結合型エストロゲンが配合されている通販商品
結合型エストロゲンの禁忌事項
下記に該当する方は結合型エストロゲンを使用しないでください。
- エストロゲン依存性腫瘍またはその疑いがある
- 乳がんの病歴がある
- 血栓性静脈炎や肺塞栓症またはその既往歴がある
- 動脈性の血栓塞栓疾患
- 結合型エストロゲンに対して過敏症をおこしたことがある
- 妊婦または妊娠の可能性がある
- 重篤な肺障害がある
- 診断の確定していない性器からの異常な出血がある
- 治療を行っていない子宮内膜増殖症がある
以前に結合型エストロゲンを服用した際に、発疹やじんま疹などの過敏症が出たことのある方は使用できません。妊婦に対して結合型エストロゲンを使った際の安全性は確立されていません。妊娠の可能性がある方も同様です。
乳がんや子宮内膜がんなどのエストロゲン依存性腫瘍の患者またはその疑いがある方は、結合型エストロゲンを使用できません。結合型エストロゲンのような卵胞ホルモン剤が、乳がんや子宮内膜がんなどのリスクを上昇させるとの報告があります。同様の理由から、過去に乳がんの病歴のある女性でも結合型エストロゲンの使用が禁じられています。乳がんを発症したことのある女性では、病歴の無い女性に比べて乳がんの発症リスクが高いことが報告されています。
血栓性静脈炎や肺塞栓症は、血栓が血管を塞ぐことで発症します。エストロゲンは、血液を凝固させる働きを活性化させます。これにより、血栓の形成を促してしまいます。上記疾患の患者や病歴がある方は、結合型エストロゲンを服用できません。
脳卒中や冠動脈性心疾患などの動脈性の血栓塞栓疾患がある方は、結合型エストロゲンを服用できません。結合型エストロゲンと黄体ホルモン剤の併用により、脳卒中や冠動脈性心疾患の発症リスクが上昇したとの報告があります。
重篤な肺障害があって肝機能が著しく低下している方は結合型エストロゲンを使用できません。結合型エストロゲンは肝臓に負担をかけます。胆汁うっ滞に伴う黄疸が発現するおそれもあります。胆汁うっ滞は、肝臓での胆汁(消化液)分泌に障害が起こり、胆汁の流れが滞った状態です。
性器からの異常な出血は子宮内膜がんである可能性があります。治療を行っていない子宮内膜増殖症は子宮体がんである可能性があります。それぞれ医師に適切な診断を受ける必要があり、使用可否は医師が決めます。
結合型エストロゲンの働きと効果
- 効能・効果
- 更年期障害、卵巣欠落症状、卵巣機能不全(不妊症)、老人性膣炎(萎縮性膣炎)、機能性子宮出血
- (1) 卵胞ホルモンの減少による自律神経や体の異常を改善します。
一般名:結合型エストロゲン
更年期障害の治療に使われる卵胞ホルモン剤です。
更年期障害を和らげるHRT(ホルモン補充療法)に用いられています。閉経に伴う卵巣機能の低下は、身体にさまざまな異変を及ぼします。十分な量の卵胞ホルモンが分泌されなくなり、健康的な体を維持することが困難になります。結合型エストロゲンで欠乏したエストロゲンを補うことができます。多汗やほてり、イライラ、動悸、不眠症などの更年期障害の諸症状が抑えられます。
結合型エストロゲンは、更年期前後の時期に出てくる症状を緩和します。加えてホルモンバランスの乱れに伴う様々な不調の改善に役立ちます。高齢の女性が悩まされる萎縮性外陰炎・萎縮性膣炎、不妊の原因となる卵巣機能不全などの改善に結合型エストロゲンが効果的です。その他にも、卵巣の摘出に伴う卵巣欠落症状や機能性子宮出血などにも結合型エストロゲンが用いられます。
適応はありませんが、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療で結合型エストロゲンが使われることもあります。エストロゲンは、骨からカルシウムが溶けだすのを抑える働きがあります。骨粗鬆症は、閉経に伴うエストロゲンの低下を原因として発症します。結合型エストロゲンを服用することで、骨密度が増加して骨折が予防されます。
結合型エストロゲンには3種類の天然エストロゲン(エストロン、エクイリン、ジヒドロエクイリン)が含まれています。急激な効果をもたらすわけではなく、子宮・卵巣・膣に穏やかに働きかけるのが特徴です。無理のない形で女性特有の悩みを和らげていきます。
結合型エストロゲンが受容体と結合してシグナルを活性化させます。
結合型エストロゲンが、標的細胞内のエストロゲン受容体(ER)と結合して作用します。ERは、卵巣や前立腺、乳腺など身体中の臓器に幅広く存在しています。エストロゲンと結合したERは、細胞機能に関する様々なシグナルを活性化させます。MPKやPI3Kなどのシグナルによって、細胞の代謝や増殖、分裂などが促されます。エストロゲンの欠乏によって乱れた細胞機能が調整されます。
臨床成績では更年期や老人性膣炎などの症状に優れた有効率が示されました。
更年期障害や卵巣摘除術に伴う卵巣欠落症状に対する結合型エストロゲンの効果は、705例の患者を対象とした臨床試験*で実証されています。臨床試験の結果、結合型エストロゲンで治療を行った被験者のうち55.7%(393/705例)で有効な治療効果が確認されました。中でも潮紅感やのぼせ、不眠、めまい、発汗などの症状に高い改善率が示されました。
機能性子宮出血や老人性腟炎(萎縮性膣炎)、卵巣機能不全症においても臨床試験が行われています。
疾患名 | 有効率 | 症例数 |
---|---|---|
機能性子宮出血 | 88.3% | 302/342 |
老人性腟炎 | 81.8% | 99/121 |
卵巣機能不全症 | 34.1% | 57/167 |
卵巣機能不全症に対しては、結合型エストロゲンの治療による排卵率が示されています。対象となったのは、第1度無月経、第2度無月経、無排卵周期症などの不妊症患者です。
※出典:リンク先、販売名:プレマリン錠0.625mgのインタビューフォームを参照
結合型エストロゲンは、プレマリンを先発薬としたホルモン剤の有効成分として配合されています。
結合型エストロゲンの副作用
副作用
むくみ、体重増加、帯下増加、不正出血、経血量の変化、乳房痛、乳房緊満感、過敏症(発疹、じんま疹)、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、色素沈着、脱毛、頭痛、めまいなどが生じることがあります。
閉経以降の女性が長期間(約1年以上)服用した場合、子宮内膜がんのリスク要因となります。
重大な副作用
血栓症。
以下はプレマリンのインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
乳房疼痛・緊張例 | 210例 | 3.26% |
女性化乳房 | 180例 | 2.80% |
性欲減退 | 162例 | 2.52% |
消退出血 | 137例 | 2.13% |
性器出血 | 55例 | 0.86% |
乳房過敏 | 45例 | 0.70% |
乳房大のう腫 | 41例 | 0.64% |
頭痛 | 36例 | 0.56% |
性欲亢進 | 22例 | 0.34% |
初めて結合型エストロゲンを服用する場合、副作用が起こりやすくなります。これはホルモンバランスの変化に身体が慣れていないためです。多く見られる副作用としては乳房の張りや痛み、不正出血、吐き気、むくみなどが挙げられます。通常は3ヶ月ほどで、結合型エストロゲンに身体が慣れて副作用は消退していきますので、過度に心配する必要はありません。
その他にも、食欲不振や性欲に関する副作用など身体に様々な変化が起こる可能性があります。男性が結合型エストロゲンを服用した際には、女性化乳房が比較的高い頻度で報告されています。これは乳腺組織が肥大して胸が女性のように膨らむ症状です。
結合型エストロゲンで最も注意すべき重大な副作用は血栓症です。血栓症の初期症状としては、脚部の痛みやむくみ、突然の呼吸困難、息切れ、胸の痛み、めまい、意識障害、手足の麻痺、急性視力障害などが挙げられます。これらの症状が見られた場合には、結合型エストロゲンの服用を中止してただちに医師に相談する必要があります。
- 使用上の注意
- 長期的に結合型エストロゲンを服用し続けた場合、乳がんの発症リスクが高くなる可能性があります。
卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用した長期間のHRTでは、実際に乳がんの危険性が高くなったとの報告もあります。投与期間の長さに伴って乳がんのリスクも上昇します。結合型エストロゲンの使用は必要最低限に留めることが大切です。
- 使用に注意が必要な人
- <肝障害がある>
結合型エストロゲンが肝臓への負担を増加させます。肝障害が悪化するおそれがあります。 - <子宮内膜症がある>
エストロゲンが子宮内膜組織を増殖させ、症状の増悪に働くおそれがあります。 - <子宮筋腫がある>
エストロゲンが子宮筋腫の核を大きくし、子宮筋腫の発育を促進する可能性があります。 - <心疾患・腎疾患がある>
エストロゲンを過量投与した場合、体液貯留を来して心疾患・腎疾患を悪化させることがあります。 - <てんかんの患者>
エストロゲンが精神を興奮させ、てんかん発作の誘因となる可能性があります。 - <糖尿病患者>
上記疾患に該当する場合、医師の管理のもと投与量を調整する必要があります。エストロゲンが体内の糖分を処理する能力を低下させるおそれがあります。 - <手術前4週以内または寝たきり状態の患者>
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用します。エストロゲンには、血液を固まりやすくする作用があります。結合型エストロゲンの投与で血管系の副作用の危険性が増します。 - <思春期前の少女>
結合型エストロゲンの使用により、通常よりも早く骨端が閉鎖するおそれがあります。骨端の閉鎖がおきると身長の伸びが止まります。 - <家族に乳がん患者がいる、乳房にしこりがある、乳腺症の患者、乳房レントゲン像に異常がみられた患者>
結合型エストロゲンを長期間に渡って投与した場合、乳がんのリスクが上昇します。乳がん発症の素因がある方には、慎重に結合型エストロゲンを投与しなくてはなりません。 - <全身性エリテマトーデスの患者>
上記の疾患を悪化させる危険があります。全身性エリテマトーデスの発症にエストロゲンが関与していることが示唆される報告があります。 - <片頭痛がある>
エストロゲンの影響で片頭痛の症状が悪化する可能性があります。前兆を伴う片頭痛である場合には、虚血性脳卒中である場合があります。脳卒中のある方は結合型エストロゲンの使用が禁忌とされています。
- 併用注意薬
- <イプリフラボン>
骨粗鬆症の治療に使われます。結合型エストロゲンの作用が過度に増強されて、おりものや不正出血、経血量の変化など副作用の発現リスクが高くなります。 - <血糖降下剤>
グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミドなど。
糖尿病の治療に使われます。血糖降下剤の作用が減弱するおそれがあります。エストロゲンは体内の糖分を処理する能力を低下させます。これにより、血糖値を上昇させる作用が認められています。 - <副腎皮質ホルモン>
プレドニゾロンなど。
白血病やがんなどの治療に使われるステロイド剤です。副腎皮質ホルモン剤の作用が過度に増強するおそれがあります。結合型エストロゲンが副腎皮質ホルモン剤の代謝を抑制すると考えられています。
- 結合型エストロゲンと関連する成分
- エチニルエストラジオール
避妊や月経困難症の治療に用いられます。低用量ピルに配合されることが多く、妊娠に備えた体づくりをストップさせます。妊娠に重要な役割を果たすホルモンの分泌が止まります。 - エストラジオール
ホルモン補充療法に用いられます。卵胞ホルモンの欠乏によって生じる体の変調を和らげます。更年期に伴う腟萎縮症状や、不眠、イライラ、不安感などの諸症状に有効です。 - シプロテロン
男性ホルモンの活性化を抑える人口の黄体ホルモンです。皮脂の過剰分泌を防ぎます。避妊効果もある低用量ピルに配合されておりますが、同成分を配合したピルはニキビ治療に用いられています。 - ドロスピレノン
人工黄体ホルモンの中でも天然の黄体ホルモンに近い薬理学的特徴を持っています。低用量ピルの有効成分として用いられることが多く、月経困難症の治療などに使われます。 - レボノルゲストレル
黄体ホルモンと同様の作用を持っている人工ホルモンです。女性ホルモンの分泌をストップさせます。妊娠を阻止する働きがあり、緊急避妊薬に用いられています。 - デソゲストレル
低用量ピルなどに配合される黄体ホルモン剤です。避妊を目的として第3世代のピルに使われています。精子の侵入を阻み、排卵を抑制し、着床を阻害する3つの働きで妊娠を防ぎます。 - ノルゲストレル
ホルモン補充療法に使われる黄体ホルモン剤(プロゲスチン)です。更年期障害などのエストロゲン欠乏症を緩和します。通常、卵胞ホルモン剤であるエストラジオールと併せて用いられます。 - アリルエストレノール
男性ホルモンの働きを妨げる抗アンドロゲン作用があります。前立腺肥大症の治療に用いられ、排尿障害などの症状を改善します。