イブプロフェンが配合されている通販商品
イブプロフェンの禁忌事項
下記に該当する方はイブプロフェンを使用しないでください。
消化性潰瘍のある方
プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により、消化性潰瘍を悪化させることがあります。
重度の血液異常のある方
血液の異常をさらに悪化させるおそれがあります。
重度の肝障害のある方
肝障害をさらに悪化させるおそれがあります。
重度の腎障害のある方
腎障害をさらに悪化させるおそれがあります。
重度の心機能不全のある方
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能不全をさらに悪化させるおそれがあります。
重度の高血圧症のある方
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがあります。
イブプロフェンに対して過敏症の既往歴のある方
過敏症はイブプロフェンに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。市販薬のイブなどイブプロフェンを含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は使用できません。該当する方が再度イブプロフェンを摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある方
喘息発作を誘発することがあります。
妊娠後期の女性
妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されています。また、他の解熱鎮痛消炎剤を妊娠後期に投与したところ、胎児循環持続症(PFC)が起きたとの報告があります。
イブプロフェンは下記の薬と併用できません
ジドブジン(レトロビル)
HIV感染症の治療薬です。併用すると出血した際に血が止まりにくくなることがあります。
イブプロフェンの働きと効果
- 効能・効果
- (1) 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑) - (2) 手術並びに外傷後の消炎・鎮痛
- (3) 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
一般名:イブプロフェン
痛みや発熱の緩和に使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。処方薬・市販薬の両方が承認されており、市販薬では「イブ」などがよく知られています。
イブプロフェンは、さまざまな疾患による炎症・痛み・発熱を和らげます。鎮痛剤としては、喉の痛み、頭痛、偏頭痛、歯痛、生理痛などに幅広く使用されています。
イブプロフェンのようなNSAIDsは解熱鎮痛効果が高い反面、胃腸への副作用が出やすい傾向があります。効果が強力であるほど、胃痛や吐き気などの胃腸症状が現れやすくなります。イブプロフェンはNSAIDsの中では比較的マイルドな強さのため、胃腸への副作用も比較的軽減されます。
炎症などに関与する生理活性物質を抑制
イブプロフェンは、炎症を引き起こす生理活性物質「プロスタグランジン」の産生を抑制します。
プロスタグランジンは、体内に存在する酵素「シクロオキシナーゼ(COX)」によって合成されます。この酵素には、COX-1とCOX-2の2種類があります。このうちCOX-2によって産生されるプロスタグランジンは、炎症や発熱、痛みなどの原因となります。
内服されたイブプロフェンは、COX-2の働きを阻害し、プロスタグランジンの合成を抑制します。これにより、プロスタグランジンが引き起こす炎症・痛み・発熱が緩和されます。
イブプロフェンの抗炎症効果を示した臨床データ
イブプロフェンの消炎鎮痛効果は、国内で実施された先発薬ブルフェンの臨床試験で証明されています(17. 臨床成績, 医療用医薬品:ブルフェン, KEGG DRUG, [リンク])。
以下は主要疾患に対するブルフェンの有効率です。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
紅斑(皮膚が赤く腫れる症状) | 81.8%(27/33) |
関節痛および関節炎 | 78.1%(50/64) |
月経困難症(生理痛) | 74.4%(29/39) |
頸腕症候群(首・肩・腕の痛みやしびれ) | 74.1%(20/27) |
手術並びに外傷後の消炎・鎮痛 | 73.9%(272/368) |
神経痛および神経炎 | 71.0%(22/31) |
背腰痛 | 66.1%(37/56) |
子宮付属器炎 | 61.5%(24/39) |
関節リウマチ | 38.7%(48/124) |
炎症(赤み)に対する有効率が最も高く、鎮痛効果においても良好な結果となりました。NSAIDsの中では作用が比較的おだやかながらも、優れた消炎鎮痛効果が実証されました。
- イブプロフェンが配合されている抗炎症薬
- 先発薬:ブルフェン(科研製薬)
- 先発薬(海外版):ブルフェン(アボットラボラトリーズ)
イブプロフェンの副作用
副作用
胃部不快感、腹痛、食欲不振、消化不良、嘔気・嘔吐、下痢、発疹、蕁麻疹、頭痛、眠気、浮腫(むくみ)などが報告されています。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少、消化性潰瘍、胃腸出血、潰瘍性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群、無菌性髄膜炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、喘息発作、心筋梗塞、脳血管障害などが報告されています。
主な副作用
以下はイブプロフェンの添付文書(11. 副作用, 医療用医薬品: ブルフェン, KEGG DRUG, [リンク])に記載されていた副作用の発現率です。
発症頻度:0.1〜5%未満
消化器 | 胃部不快感、腹痛、食欲不振、消化不良、嘔気・嘔吐、下痢 |
---|---|
肝臓 | ALT上昇 |
過敏症 | 発疹、蕁麻疹 |
精神神経系 | 頭痛、眠気 |
その他 | 浮腫 |
発症頻度:0.1%未満
消化器 | 便秘 |
---|---|
肝臓 | Al-P上昇 |
過敏症 | そう痒感、湿疹 |
精神神経系 | めまい |
発症頻度:頻度不明
血液 | 血小板機能低下(出血時間の延長) |
---|---|
消化器 | 口渇、口内炎、腹部膨満感 |
肝臓 | AST上昇、黄疸等 |
過敏症 | 紫斑 |
感覚器 | 霧視等の視覚異常、難聴、耳鳴、味覚異常 |
精神神経系 | 不眠、抑うつ |
循環器 | 動悸、血圧上昇、血圧低下 |
その他 | 倦怠感、発熱、鼻出血 |
主な副作用は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振などの胃腸症状です。これらの症状を避けるためには、空腹時の服用を控えましょう。まれに眠気や頭痛、めまいなどの症状が現れることもあります。
注意すべき副作用には、過敏症による発疹や蕁麻疹があります。これらは薬に対するアレルギー反応であり、重症の場合にはショックやアナフィラキシーを引き起こすことがあります。また、血液の異常として出血傾向や重度の貧血を生じることがあります。胃腸に関しても、消化性潰瘍や胃腸出血といった重篤な副作用が報告されています。使用後に何らかの異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
重大な副作用
以下のような重大な副作用が、ごくまれな頻度で報告されています。万が一、体調に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
重度の過敏症
- ショック
- アナフィラキシー
薬に対する重大なアレルギー反応です。ショックでは冷や汗、顔面の蒼白、めまい、意識の消失などの症状がみられることがあります。アナフィラキシーでは蕁麻疹(じんましん)や息苦しさなどがみられることがあります。
血液の異常
- 再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ)
- 溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)
- 無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)
- 血小板減少(けっしょうばんげんしょう)
再生不良性貧血は血液中の赤血球・白血球・血小板が全て減少する指定難病です。溶血性貧血は赤血球が壊されることで起こる貧血です。無顆粒球症は白血球の一種である顆粒球が著しく減少する疾患で、38度以上の高熱やのどの痛みが出ます。血小板減少は何らかの原因で血小板が減少し、出血しやすくなった状態です。
胃腸障害
- 消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)
- 胃腸出血(いちょうしゅっけつ)
- 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
消化性潰瘍は胃潰瘍と十二指腸潰瘍の総称で、これらの器官の粘膜が胃酸や消化酵素によって重度の損傷を受けた状態です。みぞおちの痛みや吐き気などの症状が出ます。胃腸出血は口から肛門までの消化管全般における出血で、血を吐いたり血便が出たりします。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜がただれる炎症疾患で、下痢、血便、腹痛などの症状が出ます。
皮膚の障害
- 中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう)
- 皮膚粘膜眼症候群(ひふねんまくがんしょうこうぐん)
全身の皮膚が薬へのアレルギー反応によって壊死や重度の炎症を起こす状態です。TENでは全身の赤みや広範囲(全身の10%以上)のただれ、スティーブンス・ジョンソン症候群では全身のただれや水ぶくれなどがみられることがあります。いずれも38度以上の高熱(TENでは加えて倦怠感や食欲不振)をともないます。
腎障害
- 急性腎障害(きゅうせいじんしょうがい)
- 間質性腎炎(かんしつせいじんえん)
- ネフローゼ症候群(ねふろーぜしょうこうぐん)
急性腎障害は、腎炎などの原因によって腎機能が急激に低下した状態です。発疹、発熱、尿量減少、吐き気、食欲不振などの症状が出ます。間質性腎炎は、薬剤性過敏症によって腎臓に炎症を起こした状態です。尿量増加、夜間尿、発熱、発疹などの症状が出ます。ネフローゼ症候群は、糸球体という腎臓の器官に障害が出て、尿中に大量のタンパク質が排泄される疾患です。食欲不振、倦怠感、尿の泡立ち、腹痛、まぶたの腫れ、むくみ等の症状が出ます。
無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)
髄膜(脳と脊髄を覆っている膜)が、通常の細菌以外の抗原(ウイルス、真菌など)によって炎症を起こす疾患です。38~40度の高熱、頭痛、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出ます。
肝障害
- 劇症肝炎(げきしょうかんえん)
- 肝機能障害(かんきのうしょうがい)
- 黄疸(おうだん)
劇症肝炎(急性肝不全)は、肝臓が急激に広範囲で壊死して、肝機能が著しく低下する疾患です。意識障害が起こり、放置すると命にかかわります。肝機能障害は、肝機能の低下により、体に様々な不調が生じる状態です。吐き気、嘔吐、胃や腹部の痛み、発熱、脱力感または異常な疲労感、かゆみ、食欲不振、明るい色の便、濃い色の尿などが見られることがあります。黄疸は肝機能障害の症状であり、皮膚や白目の部分が黄色っぽくなります。
喘息発作
喘息患者に見られる急性の呼吸器症状です。気道が炎症を起こし、何らかの刺激によって狭くなった状態です。突然の激しい咳、呼吸困難、喘鳴(ヒューヒューゼーゼー音)等が出ます。
心血管障害
- 心筋梗塞(しんきんこうそく)
- 脳血管障害(のうけっかんしょうがい)
心筋梗塞は心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなって壊死してしまう疾患で、突然胸が締め付けられるような激痛が起こります。脳血管障害(脳卒中)は脳梗塞と脳出血の総称で、くも膜下出血も含まれます。片方の手足の麻痺、喋りにくさ、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。
イブプロフェンの使用上の注意点
この項目では、イブプロフェンの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている方
ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としていますが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあります。
消化性潰瘍の既往歴のある方
消化性潰瘍を再発させることがあります。
血液の異常又はその既往歴のある方
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがあります。重篤な血液異常のある方は禁忌となります。
出血傾向のある方
血小板機能低下が起こることがあるので、出血傾向を助長するおそれがあります。
心機能異常のある方
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、心機能異常を悪化させるおそれがあります。重篤な心機能不全のある方は禁忌となります。
高血圧症のある方
プロスタグランジン合成阻害作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を上昇させるおそれがあります。重篤な高血圧症のある方は禁忌となります。
気管支喘息のある方
アスピリン喘息でないことを十分に確認してください。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では喘息発作を誘発することがあります。アスピリン喘息又はその既往歴のある方は禁忌となります。
感染症を合併している方
本剤によって感染症が不顕性化する(感染していながら症状が無くなる)おそれがあります。感染症の治療には医師の診断のもと、適切な抗菌薬を使います。
全身性エリテマトーデス(SLE)の方
SLE症状(腎障害等)を悪化させるおそれがあります。
混合性結合組織病(MCTD)の方
無菌性髄膜炎が発症するおそれがあります。
潰瘍性大腸炎の方
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告があります。
クローン病の方
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告があります。
腎障害又はその既往歴のある方あるいは腎血流量が低下している方
腎障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがあります。重篤な腎障害のある方は禁忌となります。
肝障害又はその既往歴のある方
肝障害を悪化又は再発させるおそれがあります。重篤な肝障害のある方は禁忌となります。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
医師が治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ使用できます。妊娠後期の女性は禁忌となります。
授乳婦
母乳中へ移行することが認められています。医師が治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討します。
小児等
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に服用する必要があります。低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児を対象とした有効性及び安全性は確立されていません。
高齢者
高齢の方は副作用が現れやすくなります。副作用の発現に特に注意し、少量から服用を開始するなど慎重に服用する必要があります。
併用に注意が必要な薬
ワルファリン
血液をサラサラにして血栓ができないようにする薬です。併用するとクマリン系抗凝血薬の作用が強くなりすぎる可能性があります。
アスピリン製剤(抗血小板剤として投与している場合)
熱を下げたり、痛みをやわらげるために使用される薬です。血液を固まりにくくする作用もあります。併用するとアスピリン製剤の血小板凝集抑制作用が弱まってしまう可能性があります。
出血傾向を助長する薬剤
- 抗凝血剤(ワルファリンなど)
- 抗血小板剤(クロピドグレルなど)
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミン、パロキセチンなど)
抗凝血剤と抗血小板剤は血が固まらないようにする薬です。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は気分を安定させる効果からうつ病や不安障害などに使用されます。併用すると胃や腸から出血するリスクが高くなる可能性があります。
炭酸リチウム
躁病や躁うつ病の躁状態を改善するために使用される薬です。併用によってリチウム中毒(吐き気、下痢、手の震え、眠気、腹痛、口の渇き、意識が遠のく等)が出たという報告があります。
一部の利尿薬
- チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド)
- ループ利尿薬(フロセミド)
尿量を増やすことで高血圧や心不全などを改善します。併用すると利尿薬の効果が弱くなる可能性があります。
一部の高血圧治療薬
- ACE阻害剤(エナラプリルなど)
- β遮断剤(プロプラノロールなど)
高血圧の治療に用いられます。併用すると血圧を下げる効果が弱くなることがあります。
タクロリムス水和物
臓器移植した際の拒絶反応の抑制や重症筋無力症・関節リウマチなどの治療に使用される薬です。併用すると急性腎障害になる可能性があります。
ニューキノロン系抗菌剤
- エノキサシン水和物など
尿路感染症や腸管感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症などのさまざまな感染症の治療に有効です。併用すると痙攣が現れる可能性があります。
メトトレキサート
関節リウマチの治療薬です。併用するとメトトレキサートの効果が強くなることがあります。
コレスチラミン
血中のコレステロール値を下げる薬です。併用すると本剤の効果が十分に得られない可能性があります。
スルホニル尿素系血糖降下剤
- クロルプロパミド
- グリベンクラミドなど
インスリンの分泌を増やして血糖値を下げる薬です。併用すると血糖降下作用が強くなり低血糖を起こす可能性があります。
CYP2C9阻害作用を有する薬剤
- ボリコナゾール
- フルコナゾール
カンジダなどの真菌感染症を治療する薬です。併用すると本剤の効果が必要以上に強くなることがあります。