チャンピックスの飲み方「禁煙スケジュールに合わせた服用方法」について
チャンピックスの飲み方は、初週に0.5mg錠を1日1回から2回、2週目以降は1mg錠を1日2回、食後に服用します。開始初週は喫煙可ですが、2週目からは禁煙が必須。副作用や飲み忘れがあった場合の対処法として、忘れた時は気づいた時に服用し、途中で喫煙してしまっても禁煙治療を継続することが重要です。12週間の治療後も禁煙が困難な場合、服用期間を延長することが可能です。

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チャンピックスの飲み方(用量・用法)
下記の用量を守って、食後に水またはぬるま湯と一緒に服用してください。

使用する錠剤 | 0.5mg錠 |
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1回の用量 | 1錠 (バレニクリンとして0.5mg) |
1日の服用回数 | 3日目まで … 1回 4日目から … 2回(朝・夕) |
服用のタイミング | 食後 |
服用期間 | 1週間 |
使用する錠剤 | 1mg錠 |
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1回の用量 | 1錠 (バレニクリンとして1mg) |
1日の服用回数 | 2回(朝・夕) |
服用のタイミング | 食後 |
服用期間 | 11週間 |
- チャンピックスの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
バレニクリンに過敏症がある - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
精神疾患(統合失調症、双極性障害、うつ病など)、重度の腎機能障害、血液透析を受けている、妊娠中、授乳中、高齢者(65歳以上)、シメチジンなどのH2受容体拮抗剤、テオフィリンなどの気管支拡張剤、ワルファリンなどの抗血液凝固剤を服用中、インスリンを投与中 - <併用禁忌薬>
特にありません。
飲み始めの1週間は0.5mg錠を飲みます。喫煙もOKです。
最初の1〜3日は、チャンピックス0.5mg錠を1日1回から飲み始めます。4日目からは、0.5mg錠を1日2回(朝・夕)、食後のタイミングで服用します。
はじめの1週間は、タバコを吸いたくなったら吸っても構いません。チャンピックスを飲んでいれば、無理に喫煙を我慢しなくても結構です。飲み始めて最初のうちは、吐き気や気分が悪くなるといった副作用が生じる場合があります。吐き気止めなどで対処しましょう。
2週目(服用開始8日目)〜12週目は1mg錠を飲みます。喫煙はNGです。
服用開始8日目からは、チャンピックス1mg錠を1日2回(朝・夕)食後のタイミングで服用します。
錠剤を1mg錠に切り替えると同時に禁煙をスタートします。8日目以降はタバコを吸わないようにしてください。
チャンピックスを飲み始めてから2〜3週間は、まだ薬の効き目が不十分でタバコを吸いたい気持ちが残っていることがあります。お酒の席などタバコを吸いたくなるような環境はなるべく避けるようにしましょう。タバコを吸いたくなったら水を飲んだり体を動かすなどして数分間でも気をそらすと次第に落ち着きます。
チャンピックスの服用を続けていくうちに、段階的に喫煙欲求が薄れていきます。
2週目以降、12週目を迎えるまで、禁煙を継続しましょう。
12週目以降も服用期間を延長する場合はプラス12週まで延長が可能です。
12週間の禁煙治療が終わった時点でまだ禁煙できていなかったり、不安が残っている場合もあります。このような時は、チャンピックスの服用期間をさらに12週間まで延長することができます。延長できる期間は、飲み始めてから数えて24週目までとなります。
服用期間を延長する際は、チャンピックス1mg錠を1日2回(朝・夕)、食後のタイミングで服用します。副作用の発生リスクがありますので、チャンピックスの服用期間の延長は最長12週までとされています。
禁煙外来での治療期間は12週間と決まっており、保険が適用されるのも12週目までです。禁煙外来の受診期間の延長を希望する場合は保険適用外となりますが、治療の継続は医師の判断に従ってください。
チャンピックスを飲む時間
食後であれば時間を気にせず服用できます。
チャンピックスは食後に服用してください。使用開始1〜3日目は食後であれば朝・昼・夕を問いません。
4日目以降は朝食後と夕食後に飲んでください。普段朝食を摂らないという方は、チャンピックスの使用期間中だけでも朝食を食べるようにしましょう。あるいは昼食と夕食の間隔を長く取って食後に服用するようにしてください。空腹時の服用は、吐き気などの胃腸症状が発現しやすくなってしまいます。
チャンピックスに配合されている有効成分バレニクリンは、投与時間による薬物動態(体内における薬の動き)の差は認められていません。服用間隔を大きく変えないこと、1日2回飲むことを守っていれば時間を制限されずに使用できます。朝・夕の内服が難しい場合は、昼・夜に飲んでも結構です。
飲み忘れ・途中で喫煙してしまった場合の対処法
飲み忘れに気付いた時点か次の服用時間に1回分を服用してください。
チャンピックスを飲み忘れてしまった場合は、気がついたタイミングで飲み忘れた分を飲んでください。次の服用時間が近い場合は、気付いたタイミングではなく次の服用タイミングで1回分を飲んでください。
1度に2回分を飲んではいけません。飲み忘れても、禁煙が続けられていれば何も問題ありません。次回以降飲み忘れがないように気をつけて服用を続けましょう。
禁煙に慣れてくると、チャンピックスを飲まなくても大丈夫だと思ってしまいがちです。12週間の禁煙スケジュールが終了するまでは、自己判断で服用を止めないで下さい。チャンピックスの服用期間中に何らかの異変が生じた場合は、医師に相談してください。
途中で喫煙してしまった場合でも禁煙治療を継続できます。
禁煙期間の8日目以降にタバコを吸ってしまった際には、すぐにチャンピックスの服用を再開しましょう。一度でも喫煙してしまうと禁煙を諦めてしまうケースがありますが、タバコを1本吸っただけでこれまでの努力がなくなることはありません。チャンピックスの服用を続けてタバコを止めましょう。
チャンピックスに限らず、禁煙を失敗してしまうケースでよくあるのが、不意に襲いかかる「一本だけ」の誘惑です。
禁煙を開始してから1〜2ヶ月ほど経つと、つい気が緩んでしまいがちです。そして、「1本だけなら大丈夫」とタバコを吸ってしまうパターンが多く見られます。
結局、1本だけでは我慢できずに喫煙回数が増えていきます。禁煙前と同じ状態に戻ってしまいますので、「一本だけ」の誘惑にはくれぐれも注意してください。
チャンピックスの出荷停止について
2021年5月にファイザー社から出荷された「チャンピックス1mg錠、製造番号:EP9481」において、発がん性の可能性があるニトロソアミンが、基準値を超えて含まれていることが分かりました。この影響で、該当のチャンピックス1mg錠は自主回収対象製品となり、現在、新たな製品の出荷を全世界的に停止しています。
なお、出荷再開時期の目安は2022年後半とされていましたが、現時点で再開の目途は立っていません。
ファイザー社は「本製品による健康被害の可能性は低い」としています。併せて、現在チャンピックスを服用中の方は自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談するよう呼びかけています。
チャンピックスの供給再開はいつ?出荷停止の理由と代替薬、今後の見通し
- チャンピックスの出荷停止に関する販売企業(Pfizer)からの案内文書
- 2022年08月:チャンピックス錠出荷停止継続のお詫びとご案内
- 2021年11月:チャンピックスの供給(出荷保留継続)に関するご案内とお詫び
- 2021年07月:チャンピックスの回収に関するご案内とお詫び
出荷停止中の代替薬・チャンピックスジェネリック「バレニスマート」
チャンピックスの代替薬は、チャンピックスのジェネリック薬・バレニスマートがおすすめです。チャンピックスとまったく同じ有効成分・バレニクリンを配合。同等の禁煙補助効果が期待できます。
バレニスマートは、高いコストパフォーマンスを誇る禁煙補助治療薬です。12週間の治療期間を考慮した場合、チャンピックスと比較して、治療費用を約20~30%削減できます。この経済的な利点は、禁煙を目指す多くの方々にとって大きな魅力となるでしょう。バレニスマートは、効果的な禁煙サポートを求める方々に最適な選択肢です。
チャンピックスの飲み方まとめ
チャンピックスの服用は、禁煙治療の一環としてとても有効です。
初週は0.5mgを1日1回から始め、2週目からは1mgを1日2回、食後に服用します。この段階的な用量増加は、副作用を最小限に抑えつつ効果を最大化するためです。服用期間は基本的に12週間で、禁煙成功の見込みがある場合にはさらに12週間延長が可能です。
効果的な禁煙を実現するためには、正しい服用方法を守ることが重要であり、飲み忘れた場合は次の服用時間に1回分を取るようにしましょう。途中で喫煙してしまった場合でも、禁煙治療を継続することが推奨されています。