ザイザルの飲み方「タイミング、長期服用、飲み忘れの対処法」について
ザイザル(レボセチリジン塩酸塩)の適切な飲み方と使い方について解説します。成人は通常、就寝前に1回5mgを経口投与し、用量は医師の指示に従ってください。重度の腎障害がある方や特定の薬剤に過敏症のある方は使用を避け、眠気などの副作用があるため機械操作は控えるべきです。腎障害を持つ人は投与量の調整が必要であり、小児の服用方法は成人と異なります。
ザイザルの飲み方(用量・用法)
下記の用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
1回の用量 | 1錠 (レボセチリジンとして5mg) |
---|---|
1日の服用回数 | 1回(就寝前) |
- ザイザルの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
レボセチリジンまたはピペラジン誘導体(セチリジン、ヒドロキシジンを含む)に過敏症、重度の腎障害がある - <使用注意>
眠気を催すことがあるので、服用中は危険が伴う機械類の操作に注意しましょう。
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
腎障害、肝障害、痙攣性疾患の既往歴がある、妊婦または妊娠している可能性がある、授乳中(服用期間中は授乳を避けること)、高齢者(65歳以上)、相互作用を招く可能性のある薬を服用中(テオフィリン、リトナビル、中枢神経抑制剤、ピルシカイニド塩酸塩水和物) - <併用禁忌薬>
特にありません。
基本的な用法用量はザイザルと同一の有効成分を含むジェネリックでも同じです。
年齢、症状に応じた服用量を守りましょう
成人の場合、通常はザイザルを1回5mgで1日1回、就寝前に経口投与します。
投与量は年齢や症状によって異なります。最高投与量は1日10mgとなっています。必ず、医師から指導・処方してもらった際の投与量を守りましょう。
1日10mgを超えた用量で服用してもザイザルの効果は増強されません。薬の効果が不十分な場合は、別の抗ヒスタミン薬に切り替えることをおすすめします。
腎障害を持つ人は投与量を適宜調節しましょう
腎障害を持つ患者は、ザイザルの血中濃度の増大が認められています。腎障害を持つ患者は、下表のように投与量を調節する必要があります。
クレアチニンクリアランス(mL/min) | 投与量 |
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≧80 | 5mgを1日1回 |
50〜79 | 2.5mgを1日1回 |
30〜49 | 2.5mgを2日に1回 |
10〜29 | 2.5mgを週に2回(3〜4日に1回) |
なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者へは、ザイザルの投与が禁止されています。
腎障害を持つ小児患者に対しては、各患者の腎クリアランスと体重を考慮し、個別に用量を調整する必要があります。
ザイザルを服用するタイミングは就寝前
ザイザルは、1日1回、就寝前に服用してください。
食前・食後の指定は特にありません。食事を摂るタイミングが就寝前になってしまった場合でも、ザイザルを服用できます。
小児の場合は、ザイザルを1日2回服用します。服用のタイミングは、朝食後と就寝前です。服用のタイミングや回数が成人とは異なるため、注意しましょう。
朝飲んでも大丈夫?
ザイザルを服用すると、副作用で眠気が現れることがあります。
朝に飲むと眠気の副作用が出て、仕事や生活に支障を来たすおそれがあります。必ず就寝前に服用するようにしましょう。
夜に飲み忘れてしまった場合には、ザイザルの服用は止めて、代わりに眠気の副作用が少ないタイプの薬を使いましょう。
ドラッグストアなどで手軽に買える薬でいうと「アレグラ」や「クラリチン」が該当します。
夜飲むと日中効きづらいと感じる場合
日中にザイザルの効果の減弱を感じる場合、より持続性に優れた薬への切り替えがおすすめです。
薬の持続性の目安になるのが血中濃度の半減期です。半減期とは、血中における薬の成分濃度が半分になるまでの時間を示したものです。
以下は、2010年以降に発売された最新の抗ヒスタミン薬とザイザルの半減期です。
- ルパフィン・・・20.65時間
- デザレックス・・・19.5時間
- ビラノア・・・10.54時間
- ザイザル・・・7.33時間
最も半減期が長いのが「ルパフィン」です。服用後20時間を超えたあたりでようやく成分濃度が半分になるので、強い効果が長時間維持されます。
次に長い「デザレックス」は、眠気が出づらく使いやすい薬です。タイミングを選ばずいつでも服用できます。海外では「エリアス」の名前で知られています。
ザイザルの慢性的な長期服用は控える
ザイザルをはじめとする抗ヒスタミン薬は、鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状を緩和するための薬です。比較的副作用が起きる確率も低く、アレルギーを予防するために中長期にわたって服用することも可能です。
とはいえ、ザイザルを飲み始めても一向に症状が改善しない場合は、漫然と長期にわたって服用しないよう注意してください。ザイザルを服用しても症状が治まらないということは、アレルギー由来の症状ではない可能性が考えられます。
鼻炎や皮膚炎などの症状は、原因に応じた対応策を取ることがもっとも有効な治療法です。ザイザルを飲んでも鼻炎や皮膚炎が改善しない場合は、担当の医師に相談し、治療方法を改めてみるのがよいでしょう。
ザイザルを服用するうえでの注意事項
ザイザルを服用すると、副作用で眠気が起こることがあります。そのため、自動車の運転や危険を伴う機械の操作などは避け、必ず就寝前に服用するようにしてください。
また、ザイザルの服用中は、飲酒により眠気や倦怠感などが強く現れる場合があります。その点についても注意してください。
ザイザルを季節性の鼻炎や皮膚炎の改善に使用する際は、その季節が始まる直前から服用を開始し、該当する季節が終わるまで継続して飲むようにしましょう。
ザイザルを飲み忘れてしまった際の対処法
ザイザルを飲み忘れてしまった場合は、飲み忘れに気が付いた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次の分を飲む時間が近い場合は、忘れた分は服用せず、1回分を飛ばして飲みましょう。
2回分を一度に飲まないよう注意してください。誤って多く飲んでしまった場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
また、医師の指示なしに自己判断で服用を中止するのは禁物です。
ザイザルの飲み方まとめ
ザイザルを安全かつ効果的に使用するためには、用法・用量の指示に従い、就寝前の服用が推奨されます。
眠気を含む副作用に注意し、腎障害がある場合は医師の指示に基づいて投与量を調整する必要があります。また、症状の改善が見られない場合は長期間の無目的な使用を避け、治療方針を見直すことが重要です。服用を忘れた場合の対処法を理解し、誤って過剰に服用しないよう注意しましょう。
ザイザルの使用に際しては、効果的なアレルギー管理のためにも医師や薬剤師との適切なコミュニケーションが必要です。