぞれ国内先発薬の臨床試験で示されています。
HIV感染症に対する併用療法を行った臨床試験
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のHIV感染症に対する効果は、他の抗HIV薬との併用でのみ試験が行われています。先発薬ビリアードにおいては、ラミブジンおよびエファビレンツとの併用療法による臨床データがあります(17. 臨床成績, 医療用医薬品: ビリアード, KEGG DRUG, [リンク])。
この試験は抗HIV薬の使用経験がないHIV感染症患者を対象として実施されました。被験者をランダムに2つの群(グループ)に分け、一方にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を、もう一方にはサニルブジンを投与しました。サニルブジンは本剤と同じ分類の抗ウイルス薬で、比較対象として用いられました。両群ともに、ラミブジンおよびエファビレンツとの併用療法を行いました。
有効率として、血液中のHIVの量が一定の基準値以下に維持された被験者の割合が算出されました。これはHIVの増加が抑制され、効果が保たれている状態を指します。
144週間の投与の結果、以下の有効率が認められました。
| 薬剤名 | 有効率 |
|---|---|
| サニルブジン併用療法群 | 62% |
| テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩併用療法群 | 68% |
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の有効率がサニルブジンを6%上回りました。上記の結果は、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩がサニルブジンよりも優れた抗HIV効果があることを示しています。
単剤によるB型肝炎への効果を示した臨床データ
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のB型肝炎に対する効果は、テノゼットの臨床試験で証明されています(17. 臨床成績, 医療用医薬品: テノゼット, KEGG DRUG, [リンク])。
被験者にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mgを1日1回、48週間投与しました。
評価基準として3つの指標を測定し、投与後にそれぞれ有効率を算出しました。
| 評価項目 | 有効率 |
|---|---|
| HBV-DNA陰性化率*1 | 77% |
| ALT正常化率*2 | 75% |
| セロコンバージョン率*3 | 9% |
*1:B型肝炎ウイルスに感染したDNAが検出されなくなった被験者の割合
*2:ALT(肝臓がダメージを受けると増加する酵素)が過剰量から正常量になった被験者の割合
*3:B型肝炎ウイルスの感染力・増殖力を示すHBe抗原が消失かつHBe抗体が出現した被験者の割合
上記の結果は、B型肝炎に対するテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のウイルス抑制効果および悪化抑制効果を示しています。
- テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩が配合されている抗ウイルス薬
- 先発薬:ビリアード(ギリアド・サイエンシズ)
- 先発薬:テノゼット(グラクソ・スミスクライン)
- 先発薬:ツルバダ(ギリアド・サイエンシズ)
- 後発薬:テンビルEM(シプラ)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の副作用
副作用
食欲減退、体重減少、体脂肪の再分布/蓄積、頭痛、錯感覚、浮動性めまい、悪心、下痢、腹痛、嘔吐、鼓腸、消化不良、発疹、骨障害、無力症、疼痛などが報告されています。
重大な副作用
腎不全または重度の腎機能障害、膵炎、乳酸アシドーシス、重度の肝腫大(脂肪肝)が報告されています。
主な副作用
以下はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の添付文書(11. 副作用, 医療用医薬品: ビリアード, KEGG DRUG, [リンク])に記載されていた副作用の発現率です。
発症頻度:2%以上
| 代謝および栄養障害 | 食欲減退(3.2%)、体重減少(2.1%)、体脂肪の再分布/蓄積(2.1%) |
|---|---|
| 神経系障害 | 頭痛(5.6%)、錯感覚(3.7%)、浮動性めまい(3.4%) |
| 胃腸障害 | 悪心(10.5%)、下痢(9.1%)、腹痛(5.2%)、嘔吐(4.4%)、鼓腸(3.0%)、消化不良(2.3%) |
| 皮膚および皮下組織障害 | 発疹(3.3%) |
| 筋骨格系および結合組織障害 | 骨障害(2.1%) |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 無力症(6.3%)、疼痛(2.4%) |
| 臨床検査 | CK増加(12.3%)、血中トリグリセリド増加(7.8%)、血中アミラーゼ増加(7.5%)、AST増加(5.1%)、ALT増加(4.3%)、好中球数減少(2.4%)、尿糖(2.1%)、血中ブドウ糖増加(2.0%) |
発症頻度:2%未満
| 代謝および栄養障害 | 高コレステロール血症、高脂血症 |
|---|---|
| 精神障害 | うつ病、睡眠障害、リビドー減退、神経過敏、不安 |
| 神経系障害 | 不眠症、末梢性ニューロパチー、味覚異常、異常な夢、傾眠、ニューロパチー、思考異常、振戦 |
| 呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 気管支炎、鼻炎、咽頭炎 |
| 胃腸障害 | 口内乾燥、胃腸障害、便秘、アフタ性潰瘍、胃炎、おくび、腹部膨満 |
| 肝胆道系障害 | 肝炎 |
| 皮膚および皮下組織障害 | そう痒症、多汗症、脱毛症、湿疹、ざ瘡、皮膚乾燥、単純ヘルペス、皮膚良性新生物 |
| 筋骨格系および結合組織障害 | 筋肉痛、関節痛、背部痛、側腹部痛、筋痙攣 |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 倦怠感、胸痛、発熱、悪寒、末梢性浮腫 |
| 臨床検査 | 血中ビリルビン増加、血中リン減少、Al-P増加、血小板数減少 |
| その他 | 頻尿、視覚異常、多尿 |
発症頻度:不明
| 代謝および栄養障害 | 低リン酸血症、低カリウム血症、糖尿病、高尿酸血症 |
|---|---|
| 神経系障害 | 感覚鈍麻 |
| 呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 呼吸困難 |
| 肝胆道系障害 | 脂肪肝、肝機能異常 |
| 筋骨格系および結合組織障害 | 骨軟化症、ミオパチー |
| 臨床検査 | リパーゼ増加、血尿、蛋白尿、血中クレアチニン増加、γ-GTP増加 |
| その他 | アレルギー反応、高血圧 |
最も多いのが、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良といった胃腸症状です。鼓腸はお腹にガスがたまって張ってしまう状態です。下痢がひどい場合は水分補給をしましょう。胃腸症状は服用初期に起こりやすいです。時間の経過とともに落ち着いてきますが、症状が長引いたりつらい場合には医師に相談しましょう。
全身症状ではだるさ・疲れやすさ・痛み・体重減少も多く見られます。皮膚症状では発疹、神経症状では頭痛、めまい、手足のしびれ(錯感覚)が出ます。これらの副作用も、体が薬に慣れるにつれて和らいでいきます。ただし日常生活に支障が出るような場合には医師に相談しましょう。
重大な副作用
以下のような重大な副作用が、ごくまれな頻度で報告されています。万が一、体調に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
腎不全または重度の腎機能障害
腎臓の働きが非常に弱まった状態で、最終的には透析や腎臓移植が必要となります。尿量が減る、むくみ、体がだるい、筋力の低下、骨痛、発熱、発疹、関節の痛み、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、尿量が増える、喉が渇く、多飲といった症状が出ます。
膵炎
膵臓が炎症を起こした状態です。強い腹痛、背中の痛み、お腹が張る、吐き気、嘔吐、体重が減る、喉が渇く、尿量が増える、皮膚が黄色くなる、油っぽい下痢といった症状が出ます。
乳酸アシドーシス
血液中の乳酸が過剰に増えて血液が酸性に傾いている危険な状態です。初期症状として胃腸症状(吐き気、嘔吐、腹痛、下痢)や倦怠感、筋肉痛が出ます。悪化すると過呼吸や低血圧、低体温、脱水、昏睡など命にかかわる症状となります。
重度の肝腫大(脂肪肝)
本剤によって薬物性肝障害が起こり、肝臓が多量の脂肪付着によって大きく腫れた状態です。体がだるい、吐き気、食欲不振、発熱、腹痛、白目や皮膚が黄色くなる(黄疸)、体がかゆくなる、尿の色が濃くなるといった症状が出ます。
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の使用上の注意点
この項目では、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩の使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
HIVとB型肝炎ウイルスに重複感染している方
薬剤耐性HIVが出現する可能性があるため、単剤使用はしないでください。HIV治療においては、本剤の服用を中断するとB型慢性肝炎がぶり返す恐れがあります。特に自覚症状が強く出ているB型慢性肝炎の場合、本剤の服用中止により、重症化する恐れがあります。
腎機能障害のリスクがある方
本剤の使用前に血液検査を受け、血清リン(血液中のリン濃度)を測定する必要があります。
中等度以上の腎機能障害がある方
本剤の排出が遅れ、濃度が上がって作用が強まります。
非代償性肝硬変の方(B型肝炎治療に使用する場合のみ)
非代償性肝硬変患者に対する臨床試験が行われていないため、有効性や安全性は確立されていません。
妊婦
妊婦または妊娠している可能性のある女性は、医師が使用によるメリット・デメリットを比較したうえで使用可否を判断します。
授乳婦
本剤の服用中は授乳を避けてください。テノホビルはヒト乳汁への移行が報告されています。乳児へのHIV感染も懸念されるため、母乳を与えることは控えるべきです。
小児等
お子様に関しては有効性および安全性が確立されていません。
高齢者
お年寄りは肝臓や腎臓の機能が低下し、薬の排出が遅れて作用が強まる恐れがあります。他の病気を併発することも多いので、合併症や併用薬にも注意が必要です。
併用に注意が必要な薬
ジダノシン
本剤と同じく逆転写酵素阻害薬に分類される抗HIV薬です。本剤との併用により、ジダノシンの副作用が強まるおそれがあります。本剤によってジダノシンの最高血中濃度およびAUC(血中濃度×持続時間)が上昇したとの報告があります。併用にあたってはジダノシンの減量が考慮されます。
アタザナビル硫酸塩
HIVプロテアーゼ阻害剤に分類される抗HIV薬です。本剤との併用により、アタザナビルの治療効果が減弱するとともに、本剤の副作用が強まるおそれがあります。両剤の併用に関して、以下の相互作用が報告されています。
- 本剤によってアタザナビルのAUCが25%、最高血中濃度が21%、最小濃度が40%低下
- アタザナビルによって本剤のAUCが24%、最高血中濃度が14%、最小濃度が22%上昇
併用する場合には、本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに服用することが望ましいとされています。
ロピナビル・リトナビル
HIVプロテアーゼ阻害剤に分類される抗HIV薬です。ロピナビル・リトナビルとの併用により、本剤の副作用が強まるおそれがあります。ロピナビル・リトナビルによって本剤のAUCが32%、最小濃度が51%上昇したとの報告があります。
ダルナビル+リトナビル(HIV治療に使用する場合のみ)
HIVプロテアーゼ阻害剤に分類される抗HIV薬です。ダルナビル+リトナビルとの併用により、本剤の副作用が強まるおそれがあります。ダルナビル+リトナビルによって本剤のAUC、最高血中濃度、最小濃度が上昇したとの報告があります。
C型肝炎治療薬
- レジパスビル・ソホスブビル
- ベルパタスビル・ソホスブビル(B型肝炎治療に使用する場合のみ)
これらの薬剤との併用により、本剤の副作用が強まるおそれがあります。これらの薬剤によって本剤のAUC、最高血中濃度が上昇したとの報告があります。
抗ウイルス化学療法剤、抗サイトメガロウイルス化学療法剤
- 抗ウイルス化学療法剤
- アシクロビル
- バラシクロビル塩酸塩
- 抗サイトメガロウイルス化学療法剤
- ガンシクロビル
- バルガンシクロビル塩酸塩等
アシクロビルおよびバラシクロビルは、共に単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスに使われる抗ウイルス薬です。ガンシクロビルおよびバルガンシクロビル塩酸塩は、サイトメガロウイルス感染症の治療薬です。
これらの薬剤との併用により、本剤もしくはこれらの薬剤の副作用が強まるおそれがあります。これらの薬剤は本剤と排泄経路が競合するため、いずれかの排泄が遅延して血中濃度が上がるおそれがあります。
腎毒性のある薬剤
- 抗炎症薬(NSAIDs)
- 高血圧治療薬(ACE阻害薬、ARB等)
- 抗菌薬(アミノグリコシド系、ペニシリン系、ニューキノロン系等)
- 造影剤
- 抗がん剤(シスプラチン)等
これらの薬剤は腎機能障害のリスクとなりますので、併用は避けることが望ましいとされています。