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トリコモナス症がよくわかる疾患ガイドページ

トリコモナス症は、トリコモナス・バジナリスという原生動物によって引き起こされる性感染症です。感染すると、男女ともに不快な症状を引き起こすことがありますが、特に女性はかゆみ、異常なおりもの、排尿時の痛みなどを経験することが多いです。性的接触が主な感染経路であり、効果的な治療法としては抗原虫薬の投与があります。

このガイドでは、トリコモナス症の原因、症状、治療法、そして感染を防ぐための予防策について詳しく解説し、患者がこの病気を理解し、適切に管理するための情報を提供します。この知識により、感染のリスクを減らし、健康を守ることができます。

トリコモナス症(とりこもなすしょう)とは?

トリコモナス症とは?

トリコモナス症は、トリコモナス・バジナリス(Trichomonas vaginalis)という原虫によって引き起こされる性感染症です。この病原体は主に性的接触を通じて伝播し、女性では膣内、男性では尿道に感染を引き起こします。

感染した女性の多くは、膣のかゆみ、不快な臭いがする泡立つおりもの、排尿時の痛みなどの症状を経験します。男性では、多くの場合、症状が軽微または無症状で、感染に気づかないことが多いですが、尿道炎を引き起こし、排尿時の刺激や痛みを感じることがあります。

トリコモナス症の診断は、患部からの検体を顕微鏡で調べることによって行われます。治療には、メトロニダゾールまたはティニダゾールといった抗原虫薬が用いられ、性パートナーも同時に治療を受けることが推奨されます。

日本国内でのトリコモナス症の患者数についての具体的な統計は限られていますが、性感染症全般に対する認識の高まりとともに、検査や治療を受ける人が増加している傾向にあります。また、性教育の充実や、適切な性行動の啓発が進んでおり、予防意識が向上していると言えるでしょう。

トリコモナス症の予防には、安全な性行為の実践が重要であり、特に新しいパートナーとの性接触の際にはコンドームの使用が効果的です。

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泡状のおりものやかゆみなどトリコモナス症の症状

おりものの異臭などトリコモナス症の症状チェックリスト

女性にみられるトリコモナス症の主な症状は、多量のおりものです。魚の腐敗臭に近い強烈な悪臭を伴ったおりものが特徴です。膿が混じるため、おりものは乳白色~黄緑色をしています。比較的水っぽい性状をしていますが、時としてブクブクした泡が混じっていることもあります。 自覚症状は膣内が熱く感じるような強いかゆみなどです。外陰部が炎症によって赤くただれ、性交時にヒリヒリ痛みます。 その他、排尿痛や頻尿など尿路症状が見られることもあります。

上記したトリコモナス膣炎の症状がみられるのは、感染した女性の50%程度です。症状は単体で現れることもあれば、同時に複数の症状を発症することもあります。軽い症状に留まることもありますが、トリコモナス膣炎が自然に治ることはありません。治療せずに放置していると炎症が卵管まで進み、不妊症、早産、流産となる場合があります。発症が疑われる際にはすぐに治療薬を服用してください。

男性にみられるトリコモナス症の主な症状は、軽い尿道炎があります。尿道の違和感やかゆみ、ごく微量の分泌物、軽い排尿痛などです。男性の場合、一般的にほとんど症状が現れません。症状が出ているのが尿道だけである場合、排尿によって原虫が洗い流されて自然に治ることもあります。

自然治癒することのある男性のトリコモナス症ですが、治療せずに放置するのはよくありません。トリコモナスに感染している男性の多くに前立腺炎の合併がみられます。前立腺に潜んでいる原虫は自然に排出されません。たとえ症状が出ていなくとも、性交をすればパートナーに感染させてしまいます。

発症するまでの潜伏期間にはかなりの個人差があります。

トリコモナス症の潜伏期間は10日前後とされていますが、個人差が出ます。早ければ感染から3日後、遅いと1ヶ月後に発症することもあります。
また一般的な潜伏期間が過ぎても自覚症状が現れない場合もあります。無症状の女性感染者において、1/3が6ヶ月以内にトリコモナス症を発症するというデータもあります。

トリコモナス症の潜伏期間にはかなりの幅があるため、感染した時期や感染経路を特定するのは困難です。発症前の数ヶ月以内に性交をしたすべての相手が、感染源の疑いがあります。

トリコモナス原虫の感染がトリコモナス症の原因

トリコモナス症の原因は、原虫の一種であるトリコモナスです。原虫とは、肉眼では確認することが困難な小さい生物です。原虫が膣や尿道に入り込んで炎症を起こし、発症に至ります。原虫の感染範囲が広がると、膀胱や外陰にも炎症が生じることがあります。

悪臭や発赤などが生じる直接的な原因は、乳酸菌の減少にともなう雑菌の繁殖です。乳酸菌は、腟粘膜細胞内にあるグリコーゲン(糖)を乳酸に変換します。乳酸によって膣内のphを酸性に維持し、雑菌をおさえこんで清浄に保っています。原虫は乳酸菌と拮抗してグリコーゲンを消費し、乳酸菌を減少させます。乳酸菌の減少によって膣内phが酸性からアルカリ性に傾くと、雑菌の繁殖を抑制できなくなります。
普段よりも膣内phがアルカリ性に傾く生理中には、特にトリコモナス症が起こりやすいと考えられています。

トリコモナスは性交で感染することがほとんどです。発症前の潜伏期間であっても感染する可能性が十分にあると言われています。このため、気付かない内に感染を拡大させてしまいます。
男性の場合は自覚症状が現れにくいことも感染が拡大する原因となります。予防にはコンドームの使用が有効です。

性交以外で考えられる感染経路。

トリコモナスは体外に出ても水分のある場所であればしばらくは生存が可能です。そのため、性交以外でも下着、タオル、便器、浴槽、プールなどを介して感染することがあります。性交経験のない女性や幼児でもトリコモナスに感染する可能性があります。トリコモナス症は水虫のように感染することもある、という認識が大切です。

トリコモナス症の治療は内服薬が有効

トリコモナス症の治療薬と改善率のグラフ
トリコモナス感染症の治療に有効な成分
メトロニダゾール
体内に吸収されるとニトロソ化合物に変化して、トリコモナス原虫の生命活動を抑制します。開発から50年以上経過した今も膣トリコモナス症の治療に使用されています。
チニダゾール
トリコモナス症などの原虫感染症の治療に用いられる抗原虫剤です。高用量の単回投与による治療が認められた治療薬です。赤痢アメーバ症、ジアルジア症にも有効です。
メトロニダゾールが配合されている商品
フラジール
メトロニダゾールの先発薬です。トリコモナスなどの原虫に加え、嫌気性菌など幅広い微生物に殺作用があります。特にトリコモナスに対する有効性は96.4%という高い効果を示しています。
チニダゾールが配合されている商品
ファシジン
95.2%という有効性があり、単回投与で治療が完了する利便性の良さが特徴です。トリコモナス治療に第一選択される抗原虫薬・抗菌薬です。

性感染症であるトリコモナス症は、パートナーにも感染しているケースが多くみられます。どちらかに自覚症状がある場合は、2人で同時に治療を始めましょう。

トリコモナス症の診療では問診と検査が行われます。問診で聞かれるのは主に自覚症状の有無です。検査では女性は膣分泌液、男性は尿道からの膿などを採取します。トリコモナス症と診断された場合、メトロニダゾールもしくはチニダゾールによる内服治療を開始します。
妊娠中の場合は、胎盤を通して薬の成分が胎児に届いてしまいます。原則として妊婦の治療を行う際は膣錠を使用します。

体の内側から治す治療薬で原虫を完全に駆除しましょう。

体内に入り込んだ原虫を駆除するため、確実に原虫の寄生部位まで成分を届けられる内服薬が有効です。
トリコモナスの治療は、メトロニダゾールの内服を行うことが一般的です。メトロニダゾールが配合されている先発薬フラジール錠は、50年以上にわたってトリコモナスの治療に使われ続けています。フラジールは、96.4%という高い有効率が認められた第一選択薬です。

治療薬は男女ともに10日間続けて服用します。
女性の場合、自覚症状がなくなったとしても完治していない可能性があります。わずかでも膣内に原虫が現存していると、月経血中で増殖することがあります。女性は生理期間終了後に再度検査を受け、原虫の消失を確認することが推奨されます。

治療期間中はパートナーとの性交を控えましょう。

症状が全く出ていない場合であっても、原虫は感染力をもっています。治療中は完治するまで性交を控えるようにしてください。一方がトリコモナス症を発症している場合、そのパートナーにも感染している可能性が高くなります。どちらかにトリコモナス原虫が残っていた場合は、せっかく治療しても再び感染するリスクがついて回ります。互いにうつしあう「ピンポン感染」とならぬよう、パートナーと一緒に病院を受診しましょう。

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