勃起不全の症状「EDは年齢に関係なく何歳からでも発症する」

勃起不全の症状は年齢を問わず何歳からでも現われる
勃起不全(ED)は「満足な性交を行うための勃起を得ることができない又は維持できない状態」と定義されています。朝立ちや自慰(オナニー)で勃たないという状態はEDの症状に含まれませんが、朝立ちの減少とEDの発症には相関関係があると考えられています。
重症度は、症状が認められる頻度によって次のように3段階に分類されます。
- 軽度のED:
- たまに十分な硬さの勃起が得られない又は持続しないことがある
- 中等度のED:
- 時々しか性交を満足に行うための勃起が得られず持続しない
- 重度のED:
- 性交の度に十分な勃起が得られず持続しない又は全く勃たない
EDの重症度には、中等度・重度なものだけでなく、勃起不全の症状が現れる頻度が低い軽度な症状も含まれます。発症そのものに気づいていない軽度のED患者を含めると、勃起不全を発病している人口の割合は調査結果よりも更に高くなります。こうした勃起不全の症状に関する疫学的な調査は、バイアグラのような有効性の高いED治療薬の誕生をキッカケに積極的に行われるようになりました。
勃起不全の症状は成人男性の4人に1人に発現していると推定されています。
EDの症状が現れていると推定される日本人の成人男性の人口は、少なく見積もって1130万人にのぼることがわかっています。これは1998年に日本国内で実施されたアンケート形式の統計調査で明らかになった結果です。
日本国内における20歳を超えた男性の人口は約5000万人ですので、およそ4人に1人(25%)以上の割合で勃起不全の症状が現れていることになります。
上記の調査結果は、中等度または重度のEDを発症していると推定された男性の合計値です。
内訳は、中等度の男性が76%(870万人)、残りの24%(260万人)は重度の症状が現れている男性が占めています。
EDによる勃起障害が現れやすくなるのは40代を超えてから

年齢と共に勃起障害の発現頻度やEDの症状の程度が増加する傾向があります。
勃起不全の症状が現れる頻度が高くなりやすいのは、年齢が40代を超えた男性です。
50代、60代、70代と加齢が進むにつれて症状の現れ方がより明確になっていきます。
これらの傾向は、糖尿病などの慢性疾患を抱えた男性や人間ドックの結果を解析した全国推計データにより確認されたものです。年を追うごとに高齢者の割合が増加傾向にある日本国内においては、勃起不全を発病する患者の数は増え続けると予想されています。
20代や30代の若い男性でも状況によってはED予備軍になり得る
40代以上の男性に比べると発現頻度が低く軽度ではありますが、EDは精神的なストレスなどが引き金となり、20代や30代の若い男性にも症状が現れます。精神的なストレスをキッカケに発病するケースもあり、軽度なEDの症状だけでなく条件さえ満たされれば、若くして重度の症状が現れる可能性も否定できません。
適切な対処を行わないまま長期間にわたって勃起不全を放置すると症状は悪化します。そのため中高年の男性だけでなく若い方でも、「勃起が持続しない・朝立ちの頻度が低くなった」など勃起に対して違和感を感じた場合は早めに対処することが大切です。
勃起不全の症状に見られる3つの特徴
勃起不全の症状には様々なパターンがありますが、特徴をまとめると3つのケースに分けられます。
勃起障害の症状は徐々に強くなっていく場合もありますが、ある日を境にして突然EDの症状が出現することもあります。なるべく早期に発見して改善につなげるためにも、次に挙げる勃起不全の特徴について把握しておきましょう。
勃起するまでに時間がかかり性交の途中で中折れしてしまう。
射精前に勃起の硬さが持続しない中折れは、勃起不全の症状の中でも最も見落とされやすい症状です。一旦しっかりとした硬さに勃起した後に萎えるため「勃たない・硬く勃起しない」だけがEDの症状だと考えている方だと特に自覚しづらくなります。
たまにしか中折れが起こらない場合は、EDの初期症状ともいえる軽度なものですが、頻度が増えるにつれて重症度は高くなります。中折れは重度のEDにつながる前兆でもあり、50代を超えた中高年の男性に現れやすいのが特徴です。
朝立ちや自慰では硬く勃起するが性交だと勃たない、または十分な硬さにならない。
朝立ちやオナニーなどパートナーがいない状況では勃起できても、性交時に十分な硬さが得られない(半立ち)場合は、EDを発症していると考えられます。勃起不全の症状には、性交時に限定して勃起の硬さが低下してしまうケースも含まれます。
朝立ちがあり、オナニーでも問題なく勃起するのに性交時には勃起不全の症状が現れるという場合、心理的な要因が関係している可能性があります。こうした症状が現れる頻度が比較的高いのは、性経験が不足している20代や若年層、妊娠適齢期を迎えた30代のパートナーがいる既婚男性などです。
朝立ち・自慰・性交の全てで勃起の硬さが不足している、または勃たない。
勃起不全の症状で最も自覚しやすいのが、朝立ちやオナニー、性交といったシチュエーションを問わず十分な勃起が得られない又は勃たない状態です。朝立ちしない頻度が増えるなどの前兆を経て徐々に症状が強くなっていく場合もありますが、精神的な強いストレスがキッカケで何の前触れもなく現れることもあります。
勃起の硬さや持続力が低下した状態を長引かせると、自身のみならずパートナーにもストレスを与え、セックスレスの原因にもなり得ます。勃起不全による性交の満足度低下は、ED治療薬など有効性の認められた方法で改善できます。
