早漏症がよくわかる疾患ガイドページ
早漏症（そうろうしょう）とは？
早漏症は、年齢に関係なく、幅広い世代の男性に見られる症状です。
早漏症の英名は、Premature Ejaculation（プリマチュアー イジャキュレーション）といい、PEという略称で呼ばれています。
米国泌尿器科学会では「1分以内に射精してしまう」「挿入まで射精を我慢できない」「性交に苦痛を覚え、自分に自信が持てない」などの症状にあてはまる場合に、早漏症であると定義しています。この定義は国内における医療機関の診断基準にも使われています。
早漏を改善する薬で早漏症の症状は改善されます。
国際的な基準によって定義されている早漏症の症状
早漏症とは、射精のタイミングが異常に早い症状のことです。医学的な定義に関しては、医師の間でも基準が分かれていました。従来の基準は射精が早いという点はおおむね合致していますが、どのくらい早いのか、射精が早いことで苦痛を感じているかなどの基準が、医師によって異なっていました。それが、2007年10月に開催された国際性医学会議、それを受けた米国泌尿器科学会（AUA）の第103回年次総会において、以下の症状を判断基準にして早漏症が定義づけられています。
- 早漏症の定義
- 性交時に腟内挿入後1分（60秒）以内に射精してしまう。
- 性交時において挿入前に射精してしまう。
- 腟内挿入後、自分のタイミングで射精ができない。
- 度重なる早漏の結果、性交が苦痛となり、大きなストレスを感じる。
この定義の判断基準に当てはまる場合、早漏症と診断されます。
パートナーの女性が望む腟内に挿入してから射精までの時間よりも、早く射精してしまうことで性交の度に大きなストレスが生じます。早く終わってしまう状況を繰り返すうちに自信を失い、性欲があったとしても性行為に苦痛を感じるためにそれを回避しようという気持ちが起こります。
性交に対する不安や恐怖が芽生えると自力で解決することが困難となるため、有効性が認められた治療法で早めに対処することが大切です。
早漏症の原因は大きく分けて心因性と器質性の2種類
早漏症の原因を特定するのは簡単ではありません。主な原因として心因性と器質性の2つに分かれ、それも1つではなくいくつかの原因が重なり合って早漏症の症状が現れるとする説が有力です。
性交への不安やストレスが原因になる心因性の早漏。
早漏の原因が心因性である場合、性交への不安やストレスなど精神の乱れにより発症します。性機能そのものには問題ないとしても、不安やストレス、自信喪失の過剰などが原因となり、本来の機能を引き出すことが難しくなってしまいます。
心因性の早漏を発症する要因はストレス性と過敏性の2種類です。
ストレス性早漏
ストレス性の原因で早漏になる場合は、仕事のプレッシャーや家庭内のトラブルなど日常的なストレスが原因で症状が発症します。精神に過剰なストレスを受け続けると、射精をコントロールするうえで重要な役割を果たす脳内の神経伝達物質セロトニンが不足した状態に陥りやすくなります。
過敏性早漏
過敏性とは、性交時における過度な不安や緊張、興奮などが原因で引き起こされます。射精をコントロールする自律神経が正常に働けなくなり、陰茎に少し触れただけで過剰に反応し、適切なタイミングで射精できなくなります。このような過敏性が原因となる早漏は、性交に慣れていない20代の若い男性に多く見られるのが特徴です。
包茎や筋肉の衰えが原因になる器質性の早漏。
原因が器質性の早漏は、包茎や加齢による筋肉の衰えなど身体的な問題が原因となって発症します。
器質性の早漏が発症する要因は次の通り2つあります。
包茎性早漏
早漏症が発症する原因の1つとして包茎が挙げられます。陰茎の皮によって亀頭が守られているため、性交時における外部からの直接的な性的刺激への耐性が弱くなります。
衰弱性早漏
衰弱性早漏の原因は、射精をコントロールする射精管閉鎖筋という筋肉の衰えです。射精管閉鎖筋の衰えにより精子の放出を抑える力が弱くなることが原因となって、漏れ出るようなかたちで射精に至ります。
射精管閉鎖筋の衰えは加齢が原因であることが大半です。
内服薬や行動療法による早漏症の治療法
- 早漏症の治療に有効な成分
- ダポキセチン
神経伝達物質セロトニンの再取り込みを防いで、濃度を上昇させる働きをします。過度な興奮を抑える働きをしますので、性交の際に男性が早く射精してしまう早漏症の改善に利用されます。
- ダポキセチンが配合されている商品
- プリリジー
性交で早く射精してしまう早漏の症状を改善する治療薬です。臨床試験において有効性が示されており、性交前に服用するだけで射精までの時間を3〜4倍に延ばす効果があります。
早漏症に有効な内服薬を用いた薬物療法が選択されるケースがあります。
代表的な薬がプリリジーで、治療・防止効果が期待できる薬です。プリリジーはダポキセチンを主成分とする世界最初の内服PE治療薬で、世界60ヵ国以上で数百万人の早漏患者に使用されています。
初回服用時から射精に至るまでの時間を延長させる効果が認められており、即効性が高い治療法として知られています。
勃起不全（ED）と早漏症が合併している場合は、バイアグラやレビトラ、シアリスといったED治療薬が併用されるケースもあります。これらの薬物療法は単独でも早漏防止に高い効果が見込めますが、下記の行動療法などとの併用によって、より精度の高い治療を目指す手法が一般的です。
自慰や実際の性交を通して行う早漏防止の行動療法。
早漏症を治療する方法の1つに挙げられるのが、実際のセックスを通して改善に向かわせる行動療法です。性行為に入る前に、マスターベーションを行って射精のタイミングを遅らせるのが狙いです。
行動療法によって成功を収め、自信につながれば、症状の改善が見込めます。また、腟内挿入に大きなプレッシャーを感じないようにするためのテクニックを取り入れ、不安を取り除く方法も有効です。
このほかにも、射精感が高まった状態で即時に射精してしまわない習慣をつけるスクイーズ法やセマンズ法といった行動療法もあります。
スクイーズ法は、自慰で射精感が高まってきたら刺激を止めて射精してしまわないよう亀頭を抑えます。
セマンズ法は、パートナーの手による射精介助や膣内への挿入によって刺激に慣れさせます。
早漏症の予防・治療は、行動療法およびカウンセリングをメインに行います。
専門カウンセラーが直接、相談者から症状や性交時における悩みを聞き取り、内容に応じて適切な予防・治療のアドバイスを送ります。
早漏防止に効果的なスプレーやコンドームを活用した予防法
プリリジーなどの治療薬以外の早漏対策として、陰茎への直接的な性的刺激を緩和する早漏防止グッズが効果的です。早漏防止グッズのバリエーションには、陰茎の感度を鈍くする成分を用いて開発されたクリーム剤やスプレー、コンドームがあります。いずれの製品も、性交前に陰茎へ直接塗布することによって早いタイミングでの射精を防止します。
内服薬などの早漏防止効果を利用しないで早漏症の改善を望む男性からのニーズを集めています。
自らの意思と関係なく早く射精してしまう症状は、多くの場合、複数の原因が絡み合って引き起こされます。
「膣内に挿入してから射精まで1分以上もたない」「射精をコントロールすることが自力でほとんどできない」「性交自体が苦痛であり、大きなストレスを感じる」という早漏症の判断基準に当てはまる方は、プリリジーのような即効性の高い治療薬、スプレー、コンドームのような早漏防止グッズを活用すれば、効率的な症状の改善が可能です。