フルコナゾールが配合されている通販商品
フルコナゾールの禁忌事項
下記に該当する方はフルコナゾールを使用しないでください。
- フルコナゾールに対して過敏症をおこしたことがある
- 妊婦または妊娠している可能性がある
以前にフルコナゾールを服用した際に、発疹や発熱などの過敏症が出たことがある人は使用できません。再度フルコナゾールを使用した際にアレルギーやアナフィラキシー症状が出る可能性が高くなります。
妊娠中の方に対するフルコナゾールの使用は禁止されています。フルコナゾールは、お腹の胎児に催奇形性を及ぼす可能性があります。妊婦中、もしくは妊娠している可能性のある方や妊娠を希望している方は注意してください。成分が母乳中に移行することも確認されていますので、授乳中の方もフルコナゾールを使用できません。
フルコナゾールは下記の薬と併用できません。
- トリアゾラム
- エルゴタミン
- ジヒドロエルゴタミン
- キニジン
- ピモジド
- アスナプレビル
- ダクラタスビル、アスナプレビル、ベクラブビル配合錠
フルコナゾールは、肝臓で薬を代謝するCYP3A4という酵素を阻害します。主にCYP3A4によって代謝を受ける一部の薬では、フルコナゾールと併用することで血中濃度が上がりやすくなります。血中濃度が高くなり過ぎると副作用のリスクが高くなります。
中でも上記の薬は、重篤な副作用の発現が確認されていることからフルコナゾールとの併用が禁忌とされています。トリアゾラムは睡眠導入剤で、先発薬はハルシオンです。エルゴタミンとジヒドロエルゴタミンは片頭痛の薬です。キニジンは不整脈、ピモジドは統合失調症の薬です。アスナプレビル、ダクラタスビル、アスナプレビル、ベクラブビル配合錠はいずれもC型肝炎経口治療剤です。
フルコナゾールの働きと効果
- 効能・効果
- カンジダに起因する膣炎および外陰膣炎
- (1) 真菌の細胞膜の機能を低下させます。
一般名:フルコナゾール
フルコナゾールは膣カンジダの治療に使われる真菌症治療剤です。
真菌(カビ)を殺菌する作用があります。フルコナゾールは、膣カンジダの治療や、造血幹細胞移植患者の深在性真菌症予防に用いられます。フルコナゾールの特長として、病変組織や体液中に効率的に移行します。膣カンジダの治療においてはたった1回の服用で十分な治療効果が得られます。
カンジダ属の真菌は常在菌ですので、健康な人の皮膚や粘膜に存在しています。膣内の粘膜にいるカンジダが何らかの理由で異常増殖すると、膣カンジダを発症します。フルコナゾールは真菌の細胞膜の生成を阻害することで、静菌作用を発揮して真菌の増殖を抑えることができます。
トリアゾール系の抗真菌剤であるフルコナゾールは、真菌の中でもカンジダ属やクリトコッカス属に対して強い作用を示します。フルコナゾールは、カンジダ属もしくはクリトコッカス属を起因とする真菌血症や呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎に対する適応と優れた有効性が認められています。
フルコナゾールが真菌の細胞膜が合成される過程を阻害します。
フルコナゾールは、病原真菌の細胞膜を構成しているエルゴステロールの生成を邪魔します。エルゴステロールが生合成される過程には、エブリコールという化合物が脱メチル化という化学反応を起こす必要があります。フルコナゾールは、脱メチル化に関わっているチトクロームP450という酵素に結合します。エブリコールより先にチトクロームP450と結合することにより、脱メチル化およびエルゴテロールの合成が妨げられます。
エルゴステロールは菌類には存在する物質ですが、ヒトを含む動物には存在しません。フルコナゾールはヒトと真菌の細胞膜の違いを利用して、選択毒性を発揮しています。
フルコナゾールの臨床成績では81.6%に膣カンジダの治癒が確認されました。
膣カンジダに対するフルコナゾールの効果は、カンジダに起因する膣炎および外陰膣炎の患者98例を対象とした臨床試験*で実証されています。フルコナゾール150mgを単回投与した後、28日目に内診を行いました。その結果、全体の81.6%(80/98例)に症状の治癒が確認されました。
膣カンジダ患者を対象としたフルコナゾールの臨床試験では、カンジダが治癒していく過程が各症状別に観察されました。以下の表は、医師に「症状なし」と診断された割合を改善率として症状別に示しています。
症状 | 1日目 | 28日目 |
---|---|---|
陰部の痒み | 3.9% | 92.9% |
陰部の灼熱感 | 30.4% | 99.0% |
帯下感 | 8.8% | 91.9% |
外陰の擦りむき | 49.0% | 99.0% |
外陰浮腫 | 56.9% | 100% |
外陰発赤 | 11.8% | 93.9% |
膣発赤 | 22.5% | 99.0% |
膣分泌物の性状 | 1.0% | 91.9% |
フルコナゾールを投与してから28日目の時点では、全ての項目において9割以上の改善率が示されました。
治療開始初日には高い割合で多くの患者に現れていた症状も、1ヶ月経つ頃にはほとんど治まっていることがわかります。
陰部の痒みや「おりもの」の症状では完治に至っていない症例も若干みられます。これらの症例においても、ほとんどが「軽度」と診断される状態にまで改善しています。
真菌が身体の内側で繁殖して起きる深在性真菌症を対象とした臨床試験も行われています。合計38例の患者に対してフルコナゾールの投与を行った結果、優れた有効率が示されました。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
カンジダ血症 | 100% |
カンジダ肺・気管支炎 | 100% |
カンジダ尿症 | 100% |
カンジダ食道消化炎 | 100% |
その他カンジダ属疾患 | 100% |
クリプトコッカス髄膜炎 | 66.6% |
肺クリプトコッカス症 | 66.6% |
※出典:リンク先、販売名:ジフルカンカプセル50mg/ジフルカンカプセル100mgのインタビューフォームを参照
フルコナゾールは、ジフルカンを先発薬としたカンジダ治療薬の有効成分として配合されています。
フルコナゾールの副作用
副作用
吐き気、下痢、過敏症(発疹)、頭痛、むくみ、しゃっくり、食欲不振、腹部不快感、腹痛、手指のこわばり、発熱倦怠感などが生じることがあります。
重大な副作用
肝壊死、肝炎、肝機能障害、肝不全、急性腎不全、血小板減少症、再生不良性貧血、ショック、胆汁うっ滞、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群、無顆粒球症、アナフィラキシー様症状、高カリウム血症、心室頻伯、QT延長、不整脈、間質性肺炎、偽膜性大腸炎。
以下はフルコナゾールのインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
下痢 | 3例 | 1.9% |
悪心 | 3例 | 1.9% |
動悸 | 1例 | 0.6% |
腹部膨満 | 1例 | 0.6% |
発熱 | 1例 | 0.6% |
膀胱炎 | 1例 | 0.6% |
陰部ヘルペス | 1例 | 0.6% |
性器出血 | 1例 | 0.6% |
蕁麻疹 | 1例 | 0.6% |
肝酵素上昇 | 1例 | 0.6% |
フルコナゾールの主な副作用は、下痢や悪心など消化器系の副作用です。膣カンジダの患者を対象とした臨床試験では、対象の7.64%(12/157例)に副作用の発現が確認されています。
深在性真菌感染症は長期服用となる場合もありますので肝臓への負担にも注意が必要です。深在性真菌感染症の患者を対象とした臨床試験では、ALTやASTの上昇など肝機能検査値の異常などが1%以上の頻度で報告されています。
フルコナゾールは副作用が強い薬ではありませんが、頻度不明で過敏症が報告されています。発疹の症状がみられた場合は過敏症が疑われますので、投与を中止して医師に相談してください。
発症頻度は不明とされていますが、フルコナゾールの投与により重大な副作用がおきたとの報告もあります。血管や顔面のむくみが見られる場合にはアナフィラキシーショックの可能性があります。医療機関への受診、救急車を呼ぶなど適切な処置が必要です。
その他にも中毒性表皮壊死融解症、薬剤性過敏症症候群、血液障害、急性腎不全、肝障害、意識障害、痙攣といった症状が確認されています。
中毒性表皮壊死融解症は皮膚が真皮と分離してしまう重篤な皮膚障害です。
薬剤性過敏症症候群は38度以上の高熱など重篤な過敏症状が現れる薬疹です。
血液障害は白血球や血漿版が減少したり、貧血に陥る症状です。
- 使用に注意が必要な人
- <腎障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、フルコナゾールが排出されにくくなり、血中に長く留まります。用量を通常の半分程度にするといった調整が必要となります。 - <肝障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、フルコナゾールが肝障害の悪化を助長するおそれがあります。 - <心疾患又は電解質異常のある患者>
上記疾患に該当する場合、QT延長や心室細動、房室ブロック、徐脈などがあらわれることがあります。フルコナゾールを使用する場合には医師の観察のもと、定期的な心電図検査を行う必要があります。
- 併用注意薬
- <主にCYP2C9で代謝される薬>
ワルファリン、フェニトイン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、セレコキシブ、ロサルタン、フルバスタチンなど。
血栓症やてんかん、高血圧症の薬や鎮痛剤などが含まれます。フルコナゾールがCYP2C9を阻害することで、通常より血中濃度が高くなります。中でもワルファリンは血栓を溶かす作用があります。併用するとワルファリンの作用が強まり、鼻血や消化管出血などの出血傾向が確認されたとの報告があります。 - <主にCYP3A4で代謝される薬>
アトルバスタチン、シンバスタチン、リファブチン、カルバマゼピン 、ミダゾラム、エブレレノン、メサドン、リトナビル、カルシウム拮抗薬、ビンカアルカロイド系、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エリスロマイシン、タクロリムス水和物、シクルスポリン、サキナビル、オキシコドン、フェンタニル、リバーロキサバンなど。
抗ウイルス剤や抗生物質、抗がん剤、免疫抑制剤、高血圧の薬などが含まれます。フルコナゾールがCYP3A4を阻害することで、通常より血中濃度が高くなります。悪心や嘔吐、めまいなどの副作用の発現や急性腎障害の発症などの報告があります。 - <主にチトクロームP450で代謝される薬>
テオフィリン、経口避妊薬、スルホニル尿素系血糖降下薬、ナテグリニド、トレチノインなど。
糖尿病や乾癬・角化症の薬、ピルなどが含まれます。フルコナゾールがチトクロームP450を阻害することで、通常より血中濃度が高くなります。血糖値を抑えるスルホニル尿素系血糖降下薬との併用では作用の増強によって、血糖値が正常範囲以下にまで下がる低血糖の発現が報告されています。 - <主にCYP3A4及び2C19で代謝される薬>
ジアゼパム、トファシチニブなど。
抗不安・抗けいれん・催眠鎮静剤と関節リウマチの薬です。フルコナゾールがCYP3A4及び2C19を阻害することで、ジアゼパムとトファシチニブの血中濃度が通常より高くなります。ジアゼパムとの併用では血中濃度が半減するまでの時間を2.3倍延長したことが報告されており、作用の持続・増強のおそれが示唆されています。 - <シクロホスファミド>
抗がん剤です。フルコナゾールとの併用で血液中のクレアチンとビリルビンの値を上昇させたとの報告があります。クレアチンが高いと腎臓の働きの悪化が招かれ、ビリルビンが高いと黄疸の発症が招かれます。 - <アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ジドブジン>
抗うつ剤やHIV治療剤が含まれます。フルコナゾールはこれらの成分の代謝を阻害します。中でもジドブジンでは、血中濃度の最高値を84%上昇させて、濃度が半減するまでの時間を128%延長させたとの報告があります。 - <リファンピシン>
結核に使われる抗生物質です。フルコナゾールの血中濃度の低下と濃度が半減するまでの時間の短縮を招きます。フルコナゾールの効果が減弱するおそれがあります。 - <三酸化ヒ素>
急性前骨髄球性白血病に使われます。フルコナゾールと同様に、QT延長や心室頻拍などの心疾患を助長することのあります。相互作用による有害事象は報告されていませんが、フルコナゾールとの併用には注意が必要です。
- フルコナゾールと関連する成分
- クロトリマゾール
カンジダや水虫などの真菌が原因で起こる感染症の治療に効果的です。皮膚疾患にはクリーム薬、膣カンジダ症には直接患部に届く膣錠が有効です。 - テルビナフィン
白癬菌、カンジダ菌、癜風菌などに有効な真菌症治療剤です。足や股部の水虫・たむし、皮膚カンジダ症の治療に用いられます。 - イトラコナゾール
体内に留まりやすいタイプの真菌症治療剤です。主に水虫、皮膚カンジダ症、癜風の治療に使われます。外用薬ではなかなか治らない爪水虫などに有効です。 - ケトコナゾール
手足、爪、股、頭皮などの真菌感染症を改善する真菌症治療剤です。日本で処方される抗真菌薬の中では、脂漏性皮膚炎に適応がある唯一の薬です。 - ミコナゾール
白癬(水虫)、カンジダ、癜風など、真菌を原因とした感染症の治療薬です。一般的に使われる外用薬のほか、経口内服薬、注射剤の有効成分として配合されています。