勃起不全の治療「飲むだけで効く治療薬とEDの治し方」

勃起不全を治療する基本的な流れ

勃起不全（ED）の治療では、症状の程度や他の病歴、常用している薬の有無など最初に簡単な問診による診断が行われます。勃起の硬さや持続力の低下など疑わしき症状が認められ、持病や常用中の薬が特に無い場合は、内服薬（ED治療薬）が処方され治療がスタートします。勃起不全の治し方として、ED治療薬の内服が一般的に用いられています。

勃起不全は血管や神経の障害や精神的なストレスなど、様々な要因が関わりあって発症します。直接的なキッカケになるのは、性交時における陰茎海綿体への血流不足です。つまり、陰茎周囲の血流を改善することで勃起の持続につながります。

大半のケースで内服型のED治療薬が第一選択されます。

勃起不全の治療で第一選択される内服薬は、性交前に服用するだけで陰茎周辺の血流を促進して勃起不全を改善します。そのため、勃起に関わる血管や神経が完全に断裂しているようなまれなケースを除いて、バイアグラなどのED薬で大半の勃起不全を治せます。そういったことから、ED薬が第一選択される理由には、実際の治療だけでなく診断的な目的も含まれています。

勃起不全の治療で第一選択される代表的なED治療薬

勃起不全の治療で第一選択されることが多い薬は、バイアグラやレビトラ、シアリスという3種類の新薬（先発医薬品）です。どの薬も勃起不全を発症した患者を対象に実施された臨床試験で、EDに対する有効性や安全性が認められています。
それぞれ発売された時期や効き目の現れ方は違いますが、勃起不全を改善する効果そのものに明確な差はありません。

ED治療薬にはそれぞれに特徴があります。

世界で初めて開発された勃起不全を治す薬であるバイアグラは、3つの新薬の中で最もスタンダードなED治療薬です。
レビトラやシアリスよりも処方実績が豊富で、同じ有効成分を配合したバイアグラのジェネリック医薬品のバリエーションも数多くあります。バイアグラの効果は服用から30分〜5時間持続し、勃起をサポートします。

レビトラは即効性に優れているのが特徴で、服用から15分〜8時間後までEDの改善効果が持続します。
シアリスは圧倒的な持続時間の長さが特徴で、服用から1〜36時間まで勃起不全を治す効き目が持続します。
バイアグラとは違い、レビトラやシアリスのジェネリックは日本国内の病院で処方されていません。

ED治療薬の値段を比較

勃起不全の治療で第一選択される新薬の有効性や安全性に明確な違いはありません。そのため、どの薬を最初に使用するかは基本的に処方を受ける患者に委ねられます。
希望する製品をスムーズに選択するためにも、それぞれの値段の相場を事前に把握しておきましょう。

最も値段が安いのは、即効性が特徴のレビトラで、1錠あたりの価格は1,500〜1,700円です。
最も値段が高いのは持続性が高いシアリスで、2,100〜2,300円が1錠あたりの相場になります。
スタンダードな薬であるバイアグラの値段は、1,700〜1,900円と先に述べた2製品の中間的な位置付けです。

ED改善効果が認められた場合は、そのまま服用を継続する

ED治療薬の服用によって勃起不全の改善が認められた場合は、そのまま薬による治療を継続しつつ様子をみます。最初に選択した薬の継続的な服用で十分にEDを改善できない場合は、他の薬に切り替えて改めて様子を見るのが一般的です。
臨床試験で認められた勃起不全に対する有効性に明確な違いはありませんが、ED治療薬の効き方には個人差があります。

薬の服用と並行して運動不足や偏った食事を見直すことで治療の効率が高くなります。

効率の良いEDの治し方では、できる限り発症・悪化の素因となるリスクを排除することが大切です。喫煙や運動不足などによる明らかな肥満、お酒の飲み過ぎなど勃起不全の素因として考えられる習慣がある方は、ED治療薬の服用と並行して可能な範囲で生活習慣の改善に努めましょう。

ED治療薬以外の勃起不全の治し方について

勃起不全の治療では、第一選択肢であるED治療薬以外にも、専門医による外科的な治療法もあります。
外科的な治療は、ED治療薬を使用できない、または全ての薬で十分な効き目が得られなかった場合に選択すべき方法です。「ED治療薬に頼らないで勃起不全を治したい」といった理由で外科的な勃起不全の治し方を選択すべきではありません。

内服治療としては、ED治療薬以外にビタミン剤や漢方薬、血管拡張剤、抗うつ薬などが考えられていますが、これらはきちんとした有効性が示されておらず確かなED改善効果が期待できません。

やむを得ない場合に限って外科的な治療法が検討されます。

EDの治し方として内服薬以外では、ポンプ式の勃起を補助する器具または陰茎海綿体への血管拡張剤の注射が優先されます。
勃起を補助する器具は、筒状の器具の中に陰茎を挿入し、ポンプで陰圧を高めて海綿体を血液で充満させることで勃起の成立をサポートします。手軽に使える反面、不快感や痛みなどを感じる可能性があるというデメリットもあります。一方、海綿体にPGE1という血管拡張剤を注射する治療法は、勃起不全に対する高い有効性が認められています。その反面、勃起持続症といった速やかな対処が求められる副作用や局所の痛みといったリスクが伴います。

器具・注射・薬以外でEDを治療する場合、手術による陰茎海綿体へのシリコンの挿入が行われます。確実に勃起の硬さを得ることができますが、自然な勃起が回復する可能性はなくなります。
そのため、勃起不全の治療として手術を行うかどうかは、今後の生活についても熟慮したうえで決定しなければなりません。

勃起不全（ぼっきふぜん）とは？