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ニコチン依存症がよくわかる疾患ガイドページ

ニコチン依存症は、タバコやその他のニコチン製品の使用によって生じる、身体的および精神的な依存状態を指します。

ニコチンが脳内の報酬系を刺激し、一時的な満足感やリラックス効果をもたらすことで、依存度が発展します。しかし、継続的な使用は健康への深刻なリスクを増加させ、禁断症状を伴う依存症を引き起こします。ニコチン依存症はただの悪い習慣以上のもので、心身の健康に様々な影響を及ぼします。

本ガイドでは、ニコチン依存症のメカニズム、健康への影響、そして克服するための戦略について、科学的根拠に基づいて詳しく説明し、禁煙に立ち向かうための支援を目指します。

ニコチン依存症(にこちん いぞんしょう)とは?

ニコチン依存症は、タバコや電子タバコ(アイコス、グロー、プルームテック等)など、ニコチンを含む製品の使用により生じる依存症です。ニコチンは中枢神経系に作用し、一時的な快感やリラックス感をもたらしますが、その効果は一時的であり、継続的な使用が求められるようになります。この繰り返しにより、身体的および心理的依存が生じ、ニコチンなしでは集中困難、イライラ感、不安、睡眠障害などの離脱症状を引き起こします。

例えば以下に該当するような場合は、ニコチンへの依存度が非常に高いといえます。

ニコチン依存度の目安
  1. 朝目覚めてから5分以内に最初のタバコを吸う
  2. 一日に31本以上のタバコを吸う
  3. 禁煙場所(図書館、映画館など)で喫煙を我慢できない

※ファーガストローム・ニコチン依存度テスト(Fagerström Test for Nicotine Dependence, FTND)より

ニコチン依存症の治療には、ニコチン置換療法(パッチ、ガムなど)、非ニコチン薬物治療(バレニクリン)、行動療法、サポートグループの参加などがあります。これらの治療法は、ニコチン摂取の欲求を減少させ、離脱症状を管理し、長期的な禁煙を目指すものです。

ニコチン依存症は、心臓病、脳卒中、各種がんなど、多くの健康問題のリスクを高めるため、早期の治療と禁煙が推奨されます。禁煙は健康への恩恵が大きく、禁煙後数時間で血圧や心拍数が正常化し、数週間で血流と肺機能が改善し、長期的にはがんや心血管疾患のリスクが顕著に減少します。

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身体的と心理的の2つの依存がある

ニコチン依存症には、身体的依存と心理的依存という2つの側面があります。

身体的依存とは、ニコチンが脳の快楽中枢に影響することで、依存が引き起こされている状態です。タバコを吸わずにいるとイライラする、落ち着かなくなる、などといった離脱症状が現れます。離脱症状は、ニコチンが体内から抜ける時に起こります。ニコチンの摂取量が多ければ多いほど、離脱症状によるつらさも増します。

心理的依存とは、生活のあらゆる場面で喫煙習慣に依存している状態です。「目覚めの一服」や「食後の一服」など、今までにあった生活習慣としての喫煙が無くなることで口寂しさを感じます。「タバコを吸えばストレス解消できる」「集中力が上がる」などの誤った思い込みも心理的依存を助長します。

離脱症状はイライラ・めまい・不眠などさまざま

禁煙時に生じる離脱症状の現れ方は様々です。精神面と肉体面の双方に以下のような不快な症状が現れます。

精神面に現れる症状 強い喫煙欲求、イライラする、不安になる、集中力が低下する、落ち着きがなくなる、気分が落ち込む(ゆううつ)、神経質になる
肉体面に現れる症状 めまい、頭痛、眠気、不眠、胃のむかつき、胸やけ、吐き気、便秘、体がだるい(倦怠感)、脈が遅くなる、動悸、手が震える、食欲や体重の増加

これらの症状により「仕事が手につかなくなる」「家族に当たってしまう」など、普段の生活に支障が生じることも多いです。

離脱症状のピークは?症状はいつまで続く?

禁煙を行うと、開始から2~3日目までの間に離脱症状がピークに達します。ピークを過ぎた後も、開始後10~14日目ごろまでは症状が強く出ます。
この期間が最も禁煙に失敗しやすいため、正念場とも言えます。

離脱症状が続く期間には個人差があります。多くの場合、禁煙開始の4週間後までには症状もだいぶ緩和され、3ヶ月後にはほぼ完全に治まります。

原因は継続的な喫煙による脳のニコチン依存

ニコチン依存症の原因は、一定量以上の継続した喫煙です。量や喫煙期間には個人差がありますが、1日20本タバコを吸う生活を10年間続けると、ほぼ依存状態となります。

喫煙すると、タバコに含まれるニコチンが数秒で脳に行き渡ります。
初めての喫煙時は、脳が慣れずにタバコをまずく感じます。何本か吸っていると次第にニコチン受容体が形成され、ニコチンと結合してドーパミン等の神経伝達物質を放出します。

ニコチンは一時的に大量のドーパミンを放出させます。このため喫煙時に強い快感を得ることができ、リラックスやストレス解消といった作用を感じるようになります。

タバコを吸い終えるとニコチンは急速に体内から消滅します。快感が失われるとともに、今度は離脱症状に襲われ、喫煙欲求に耐えられなくなります。

こうして喫煙を繰り返していくうちに、脳で行われる神経伝達物質の放出がニコチンにゆだねられてしまいます。ニコチンがなければ神経伝達物質が慢性的に欠乏した状態となり、タバコに依存してしまうのです。

離脱症状は神経伝達物質の減少によって起こる

離脱症状は、ニコチンによって増加していた神経伝達物質が減少することで起こります。
喫煙によってニコチンが脳に運ばれると、ドーパミンをはじめとしたいくつかの神経伝達物質が放出されます。
このとき放出される神経伝達物質は、主に以下の4つです。

ドーパミン
快感や多幸感をもたらす
セロトニン
心を落ち着かせ、リラックスさせる
ノルアドレナリン
意欲や集中力を高める
アセチルコリン
覚醒作用があり、認知能力や集中力を高める

ニコチンが体内から抜けると、ドーパミンによる快感を失って再び喫煙欲求を感じるようになります。
それとともに他の神経伝達物質も減少し、さまざまな症状が起きます。
セロトニンの減少は精神状態の不安定、ノルアドレナリンの減少は集中力の低下、アセチルコリンの減少は眠気につながります。

神経伝達物質の減少は自律神経のバランスをも乱します。自律神経が乱れると、頭痛やめまいなどの身体症状が起きます。

治療は離脱症状を緩和する禁煙補助薬を使用

ニコチン依存症の治療に有効な成分
バレニクリン
脳内のニコチン受容体に結合し、ニコチンとの結合をブロックします。ニコチン受容体との結合時に少量のドーパミンを放出させ、ニコチン切れによる離脱症状を軽減します。
ブプロピオン
神経伝達物質のドーパミンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する抗うつ薬です。禁煙の離脱症状にも効果が認められたため、新たな禁煙補助薬として認可されました。
バレニクリンが配合されている商品
チャンピックス
内服タイプの禁煙補助薬です。不足したドーパミンを補ってイライラや集中力の低下といった離脱症状を軽減します。ニコチンをブロックしてタバコをまずく感じさせます。
バレニスマート
チャンピックスと同じ有効成分が配合されたジェネリック医薬品です。チャンピックスと同じ内服タイプの禁煙補助薬で、同等の効果が期待できます。バレニスマートを利用する最大のメリットは費用です。先発薬のチャンピックスを利用するよりも、3割ほど安価に禁煙治療が可能になります。
ブプロピオンが配合されている商品
ザイバン
うつに対しても効果のある内服タイプの禁煙補助薬です。脳内のドーパミンとノルアドレナリンを増やし、ニコチン切れによる離脱症状を緩和します。
ブプロンSR
ザイバンと同じ有効成分が配合されたジェネリック医薬品です。先発薬と同等の効き目が期待できます。シート単位の販売ですので、少数から安価で試したい方に最適です。
ニコチンが配合されている商品
ニコテックス
少量のニコチンを含んだニコチンガムです。口内の粘膜からニコチンを摂取し、離脱症状を緩和します。使用量を段階的に減らしてニコチンへの依存を軽減していきます。

ニコチン依存症の治療は、内服薬もしくはニコチン製剤を使用します。
加えて2020年12月より、禁煙補助アプリとCO(一酸化炭素)チェッカーが保険適用となりました。これらは、通院時に行われる呼気チェックなどのやり取りを自宅で行えるようにしたものです。

チャンピックスの出荷停止について

2023年2月21日更新

2021年5月にファイザー社から出荷された「チャンピックス1mg錠、製造番号:EP9481」において、発がん性の可能性があるニトロソアミンが、基準値を超えて含まれていることが分かりました。この影響で、該当のチャンピックス1mg錠は自主回収対象製品となり、現在、新たな製品の出荷を全世界的に停止しています。
なお、出荷再開時期の目安は2022年後半とされていましたが、現時点で再開の目途は立っていません。

ファイザー社は「本製品による健康被害の可能性は低い」としています。併せて、現在チャンピックスを服用中の方は自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談するよう呼びかけています。

チャンピックスの供給再開はいつ?供給問題と代替薬、今後の見通し

チャンピックスの出荷停止に関する販売企業(Pfizer)からの案内文書
2022年08月:チャンピックス錠出荷停止継続のお詫びとご案内
2021年11月:チャンピックスの供給(出荷保留継続)に関するご案内とお詫び
2021年07月:チャンピックスの回収に関するご案内とお詫び

出荷停止中の代替薬・チャンピックスジェネリック「バレニスマート」

チャンピックスの代替薬は、チャンピックスのジェネリック薬・バレニスマートがおすすめです。チャンピックスとまったく同じ有効成分・バレニクリンを配合。同等の禁煙補助効果が期待できます。

バレニスマートは、高いコストパフォーマンスを誇る禁煙補助治療薬です。12週間の治療期間を考慮した場合、チャンピックスと比較して、治療費用を約20~30%削減できます。この経済的な利点は、禁煙を目指す多くの方々にとって大きな魅力となるでしょう。バレニスマートは、効果的な禁煙サポートを求める方々に最適な選択肢です。

禁煙外来における診療の流れ

禁煙外来を受診すると、まず問診やスクリーニングテスト(TDS)によって患者のニコチン依存度をヒアリングします。スクリーニングテストは世界基準で決められている10問のアンケートに答え、回答を採点します。

次にCOチェッカーを使って呼気の中の一酸化炭素濃度を測定し、直近のニコチン摂取量を調べます。

禁煙外来で保険が適用されるには、以下の4つの条件をすべて満たしている必要があります。

  1. スクリーニングテストで合計スコアが5点以上
  2. 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数 ? 喫煙年数)が200以上
  3. 患者本人が直ちに禁煙したいと希望している
  4. 「禁煙治療のための標準手順書」の説明を受け、12週間の治療を受けることに署名で同意

上記をすべてクリアしたら、禁煙補助薬を選んで禁煙開始日を決めます。
禁煙は本人の希望さえあれば、いつでもスタートできます。

代表的な禁煙補助薬はチャンピックス

禁煙治療において最も有効な禁煙補助薬はチャンピックスです。チャンピックスはニコチンを含まない内服薬として、従来のニコチン置換療法(ニコチン製剤)よりも高い禁煙成功率が期待できます。

チャンピックスは服用開始から最初の1週間が準備期間にあたります。この1週間は薬を飲みながらの喫煙が可能です。薬が効いてくると、ニコチンをブロックする作用によってタバコがまずく感じられるようになります。

8日目からは薬の量を増やし、本格的に禁煙をスタートします。そのまま12週間服用を続け、離脱症状を抑えつつ禁煙を続けます。
チャンピックスの臨床試験では、治療期間において83.3%の禁煙維持率が証明されています。

チャンピックスによる服薬治療は、期間中に4回の再診があります。病院では初診時と同様に呼気中の一酸化炭素濃度を測定します。問診は経過報告および悩み相談、医師からのアドバイスといった内容です。
禁煙補助アプリとCOチェッカーを処方された場合、通院せず自宅でこれらのやり取りを行えます。

その他の治療薬(ニコチンガム、ブプロピオン)

禁煙補助薬として、チャンピックス以外にもニコチンガムやブプロピオンがあります。

ニコチンガムは、ガムを噛んで口内粘膜からニコチンを摂取するニコチン製剤です。ニコチン切れによる離脱症状を軽減し、禁煙を補助します。ガムそのものに依存しないように、使用量を徐々に減らしていきます。
タールなどの有害物質を含んでいないため、安全に使用できるニコチン製剤です。

ブプロピオンは、欧米で抗うつ薬としても使われている薬です。神経伝達物質であるドーパミンとノルアドレナリンを増やし、禁煙の離脱症状に対しても治療効果が期待できます。ブプロピオンの服用期間は7~12週間で、この間に治療を終了させます。
日本では未承認であるため、購入手段は個人輸入のみとなります。

禁煙の失敗を防ぐには習慣の見直しが大切

ニコチン依存症は、禁煙治療に成功した後も再発(禁煙失敗)するリスクがあります。禁煙治療は、身体的依存による離脱症状に襲われる最初の3ヶ月を、薬の力を借りて乗り切るのが目的です。
無事に3ヶ月が経過し、身体的依存を克服できたとしても、心理的依存はしつこく脳内でくすぶり続けます。

禁煙を続けていると、フッとタバコを吸いたくなる瞬間があります。まさに魔が差すとしか言いようがなく、「1本くらいなら」という軽い気持ちでタバコに手を伸ばしてしまうのです。ニコチン依存の恐ろしさは、不意の誘惑でいともたやすく禁煙が失敗しうる点です。

禁煙失敗を予防するには、喫煙に関係している習慣を改善しましょう。

  • パチンコや麻雀など喫煙を伴うことが多かった行動を控える
  • コーヒーやアルコールなど喫煙と結びつきが強かった飲み物を控える
  • 起床時の習慣を変える(すぐに洗髪や歯磨き、食事をする)
  • 食事をしたらすぐに席を立つようにする
  • できるだけ喫煙者に近寄らない

禁煙を年単位で続ければ、ニコチンによって高まっていたさまざまな疾患のリスクが低下します。
健全な生活を送るためにも、ニコチン依存症の再発予防を心がけていきましょう。

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