バラシクロビルが配合されている通販商品
バラシクロビルの禁忌事項
下記に該当する方はバラシクロビルを使用しないでください。
- バラシクロビルあるいはアシクロビルに対して過敏症を起こしたことがある
バラシクロビルを服用して過敏症状を起こしたことがある方は使用できません。バラシクロビルは体内でアシクロビルに代謝されるため、アシクロビルに対して過敏症を起こしたことがある場合でも同様です。
バラシクロビルの働きと効果
- 効能・効果
- 単純疱疹・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制
一般名:バラシクロビル塩酸塩
単純ヘルペスウイルス感染症および帯状疱疹の治療に使われる帯状疱疹治療剤です。
ヘルペスウイルスが引き起こす患部の水ぶくれや潰瘍、痛み、違和感などの症状の進行を止めて回復を早めます。早期にバラシクロビルを服用することで、症状を最小限に抑えて皮疹の発生を予防することもできます。
バラシクロビルは、従来のヘルペス治療に「性器ヘルペスの再発抑制療法」という新たな選択肢を増やしました。性器ヘルペスの再発頻度そのものを大幅に減らすことができる画期的な治療法です。バラシクロビルよりも薬効が短い従来の治療薬では、発症のタイミングに合わせた事後対応しかできませんでした。
バラシクロビル500mgを8週間〜最大1年間を目安に毎日服用し続けることで、体内に感染したヘルペスウイルスの量を減らすことができます。
バラシクロビルは、従来のヘルペス治療薬アシクロビルにバリンというアミノ酸を加えた化合物(プロドラッグ)です。バリンには経口摂取すると腸から積極的に吸収される性質があります。
バラシクロビルとしてアシクロビルを摂取すれば、単体で経口摂取する場合に比べて効率良く体内へと吸収されます。
アシクロビルは確かな薬効を持つヘルペス治療薬ですが、1日5回という服用回数の多さが難点とされていました。それに対してバラシクロビルは、1日2回の服用でヘルペスウイルスの増殖を抑えられるよう改良されています。
バラシクロビルが体内で代謝されてウイルスの増殖を防ぎます。

バラシクロビルは、抗ウイルス作用を持つアシクロビルが血中に取り込まれるまでの仮の姿です。バラシクロビルは肝臓でバリンが分離してアシクロビルへと変化して、ヘルペスウイルスに対して直接作用し始めます。
アシクロビルは、ヘルペスウイルスが自身のDNAをコピーする際の材料として取り込むデオキシグアノシン(dGTP)という酵素と構造が似ています。へルぺスウイルスに感染した細胞内でリン酸化という化学反応を受けることで、アシクロビルはデオキシグアノシンと間違ってDNAに取り込まれます。異物を取り込んだDNAはコピーができなくなり、DNAが増やせないヘルペスウイルスは増殖が行えなくなります。
アシクロビルのリン酸化はウイルス感染細胞内でのみ行われます。感染を受けていない正常な細胞内ではDNAに取り込まれることはありません。このような選択毒性によって、バラシクロビルがヒトの細胞に悪影響を与えることはありません。
臨床成績において単純ヘルペスに95.9%の有効率が認められました。
バラシクロビルの効果は、先発薬であるバルトレックスの臨床試験*によって確認されています。
単純ヘルペスウイルス感染症の患者147名に対してバラシクロビル500mgを1日2回投与した結果、95.9%(141/147名)の患者に有効性が確認されました。

性器ヘルペスの再発抑制治療の有効性については、年間8回以上性器ヘルペスの再発を繰り返している患者を対象とした臨床試験が行われています。
臨床試験では、バラシクロビル500mgを1日1回投与する患者288名と、効果の無いプラセボが投与された患者94例の未再発率が比較されました。
16週間の観察を行ったところ、プラセボ群の未再発率が9.8%であったのに対してバラシクロビル群の未再発率は69%という結果になりました。
成人の帯状疱疹患者107名に対してバラシクロビル1000mgを1日3回投与した結果、有効率は87.3%(89/107名)の患者に有効性が確認されました。
バルトレックスを先発薬としたヘルペス治療薬の有効成分として配合されています。
※出典:リンク先、販売名:バルトレックス錠500のインタビューフォームを参照
バラシクロビルの副作用
副作用
過敏症(発疹、じんま疹、かゆみ)、下痢、吐き気、嘔吐、腹部不快感、頭痛、めまいなどが生じることがあります。
重大な副作用
間質性肺炎、急性腎不全、けいれん、幻覚、呼吸抑制、昏睡、錯乱、ショック、アナフィラキシー、せん妄、てんかん、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、肝炎、肝機能障害、黄疸、急性膵炎、無顆粒球症。
以下はバルトレックス錠のインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
頭痛 | 11例 | 2.77% |
傾眠 | 9例 | 2.27% |
悪心 | 5例 | 1.26% |
尿中白血球陽性 | 5例 | 1.26% |
下痢 | 4例 | 0.94% |
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
ALT増加 | 17例 | 4.93% |
AST増加 | 12例 | 3.48% |
血中尿素増加 | 9例 | 2.61% |
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
頭痛 | 34例 | 13% |
嘔気 | 20例 | 8% |
下痢 | 7例 | 3% |
口の渇き | 7例 | 3% |
日本国内の臨床試験で確認されているバラシクロビルの主な副作用は、腹痛や吐き気、軟便といった消化器系の症状です。その他には、頭痛や眠気といった全身の症状も確認されていますが、いずれも重篤なケースではありません。
腹痛や頭痛といったハッキリと自覚できる症状以外では、肝機能や腎機能の低下を示す血液検査値の変化が報告されています。血液検査値の変化は、大半が肝臓や腎臓によってバラシクロビルが代謝されることで起こる一時的な症状です。先にあげた副作用と同じく、重篤な症状につながったという報告はありません。
バラシクロビルの副作用は、薬剤の血中濃度が高まるほどに起こりやすくなります。相互作用を招く薬やアルコールとバラシクロビルを併用すると、薬剤の血中濃度が高まりやすくなるため注意が必要です。
- 使用に注意が必要な人
- <腎障害のある患者、65歳以上の高齢者>
バラシクロビルの活性代謝物は腎臓から排出されます。腎障害のある患者や高齢者などの腎機能が低下していると考えられる方では、精神神経症状(めまい、頭痛など)が現われやすいとされています。腎障害のある患者は服用間隔や用量の調節、高齢者は水分補給を行うなどの工夫が大切です。
- 併用注意薬
- <プロベネシド、シメチジン>
痛風治療薬のプロベネシドと胃酸抑制薬のシメチジンは、アシクロビルの排泄を阻害することがあります。血中濃度の推移を表すAUC(血漿中濃度曲線下面積)が48%増加すると報告されています。 - <ミコフェノール酸モフェチル>
免疫抑制剤として臓器移植後の拒絶反応抑制に使用されます。バラシクロビルとの併用により、両剤の活性代謝物が競合してともにAUCが増加することがあります。 - <テオフィリン>
気管支喘息などの呼吸器疾患に使用されます。アシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害することで血中濃度が上昇して中毒症状が現われることがあります。