チャンピックスの効果「何日目から?タバコがまずくなる?」について
チャンピックスは、ニコチン依存症の治療を助ける薬で、喫煙の満足感と欲求を抑制します。離脱症状を和らげ、タバコを不味く感じさせる効果があり、12週間の服用で83%の高い禁煙成功率を達成しています。また、治療終了後9ヶ月で約47%の患者が禁煙を継続しており、継続的な禁煙サポートとしての役割を果たしています。

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チャンピックスの効果と効能
- 効能・効果
- ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助
- (1) 喫煙による満足感とタバコへの切望感を抑えて禁煙を補助します。
タバコをやめられない原因は、タバコの煙に含まれるニコチンへの依存です。チャンピックスにはニコチン依存症の症状を緩和します。具体的には主に2つの効果があります。1つはニコチン切れによる離脱症状を軽くすることです。そしてもう1つが、徐々にタバコをおいしいと感じにくくすることです。チャンピックスの服用を続けていくうちに、タバコがまずいと感じるようになります。「タバコを吸いたい」という欲求を少しずつ下げることで、自然とタバコを吸わない状態を作るのです。
チャンピックスの効果を最大限発揮する為には、治療期間である12週間のあいだしっかりと服薬を継続することが大切です。中途半端な期間で服薬を止めてしまうと、その後の禁煙成功率が大きく低下します。
断煙は決して簡単ではありません。吸いたい欲求は、一時的に無くなったと思っても、ちょっとしたきっかけで簡単に蘇ってきます。チャンピックスの効果で補助をしつつ、12週間かけてゆっくりと断煙していくことが、結果的には卒煙=タバコがやめられる近道となります。
チャンピックスの服用期間の最終月における禁煙成功率は83%です。
イギリスやアメリカでは、喫煙者のおよそ70%はタバコをやめたがっているというデータがあります。しかし、実際に行動をおこす方は年間30〜45%ほどです。成功率にいたってはわずか2〜3%となります。
医療として取り組んだチャンピックスの投薬によるニコチン依存症の治療では、禁煙成功率が測定されました。日本で実施された調査によると、47.2%の患者が治療終了から9ヶ月後まで禁煙を続けられています。
チャンピックス販売後の調査では、8割を超える大多数の方が治療期間中に禁煙に成功しています。治療期間の最後の1ヶ月にあたる9〜12週目において、83.3%の患者がタバコを1本も吸いませんでした。
「離脱症状を和らげる効果」と「タバコがまずくなる効果」の2つの働きがあります。
多くの方が、タバコをやめたいと思っていてもやめられずにいるのは、ニコチンが原因です。脳内物質ドーパミンを放出させることで、幸福感をもたらします。体内のニコチンがなくなると、「イライラ」や「落ち着かない」といった離脱症状がおきて、喫煙したくなります。
チャンピックスはニコチンを含まない唯一の禁煙補助薬です。有効成分バレニクリンが脳に働きかけ、ニコチンの依存性を緩和させます。これにより、自然と禁煙ができるように補助する効果を発揮します。
バレニクリンは、脳でニコチンを受けとる器官(受容体)に作用します。ニコチンによる幸福感やニコチン切れによる離脱症状を軽減させる効果があります。
少量のドーパミンを放出して離脱症状のイライラを軽くする
バレニクリンは脳の受容体に結合することで、少量のドーパミンを放出させる効果もあります。離脱症状は、喫煙によって生じたドーパミンが減少することで出現します。バレニクリンによってドーパミンンが補充されると、イライラや不安感などの離脱症状が軽減。または消失します。禁煙で最もつらい症状が緩和され、タバコへの切望感が軽くなります。
禁煙を続けていれば離脱症状は次第になくなっていきます。
大抵は1週間、長くても4週間ほどで離脱症状は治まるとされています。
脳とニコチンの結合を妨げてタバコをまずいと感じさせる
チャンピックスの服用を始めると、タバコがおいしくない・まずいと感じるようになってきます。
タバコを吸うとドーパミンが放出され、充足感や幸福感が得られます。このため、「おいしい」「また吸いたい」と感じます。
チャンピックスの有効成分バレニクリンがニコチンよりも先に受容体に結合します。ニコチンが受容体と結合しなくなることで、ドーパミンの放出を妨げます。すると喫煙による満足感が得られなくなり、タバコをおいしいと思わなくなります。この働きの効果として、喫煙に対する欲求が次第に低下します。
何日目から効果が実感できるのか
人によっては8日目を待たずして吸いたい欲求が減退します。
チャンピックスは、飲み始めた初日から体に働きかけます。ただし、実際に効き目を実感できるようになる期間には個人差があります。早い人では、治療開始から4〜5日ほどでタバコがまずくなって吸いたくなくなります。8日目を待たずして断煙できる方もいます。遅い人では8日目を迎えても吸いたい欲求が一向におさまらないこともあります。こういった場合は、医師の判断で 必要に応じて断煙開始日を延期します。
一般的には、最初の1週目のうちに「吸いたい気持ちはあっても我慢できる」程度に落ち着くことが多いようです。
3ヶ月後にはチャンピックスの助けがなくてもいられる
2週目からスムーズに断煙を始められたとしても、油断は禁物です。この時点でまだ、「タバコを吸いたい欲求」が残っていても不思議ではありません。4週目に突入する頃に、やっとニコチンが体から抜け、離脱症状がほとんど感じられなくなります。
6週間目に入る頃にはニコチンを摂取しない状態に体が慣れてきて、調子が良くなっていきます。10週目になると喫煙したくなる頻度が減ってきます。吸いたくなっても、治療を始めた頃ほど強くは感じません。
12週間の治療が終わる頃には吸いたい意欲が希薄になります。タバコを意識することも減り、チャンピックスの効果がなくても自然と禁煙が続けられるようになります。
服薬している間の効果は常に持続する
チャンピックスは、禁煙スケジュールに合わせて常に効果が持続するように用量を調整して作られています。有効成分の用量が異なる錠剤を段階的に分けて服用するのはそのためです。正しい服用回数と間隔を守って禁煙治療を続けている限り、チャンピックスの効果が途切れることはありません。
服用から数時間の経過で効き目が薄れて離脱症状が強くなるといった事は起こりません。1日1回の服用で、効果は十分に維持されます。
チャンピックスの断薬後も禁煙を続けられるのか
3ヶ月間の治療に成功すれば、体内のニコチンは完全に抜けており、断薬しても離脱症状が起こりません。この時点になると、喫煙に対する強い切望感はなくなっています。
ただし、1本でもタバコを吸ってしまうと再び喫煙が習慣づいてしまう可能性があります。
チャンピックスによる治療を終了(断薬)した後、9ヶ月後の成功率が測定されています。47.2%が禁煙を継続しており、14.9%は失敗してしまったと報告されています。その他に、少なくとも直近1週間は1本も吸っていない患者が0.5%いました。不明または無回答が合わせて37.5%となっています。半数近くの方が禁煙を続けられていますが、喫煙を再開してしまう方も少なからずいるようです。
治療期間の最終日を迎えた時点で、チャンピックスの服用を無理に止める必要はありません。「チャンピックスの効果無しでは禁煙を続ける自信がない」という方もいます。服薬期間は、12週目以降も延長することが可能です。焦らず気持ちを楽にして、しっかりと卒煙することが大切です。
チャンピックスの出荷停止について
2021年5月にファイザー社から出荷された「チャンピックス1mg錠、製造番号:EP9481」において、発がん性の可能性があるニトロソアミンが、基準値を超えて含まれていることが分かりました。この影響で、該当のチャンピックス1mg錠は自主回収対象製品となり、現在、新たな製品の出荷を全世界的に停止しています。
なお、出荷再開時期の目安は2022年後半とされていましたが、現時点で再開の目途は立っていません。
ファイザー社は「本製品による健康被害の可能性は低い」としています。併せて、現在チャンピックスを服用中の方は自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談するよう呼びかけています。
チャンピックスの供給再開はいつ?出荷停止の理由と代替薬、今後の見通し
- チャンピックスの出荷停止に関する販売企業(Pfizer)からの案内文書
- 2022年08月:チャンピックス錠出荷停止継続のお詫びとご案内
- 2021年11月:チャンピックスの供給(出荷保留継続)に関するご案内とお詫び
- 2021年07月:チャンピックスの回収に関するご案内とお詫び
出荷停止中の代替薬・チャンピックスジェネリック「バレニスマート」
チャンピックスの代替薬は、チャンピックスのジェネリック薬・バレニスマートがおすすめです。チャンピックスとまったく同じ有効成分・バレニクリンを配合。同等の禁煙補助効果が期待できます。
バレニスマートは、高いコストパフォーマンスを誇る禁煙補助治療薬です。12週間の治療期間を考慮した場合、チャンピックスと比較して、治療費用を約20~30%削減できます。この経済的な利点は、禁煙を目指す多くの方々にとって大きな魅力となるでしょう。バレニスマートは、効果的な禁煙サポートを求める方々に最適な選択肢です。
チャンピックスの効果まとめ
チャンピックスはニコチン依存症の治療に有効な薬で、喫煙による満足感と欲求を抑制することで禁煙をサポートします。
離脱症状を和らげるとともに、タバコを不味く感じさせる効果があり、12週間の服用で83%の高い禁煙成功率を達成。治療終了後9ヶ月で約47%の患者が禁煙を継続しています。
服用期間は12週間で、正しい服用方法を守ることで、チャンピックスは禁煙の成功に大きく寄与します。また、ジェネリック薬のバレニスマートも同様の効果が期待できます。