アフターピルは薬局で買える?市販化の状況と購入方法【2023年最新】
- 公開日
- 2022年06月15日
- 更新日

セックスの後から服用しても優れた避妊効果を発揮するアフターピル。避妊に失敗したときや、性的暴行を受けたときなど、望まない妊娠から女性を守ってくれる強い味方です。
アフターピルの市販化は、長らくのあいだ実現しませんでしたが、2023年11月28日より試験的に開始されました。
今回の市販化は、調査研究として行われる限定的なものであり、簡単には購入できません。
このページでは、試験販売されたアフターピルの購入方法などを詳しく解説します。
また、一般的な通販サイトと同様の手順でアフターピルを購入できる「海外製品の個人輸入」についても紹介しています。
手間をかけずにアフターピルを購入したい方、いざというときに備えて常備しておきたい方は、是非ご一読ください。

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ごく一部の薬局で手続きを行えば購入可能

アフターピルは2023年11月28日より、一部薬局で試験販売が開始されました。
これまで購入には医師の処方せんが必要でしたが、試験販売では処方せん不要でアフターピルを購入できます。
ただし、試験販売には制約があり、購入にあたってはいくつかの手続きが必要です。
アフターピルを薬局(処方せん無し)で購入する手順
試験販売のアフターピルを購入するには、まず日本薬剤師会による特設ページ*にアクセスします。
特設ページの内容(説明文書や同意書などを含む)をしっかり読み、十分に理解する必要があります。
読んだ後は、確認事項として以下のことを全て同意(チェック)します。
- 試験販売は研究の一環であり、アンケートの協力や定められた手順に従うことがが必須
- 購入したアフターピルは、薬剤師のいる前で服用する
- 16歳未満は購入不可、18歳未満は保護者の同意および薬局への同伴が必須
- 体の状態によっては購入できない場合もある
これら4つの項目をすべてチェックすると、対応薬局リストのページにアクセスできます。
対応している薬局は全国で145店舗のみであり、主要都市にあるとは限りません。
薬局へ行く場合は、必ず電話で事前相談をし、身分証明書を持参する必要があります。
薬局では研究参加および服用の同意、薬剤師との面談・説明・面前での服用、2分程度のアンケートなどが行われます。
さらに3~5週間後にメールでも2分程度のアンケートが届くので、それにも回答して終了です。
今回はあくまでテスト運用ですので、お近くの薬局で手軽に、という訳にはいきません。
処方せんがあれば今まで通り薬局で購入できる
もちろん、病院でもらった処方せんがあれば、一部の薬局でアフターピルを購入できます。処方せん受付をしている薬局に行って購入しましょう。
アフターピルの処方せん受付は、ツルハドラッグやスギ薬局など、一部のドラッグストアでも行っています。
処方せんは、産婦人科での対面診療やオンライン診療を受診すれば出してもらえます。
通常では処方せんの原本を薬局に持っていきますが、オンライン診療では医療機関から薬局に処方せん情報が送付される場合もあります。
ピルを受け取る際には、薬剤師による服薬指導を受けます。指導を受けたら、薬剤師の前で薬を服用します。
その後、薬剤師から医療機関に服薬の連絡をして完了となります。
代わりになるものは市販されている?

アフターピルの代わりになるものは市販されておらず、薬局やドラッグストアではお求めになれません。
Amazonや楽天などの通販サイトでも、アフターピルの代わりになるものは取り扱っていません。
これらのサイトで「アフターピル」「緊急避妊薬」と検索した場合、出てくるのはコンドームなど緊急避妊とは関係ない製品ばかりです。
Amazonではエンペシド(膣カンジダ症の薬)などの医薬品も出てきますが、いずれも緊急避妊効果はありません。
緊急避妊を行えるのはアフターピルのみであり、市販の製品で間に合わせることはできないものとお考えください。
ただし、いざという時のための常備用であれば、海外製品の通販という手段もあります。購入に際して、病院の受診や医師の処方せんは必要ありません。
海外製品なので届くまでに1~2週間ほどかかりますが、クリニックと比べて格安でアフターピルを入手できます。

ノルレボの海外製ジェネリックである「アイピル」や、優れた避妊率と有効期限の長さを誇る「エラ」など、通販で人気の高いアフターピルを紹介。
アフターピルの市販化が難航したのはなぜ?

アフターピルの市販化には、産婦人科医からいくつかの懸念が上がっていました。
厚労省の検討会で議論された懸念事項は以下の通りです。
- 薬剤師の知識不足により十分な説明ができない
- 薬剤師が責任を負う体制ができていない
- コンドームを使わなくなり性感染症が増加
- 避妊に協力しない男性が増える
- 避妊に失敗した時に対応が遅れる
- 安易に乱用・悪用される
- SNSなどでの転売
アフターピルの使用には、専門医もしくは研修を受けた薬剤師による指導が重要とされています。
特に、避妊に成功した際の消退出血と、副作用としての不正出血の違いなど、きちんと説明を受ける必要があります。
混同してしまうと、万が一、避妊に失敗した際の対応に遅れるリスクがあるためです。
婦人科領域の知識が浅い薬剤師が対応した場合、こういった説明が不十分になるのではないか?といった危惧がされています。
従来行われていた薬剤師の研修は、医師の責任のもとで処方することを想定したものです。
市販化にあたっては薬剤師が責任を負うことになるため、研修の根本的な見直しが必須であるという意見が出ていました。
アフターピルが本格的に市販化されれば、乱用や悪用の増加も想定されます。
本来は緊急用として用いるべきアフターピルを、安易に常用することが危惧されているのです。
また性交渉の際にコンドームを使わなくなることによる性感染症の感染拡大も懸念されます。
その他にも、男性全体の避妊に対する意識が低下することや、性犯罪に悪用されるといったリスクもあります。
SNSやフリマなどを介してアフターピルが転売されるケースも考えられます。
2019年にオンライン診療が可決されましたが、転売防止対策として薬剤師の面前で薬を服用することが条件でした。
上記の反対意見からは、使用者のリテラシーも問われる厳しい状況がうかがえます。
海外では市販化が進んでいる

日本では購入のハードルが高いアフターピルですが、欧米では広く普及しています。
G7(フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の中で、アフターピルの市販化が進んでいないのは日本だけです。
主要国におけるアフターピルの入手方法および価格は以下の通りです。
- アメリカ
- 薬局:約4,200~5,300円
- 病院、学校、非営利団体:無料提供
- イギリス
- 薬局:約900円
- 病院、学校:無料提供
- フランス
- 薬局:約900円
- 病院、学校:無料提供
- ドイツ
- 薬局:約2,200円
- 病院:無料提供
- カナダ
- 薬局:約2,400~4,200円
- 病院:約1,400円~2,100円
- オーストラリア
- 薬局:約1,100~4,000円
世界90ヶ国以上でアフターピルの市販化・一般化が進んでおり、無料で入手できる国もあります。
アメリカやカナダの薬局では、年齢制限なくアフターピルを購入できます。アメリカの大学ではアフターピルの自動販売機が設置されています。
近年では、ロシアの侵攻によって強姦被害が相次いだウクライナでアフターピルが提供されました。
アフターピルが民間に浸透している欧米に比べ、日本は遅れを取っている状況です。
- 主要国での市販状況に関する参考サイト
- 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト.「資料1-2 緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けての要望」.
試験販売以外のアフターピル購入方法

従来の方法でアフターピルを購入する場合、以下の3つがあります。
すぐにでも入手したい場合にはお近くの産婦人科を受診するのが確実です。オンライン診療でも数時間で届くサービスを行っている医療機関があります。
通販(個人輸入)のメリットは、もっとも安く購入できる点です。ただし、海外からの発送になるので届くまでに1~2週間かかるため、いざという時のための常備薬として購入する場合に適しています。
産婦人科を受診

産婦人科でアフターピルを処方してもらう場合は、性行為から72時間以内に受診してください。
アフターピルは保険が適用されない自由診療なので、保険証は要りません。
産婦人科では問診を行い、最後に生理が来た日にちや、性行為を行った日にちなどを確認します。
薬の使用が適切であると判断されれば、処方せんが出ます。処方せんをお近くの薬局へ持参し、薬を購入してください。
院内処方を行っている病院であれば、受付で薬が渡されて会計をします。
アフターピルを購入できるのは、使用者の女性本人のみです。男性が購入することはできません。
購入者のパートナーとして同伴することは可能ですが、代理として男性のみで受診することはできません。
厚労省では、対面診療でアフターピルを処方している医療機関の一覧リストを公開しています。
- アフターピルを処方している医療機関の参考サイト
- 厚生労働省.「緊急避妊に係る取組について」.(参照 2023-03-01)
オンライン診療

オンライン診療は、主にスマートフォンやPCを使って診察を受ける方法です。自宅で受診できるため、コロナ禍では需要が高まっています。
受診の方法は医療機関によって異なりますが、専用アプリが必要な所もあります。アプリストアから無料の専用アプリを取得してインストールします。
アプリ不要で、インターネットブラウザから行える医療機関もあります。
基本的な流れとして、まずブラウザやアプリで問診票を記入します。問診票に記載した内容にそって、医師の診察が行われます。
診察方法はテキストチャットやビデオチャット、LINE、ビデオ電話、電話などがあります。問診によって薬の使用が適切であると判断されれば、処方および会計へと進みます。
オンライン診療では、薬をご自宅まで郵送・配送するパターンが主流です。
中にはバイク便による当日到着のサービスを行っているクリニックもありますが、最短でも翌日到着になる所が多いです。
アフターピルの服用はスピードが大事です。すぐに必要な場合には、ご自宅までのお届けにかかる時間をよく確認しましょう。
通販(個人輸入)

最も安価にアフターピルを購入できる手段が、通販による個人輸入です。クリニックと比べて、1/9ほどの費用でアフターピルを入手できます。
個人輸入は市販薬・処方薬を問わず厚生労働省によって認められています。処方薬の購入にあたって処方せんは必要ありません。
個人輸入代行サービスでは、海外製品を購入するまでの面倒な手続きをユーザーが行う必要がありません。購入の手順は楽天やAmazonといった通常の通販サイトと同じです。
決済が完了すれば、あとはご自宅まで配送されるのを待つだけです。入金が確認されてから7~14日ほどで商品が届きます。
- 通販で買えるおすすめのアフターピル
- アイピル
通販人気No.1のアフターピル。「ノルレボ錠」の海外製ジェネリックであり、有効成分としてレボノルゲストレルを配合。 - エラ
セックスから120時間後まで有効な最新のアフターピル。「エラワン」と同じウリプリスタル酢酸エステルを有効成分として配合。
薬局での購入はハードルが高いアフターピル

避妊に失敗した後で緊急手段として使えるアフターピルは、試験販売という形で市販化されました。
今回の市販化はあくまで研究の一環であり、ごく一部の店舗で制約つきの販売となります。
不適切な使用に対する懸念などがあり、まだまだ本格的な市販化という訳にはいかない状況です。
試験販売以外の購入手段は病院、オンライン診療、通販(個人輸入)です。
すでに妊娠の可能性がある場合には迅速な服用が必要ですので、病院もしくはオンライン診療を受診しましょう。
当サイトでは、普段から飲み続けることで妊娠を防ぐ「低用量ピル」も購入できます。
低用量ピルを使った避妊は、アフターピルよりも精度が高く、体への負担も少ないです。生理周期が整えられる利点もあります。
アフターピルを頻繁に使っている方には、低用量ピルへの切り替えをおすすめします。

低用量ピルやモーニングアフターピルなど、普段使いや常備に適した商品を紹介。「病院に行きたくない」「安く買いたい」といった方におすすめ。