トリキュラーの副作用|ニキビ・吐き気・胸の張り・むくみを感じたら
トリキュラーの主な副作用
トリキュラーは2種類の女性ホルモンを摂取して効果を発揮する経口避妊ピルです。体内のホルモンバランスを変化させて高い避妊効果を実現します。トリキュラーを服用するとホルモンバランスが大きく変化します。その結果、吐き気や胸の張りといったホルモンバランスの変化による副作用が起こります。
- <主な副作用>
- 悪心(吐き気)、乳房の張り、頭痛、腹痛、体重増加、ニキビなど。
吐き気や胸の張りなどの副作用が報告されています。
トリキュラーの避妊効果が発揮されている状態におけるホルモンバランスは、黄体期や妊娠中の女性に近い状態となっています。吐き気や胸の張りなどの副作用は、妊娠中にも発生します。トリキュラーの副作用の発現率は以下の通りです。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
吐き気 | 281例 | 29.4% |
胸の張り | 181例 | 19.0% |
頭痛 | 143例 | 15.0% |
嘔吐 | 100例 | 10.5% |
下腹部痛 | 62例 | 6.5% |
下痢 | 44例 | 4.6% |
女性の体はホルモンバランスの影響をとても受けやすくできています。トリキュラーは一時的にホルモンバランスを妊娠中に近い状態へと変化させます。吐き気や胸の張りといった妊娠中のマイナートラブルと似た副作用が起こりやすくなります。
吐き気や胸の張りは続けているうちに治まる
トリキュラーの副作用は、服用の初期に見られる一時的な症状であることがほとんどです。
ホルモンバランスの乱れは、トリキュラーを使い続けるうちに身体に馴染んで安定してきます。ホルモンバランスの乱れが治まることで、吐き気や胸の張りなどの副作用も自然と解消されていきます。
臨床試験で確認された副作用のおよそ4割が1周期目に報告されています。その後、周期が進むと副作用の発現頻度は低下していき、半年でおよそ1割程度まで減少しました。
嘔吐や下痢が見られる際には避妊効果の低下に注意
トリキュラーの副作用には嘔吐や下痢も含まれています。トリキュラーは、飲んでから1〜2時間以内に嘔吐や下痢が長く続くと、有効成分が正しく吸収されず、避妊効果が弱まることがあります。
服用後すぐに嘔吐や下痢が起こった場合は、追加で錠剤を服用するなどの適切な対処を行いましょう。
不正出血の副作用について
不正出血は子宮内膜が完全に排泄されなかった場合に起こります。
トリキュラーの副作用では、不正出血(生理期間以外で起こる出血)も確認されています。不正出血が起こりやすいのは、トリキュラーの服用開始時や新しいシートに切り替わったタイミングです。不正出血の副作用は、子宮内に残った子宮内膜が排泄されることで起こります。
通常であれば剥がれた子宮内膜がすべて排出されるまで生理は続きます。トリキュラーでは避妊効果を維持するため、休薬期間を7日間ちょうどにする必要があります。このことから、子宮内膜がすべて排泄されず残る場合があります。
不正出血はいつまで続くのか
トリキュラーの服用によって起きる不正出血は、大半が1〜2週ほどで解消されます。残っている子宮内膜が自然と排泄されるのを待てば、不正出血は自然と治まります。
不正出血が3週目まで続く場合は、トリキュラーの副作用以外の原因によって起きている可能性があります。その時は婦人科の病院を受診しましょう。
飲み忘れによって不正出血が起こることもある
トリキュラーの不正出血は、ホルモンバランスの変化によって起きます。飲み忘れによって女性ホルモンの濃度が急激に低下すると、不正出血が起こることがあります。
不正出血そのものが大きなトラブルにつながる心配はありませんが、避妊効果が低下する恐れがあるので注意しましょう。
ニキビやむくみなど稀な副作用
ニキビの悪化や体毛の増加は黄体ホルモンの影響で起こります。
トリキュラーの副作用には、ニキビの悪化や体毛の増加も低頻度ながら確認されています。これは、トリキュラーに配合された黄体ホルモン「レボノルゲストレル」が男性ホルモンと同じ働きをするからです。レボノルゲストレルは男性ホルモンと同じアンドロゲン作用を持っており、皮脂腺に影響してニキビや体毛の増加といった副作用を促します。
トリキュラーは、レボノルゲストレルを3段階に分けて摂取する「三相性」に分類される低用量ピルです。三相性の低用量ピルは、決してアンドロゲン作用の強い薬ではありません。初めて飲み始める際や休薬期間中は、どうしてもホルモンバランスが崩れやすくなります。このため、ニキビや体毛といった形で変調を来すことがあります。
男性ホルモン活性が低いピルへの切り替えで改善されます
どうしてもニキビや体毛の増加が目立つようであれば、トリキュラーよりも男性ホルモン活性が低いピルへの切り替えも検討してみましょう。第三世代または第四世代に分類される低用量ピルは、第二世代であるトリキュラーよりも男性ホルモン活性が低く作られています。
第三世代の低用量ピルとしてはマーベロン、第四世代としてはヤーズが挙げられます。
体重増加の副作用は体のむくみが主な原因として考えられています。
トリキュラーの副作用には体重の増加も低確率ながら確認されています。主な原因は、黄体ホルモンの影響による体のむくみであると考えられています。
黄体ホルモンは妊娠を手助けするため、体に水分を溜めやすくする作用を持っています。トリキュラーの服用中は体がむくみやすくなり、溜まった水分の量だけ体重が増えます。
体のむくみによる体重の増加は、およそ1〜2.5kgとなります。それ以上の体重増加は、トリキュラーの副作用ではない別の要因が考えられます。代表的な例としては、加齢による体質の変化や食欲の増加などです。トリキュラーの服用中は体のむくみだけでなく、食事や生活習慣にも注意するのがよいでしょう。
ごく稀な頻度で血栓症のリスクもあります。
トリキュラーに限らず低用量ピルの使用には、副作用として血栓症のリスクが存在します。発症率は9/10,000と非常に低確率ではありますが、注意が必要です。
血栓症のリスクとなる要因は多数ありますが、主だったものは以下の通りです。
- 40歳以上
- 喫煙者
- BMI25を超える肥満
- 家族に血栓症の経験者がいる女性
思い当たる節がある女性は、必ず医師との相談の上で服用しましょう。
血栓症の初期症状に注意しましょう
服用中に以下のような症状が起きた時は、血栓症の初期症状である可能性があります。
- ふくらはぎの痛み
- 突然の息切れ
- 激しい頭痛
- 脱力・痺れ
- ろれつが回らない
- 急に視界が悪くなる
これらの症状が現れたら服用を中止してすぐに医師の診察を受けましょう。