トンカットアリとマカはどっちがいい?併用できる?効果と安全性で比較
- 公開日
- 2025年06月25日
- 更新日

トンカットアリとマカは、どちらも男性の精力や活力をサポートするサプリメントとして注目されています。しかし、その成分や効果には違いがあります。
例えば、トンカットアリは男性ホルモンの分泌を促すことで、性機能や筋力の向上にアプローチします。一方、マカはホルモンには直接作用せず、血流やエネルギー代謝をサポートすることで、性欲や持久力を自然に引き出す働きがあります。
このように、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、より効果的な健康サポートが期待できます。このページでは、トンカットアリとマカの違い、効果や安全性を加味した選び方、併用の可否などについてわかりやすく解説します。
トンカットアリとマカの違い

トンカットアリとマカは、どちらも男性の精力や活力をサポートする天然の強壮剤として知られています。しかし、それぞれ含まれている成分や働きには以下のような違いがあります。
項目 | トンカットアリ | マカ |
---|---|---|
生育地 | 東南アジア | 南アメリカ |
分類 | ニガキ科 | アブラナ科 |
主要な成分 | グリコサポニン、ユーリペプチド、ユーリコマノンなど | アルギニン、亜鉛、鉄、ビタミンB群など |
主な用途 | テストステロンの向上、性機能のサポート、筋力増強など | 滋養強壮、性機能のサポート、疲労回復など |
重大な副作用の報告 | ごくまれに肝障害が報告されている | 特になし |
男女の利用 | 主に男性向けとして販売されることが多い | 男女ともに利用されている |
まず、マカは南アメリカ原産の植物で、栄養価の高いスーパーフードとして知られています。アルギニンや亜鉛、鉄、ビタミンB群など、エネルギー代謝や血流、精子の生成に関わる栄養素を豊富に含んでいるのが特徴です。これらの働きにより、体の調子を整えながら性欲や活力を自然に引き出す効果が期待されています。
一方、トンカットアリは東南アジア原産の植物で、現地では古くから強壮作用のある民間薬として用いられてきました。注目されている成分は「ユーリコマノン」と呼ばれる物質で、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促す働きがあることが報告されています。そのため、加齢にともなう性欲の低下や勃起力の衰えなど、男性更年期にみられる不調の改善に役立つと考えられています。
どちらも精力を高める働きがありますが、マカは栄養補給を通じて体全体の調子を整える間接的なサポート、トンカットアリはホルモンに作用する直接的なアプローチという違いがあります。
また、妊活やホルモンバランスの安定を目的に女性向けサプリにも配合されることが多いマカに対して、トンカットアリは男性向けの精力剤がメインであるという違いもあります。
効果や目的で比べるならどっち?

トンカットアリとマカは、どちらも男性の精力を高めるために使用されますが、それぞれ得意とする効果は異なります。
ここからは、目的別にトンカットアリとマカの使い分け方を詳しく解説します。自分の目的に合うハーブを選ぶ際の参考にしてください。
目的 | どっちがおすすめ |
---|---|
中高年男性の更年期による不調改善 | トンカットアリ |
若年〜中年男性の性欲維持・向上 | マカ |
ED(勃起不全)の改善 | 重症度に応じて使い分け |
筋力トレーニングの効率化 | トンカットアリ |
運動中における持久力の向上 | マカ |
睡眠の質の向上 | トンカットアリ |
中高年男性の更年期による不調改善=トンカットアリがおすすめ
中高年男性で、疲れやすさや気力の低下、集中力の低下、性欲の減退など、心身の不調を感じている方には、トンカットアリがおすすめです。
こうした変化は、いわゆる「男性更年期」の代表的な症状で、加齢にともなって男性ホルモン(テストステロン)が減少していることが原因とされています。
トンカットアリには、このテストステロンの分泌を内側からサポートする働きがあり、心身の活力や性機能、気分の改善など幅広い効果が期待できます。
実際に、トンカットアリの研究では、加齢によってテストステロンが減少した男性がトンカットアリ抽出物を1ヶ月摂取したところ、血中テストステロン濃度の上昇とともに、疲労感・気力・性欲などを含む更年期症状(AMSスコア)の大幅な改善が確認されました(M I B M Tambi et al., 2012.[リンク])。
このように、男性更年期にともなうさまざまな不調に悩む中高年男性にとって、トンカットアリはホルモンバランスを内側から整えるための有力な選択肢といえるでしょう。

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若年〜中年男性の性欲維持・向上=マカがおすすめ
マカは、テストステロン値に異常がない健康な男性においても、性欲の維持や向上をサポートする働きがあることがわかっています。
実際に行われた臨床試験では、21歳から56歳までの健康な男性が1日あたり1500mgまたは3000mgのマカを12週間摂取したところ、8週目以降に性欲の明らかな改善が見られました(G. F. Gonzales et al., 2002.[リンク])。
この研究では、血中テストステロンの数値に変化は見られなかったことから、マカの性欲改善効果はホルモンの分泌に依存しない独立した作用であると考えられています。
そのため、加齢によるホルモン低下が見られない若年〜中年層の男性にとっても、マカは性欲維持のサポートとして有効な選択肢となり得ます。

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ED(勃起不全)の改善=重症度に応じて使い分け
トンカットアリとマカはどちらもED(勃起不全)を改善する効果が報告されていますが、その重症度に応じて使い分けるとよいでしょう。
たとえば、「最近なんとなく勃起力が弱くなってきた」「たまに中折れすることがある」といった軽度のEDにはマカが適しています。
一方で、「ほとんど勃起できない」「性行為が困難になってきた」といった重度のEDにはトンカットアリの方が効果的です。
軽度のEDに効果が見られたマカの研究
軽度EDの男性50人を対象に行われた研究では、マカエキス(1日2,400mg)を12週間摂取したグループで、勃起機能の指標(IIEF-5スコア)に改善が見られました(T Zenico et al., 2009.[リンク])。
この研究で対象となったのは、IIEF-5スコアが比較的高い(=軽度ED)男性です。重度EDに対するマカの効果を検証した研究は、現時点では確認されていません。
重度のEDに効果が見られたトンカットアリの研究
トンカットアリを用いた研究では、IIEF-5スコアが特に低い(=重度ED)男性に限定して改善が見られたことが報告されています。
この研究では、スコアが高めの軽度EDの患者には効果が確認されなかったことも報告されています(Surachai Kotirum et al., 2015.[リンク])。
以上のことから、トンカットアリはテストステロン低下が関与するような、より深刻なED症状に対して有効性があると考えられます。
筋力トレーニングの効率化=トンカットアリがおすすめ
トンカットアリには、筋力トレーニングの効果を高める可能性が示唆された研究が報告されています。
中年男性を対象にした研究では、サーキットトレーニングとあわせてトンカットアリ(400mg/日)を8週間摂取したグループで、トレーニング単独よりも筋力の向上幅が大きかったことが確認されました(Foong Kiew Ooi et al., 2015.[リンク])。
ただし、トレーニングを行わず、トンカットアリの摂取のみを行ったグループでは、筋力の増強は認められませんでした。あくまで、筋トレをより効率的に行うためのサポート役であることを念頭にトンカットアリを活用するようにしましょう。
運動中における持久力の向上=マカがおすすめ
マカは、マカミドという特有の代謝物を生成することが知られています。マカミドは高い抗酸化作用があり、疲労の回復や持久力の向上に効果を示します。
代表的なマカミドであるNBH(N-ベンジルヘキサデカンアミド)は、マウスを用いた実験で持久力を約2倍に向上させる効果が確認されています(Tao Liu et al., 2023.[リンク])。
NBHは肝グリコーゲンを増加させ、血中尿素窒素(BUN)や乳酸(BLA)、乳酸脱水素酵素(LDH)、アンモニア(BA)など、疲労に関連する指標を有意に低下させたことから、エネルギー代謝を高め疲労を軽減する作用があると考えられています。
マカの疲労回復効果は、このマカミドの働きによる可能性が高く、今後の研究が期待されます。
睡眠の質の向上=トンカットアリがおすすめ
トンカットアリは、近年の研究において、睡眠の質に影響を与える可能性があると報告されています。
2022年に発表された研究では、マウスにトンカットアリの抽出物を4週間投与した結果、ノンレム睡眠中のデルタ波(深い睡眠を示す指標)の増加が確認されました。また、体温の低下も観察され、リラックスした状態が促進されることが示されました(Koyomi Miyazaki et al., 2022.[リンク])。
この結果から、トンカットアリは体温の調整を通じて、自然な睡眠リズムをサポートする可能性があると考えられています。
安全性や副作用で比べるならどっち?

どちらも健康食品として一般的に安全とされていますが、安全性の裏付けという点ではマカの方がやや信頼性が高いと言えます。
マカはヒトを対象にした臨床試験で安全性が確認されているのに対し、トンカットアリは主に動物実験の結果に基づいており、ヒトへの影響はまだ不明な点があります。
さらに、トンカットアリではまれに肝障害の報告もあるため、体調や持病に注意が必要です。そのため、より安心して使えるのはマカと言えるでしょう。
ヒトを対象にした安全性試験があるのはマカだけ
マカの安全性は成人の被験者175名を対象とした研究結果によって示されています(Carla Gonzales-Arimborgo et al., 2016.[リンク])。この研究では、黒マカまたは赤マカの抽出物を12週間にわたって継続摂取した結果、重い副作用は一切報告されませんでした。
一方、トンカットアリに関しては、ヒトを対象とした安全性試験の報告はなく、現在得られているデータは動物実験によるものに限られます(Ching-Hao Li et al., 2013.[リンク])。この研究では、ラットに13週間継続して投与した結果、安全性が示唆されていますが、動物実験の結果をそのまま人に当てはめることはできません。
したがって、科学的な裏付けの強さという観点では、マカのほうが安心して使用できる成分と言えるでしょう。
トンカットアリではごくまれに肝障害のリスクがある
アメリカ国立衛生研究所(NIH)のデータベース「LiverTox」では、トンカットアリを摂取した後に肝障害を発症したとみられる症例が報告されています(NIH, Tongkat Ali - LiverTox - NCBI Bookshelf.[リンク])。たとえば、ある47歳の男性がトンカットアリを飲み始めて1週間後に、吐き気や嘔吐を起こし、肝機能の異常が確認されたケースがあります。
ただし、この事例では筋力増強剤などの併用も確認されており、トンカットアリが直接の原因とは断定されていません。それでも、NIHは「ごくまれに肝機能に影響を与える可能性がある」と評価しています。
一方、マカに関してはこれまでに肝障害の報告はなく、LiverToxでも「肝臓に明らかな悪影響を及ぼしたと考えられる根拠はない」と評価されています(NIH, Maca - LiverTox - NCBI Bookshelf.[リンク])。実際に行われた人を対象とした研究でも、肝機能への悪影響は確認されていません。
こうした評価からも、肝臓への安全性という点では、マカの方がより信頼できる成分だと考えられます。
トンカットアリとマカは併用できる?

健康な成人であれば、トンカットアリとマカの併用は可能です。トンカットアリとマカでは、含まれている主成分が異なっており、作用機序が重複する心配がありません。そのため、併用によって副作用が発現する可能性は低いと考えられます。
テストステロンの増加といった直接的な作用をもつトンカットアリと、栄養補給を通じた間接的なサポートが特徴のマカを併用することで、性機能の向上、筋力強化、疲労回復といった幅広い効果が期待できます。
ただし、過剰摂取や体質によっては副作用のリスクもあるため、併用を検討している場合は一度医師に相談すると安心です。
目的に応じて使い分けよう

トンカットアリとマカは、どちらも男性の精力や活力をサポートする天然成分ですが、それぞれ異なる成分や効果を持っており、目的に応じた使い分けが重要です。
トンカットアリはテストステロンの増加を通じて、性機能や筋力、運動パフォーマンス、さらには睡眠の質にも影響を与えます。一方、マカはホルモンに直接作用せず、血流や持久力、疲労回復などを幅広くサポートします。
具体的には、加齢にともなうホルモン分泌の低下(男性更年期)による不調にはトンカットアリが適しており、若いうちから性欲や活力を維持したい場合にはマカの利用が効果的と考えられます。
また、どちらか一方を選ぶのも良いですが、併用することでより総合的なサポートが期待できます。ただし、過剰摂取や体質による副作用には注意が必要なため、信頼できる製品を選び、適切な用量を守って摂取しましょう。
また、当サイトでは、トンカットアリやマカと同様に、男性の活力をサポートする精力サプリを多数ご紹介しています。勃起や性欲など、性機能に関する悩みのある方はぜひチェックしてみてください。