性病の種類を症状から探すガイド-通販で買える抗生物質なども紹介
- 公開日
- 2022年03月25日
- 更新日

性病(性感染症)とは、セックスなどの性行為によって細菌やウイルス、寄生虫などの病原体に感染することでおきる病気の総称です。現在、日本で蔓延している性病には様々な種類があり、それぞれ有効な治療薬が異なります。適切な薬を選んで治療を行うためにも、まずは自身の性病を正確に把握することが大切です。
このページでは、自覚症状の特徴から感染が疑われる性病を調べるガイドページです。あくまでも可能性を示すものであり、正確な診断を行うものではありません。疑わしい症状が見られた場合には、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
疑わしき症状から性病の種類に当たりをつける
以下は、性病への罹患によっておきる代表的な症状の一覧です。症状の詳しい状態から、疑われる性病をピックアップしています。
- 尿道から膿のような分泌物が排泄されている
- おりものや陰部の匂いに異常がある
- 陰部に痛みや痒みを感じる(男性)
- 陰部に痛みや痒みを感じる(女性)
- 陰部に発疹やイボなどのできものがある
- 喉や唇の症状
- 腹痛や下痢などお腹の症状
- 発熱や倦怠感、体の発疹など全身の症状
尿道から膿のような分泌物が排泄されている
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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膿の性状が水っぽくてサラサラしている、色は透明もしくは白く濁っている | 性器クラミジア、トリコモナス症 |
膿の性状が粘っこくてドロドロしている、色は乳白色〜黄緑色をしている | 淋病 |
おりものや陰部の匂いに異常がある
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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カッテージチーズやヨーグルトのような白色のおりもの、匂いは無い | 性器カンジダ |
泡の混じった乳白色~黄緑色のおりもの、魚が腐ったような匂いがする | トリコモナス症 |
灰色もしくは白く濁った水っぽいおりもの、魚が腐ったような匂いがする | 細菌性膣症 |
乳白色~黄色のおりもの、時に酸っぱい匂いを伴う、不正出血がある | 性器クラミジア、淋病 |
陰部に痛みや痒みを感じる(男性)
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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軽い排尿痛、尿道に違和感・痒みを感じる | 性器クラミジア、トリコモナス症 |
排尿が難しいくらいの強い痛みがある | 性器ヘルペス、淋病 |
陰部に痒みがある、亀頭や陰茎の周囲に白いカスが出る | 性器カンジダ |
陰部に痒みがある、小さい虫が見える、楕円形の卵の様なものがある | ケジラミ症 |
陰部に痛みや痒みを感じる(女性)
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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陰部に激しい痒み、ジンジンする痛みを感じる | 性器カンジダ、トリコモナス症 |
排尿が難しいくらいの強い痛みがある | 性器ヘルペス |
陰部に痒みがある、小さい虫が見える、楕円形の卵の様なものがある | ケジラミ症 |
陰部に発疹やイボなどのできものがある
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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先端の尖ったイボが複数ある、イボに痒みや痛みはない | 尖圭コンジローマ |
痒みを伴う複数の水疱がある、水疱が大きくなると潰れてただれる | 性器ヘルペス |
小豆〜小指大くらいの硬いしこりができている、しこりの中心部分がただれてくる | 梅毒 |
喉や唇の症状
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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喉に腫れや痛みを感じる、咳が出る | 性器クラミジア、淋病 |
唇に水疱がある、喉の強い痛みや扁桃に腫れがある | ヘルペス(口唇ヘルペス) |
口もしくは喉に硬いしこりできる | 梅毒 |
腹痛や下痢などお腹の症状
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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下腹部が痛む、続いて右上腹部が痛む | 性器クラミジア、淋病 |
イチゴゼリーのような粘血便が出る、下痢や腹痛がみられる | 赤痢アメーバ症 |
発熱や倦怠感、体の発疹など全身の症状
症状の特徴 | 疑われる性病 |
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うっすらとした赤い発疹が手足の裏から全身に広がっていく | 梅毒 |
発熱や喉の痛み、倦怠感などのインフルエンザのような症状が1ヶ月以上続く | エイズ |
倦怠感や疲労感、食欲不振などの不調がある、白目の部分が黄色くなっている、濃いウーロン茶のような色の尿が出る | B型肝炎 |
発熱や倦怠感、リンパの腫れに伴って、性器や口元を中心に水疱が多発する | 性器ヘルペス |
性器クラミジア感染症

病原体 | クラミジア・トラコマチス |
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潜伏期間 | 1~3週間 |
主な治療法 | 抗生物質の内服 |
性器クラミジアは、世界で最も感染者が多い性感染症です。性交の経験があれば誰でも感染する可能性があると言われるほど一般に蔓延しています。
主な症状として尿道、腟、喉に起きる痛みやかゆみ、不純物の混じった尿やおりものなどが挙げられます。無症状であることが多く、気づいたときには性器から腹部にまで感染が進行していることもあります。性器クラミジアの兆候を発見したら放置せず、早めに治療を始めましょう。
性器クラミジアと似た感染症として、淋菌感染症とトリコモナス症があります。いずれも尿道炎やおりものに症状が現れる点において共通しています。これらの疾患は、性器クラミジアとは治療薬が異なるため、病院の検査や専用の検査キットなどを利用して感染症を把握することで効率良く治療できます。
また、淋菌感染症は性器クラミジアと併発しやすい感染症としても知られています。患者の2~3割が性器クラミジアと淋菌感染症を併発している恐れがあるため、注意が必要です。潜伏期間に差がありますので、短期間で発症した場合は淋菌感染症との併発を疑いましょう。女性であれば血の混じったおりものや性器の悪臭からも淋菌感染症との併発を判断できます。
性器クラミジアに効く薬
- アジスロマイシン配合の抗生物質
- 先発薬:ジスロマック(ファイザー)
- 後発薬:アジー(シプラ)
- レボフロキサシン配合の抗生物質
- 先発薬:クラビット(テバ)
- 後発薬:レボクイン(シプラ)
- クラリスロマイシン配合の抗生物質
- 先発薬:クラリス(大正製薬)
- 後発薬:ゾクラー(シプラ)
性器クラミジアの治療では、マクロライド系やキノロン系と呼ばれる種類の抗生物質が使用されます。
中でも第一選択薬として使われているのがマクロライド系のジスロマックです。ジスロマックは、抗生物質のアジスロマイシンを有効成分とした治療薬です。強力な効き目と優れた持続性が特徴であり、1度の服用で性器クラミジアの治療を終えることができます。一般的な抗生物質は感染症の治療に使う場合、決められた日数まで服用を続ける必要があります。しかし、ジスロマックは1度の服用で抗生物質を数日飲み続けて得られる効果と同等の効き目を得られます。使い勝手の良さと有効性を兼ね備えた治療薬がジスロマックです。
特におすすめなのが、ジスロマックのジェネリック医薬品であるアジーです。ジスロマックと同じアジスロマイシンを有効成分として配合しています。優れたコストパフォーマンスが魅力であり、ジスロマックと同等の効果が安価で得られます。1錠の服用で性器クラミジアの完治が見込める1000mg錠の規格もあります。
性器ヘルペスウイルス感染症

病原体 | 単純ヘルペスウイルス |
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潜伏期間 | 2~10日 |
主な治療法 | 抗ウイルス薬の内服 |
性器ヘルペスの主な症状は、かゆみや違和感を伴う水疱(水ぶくれ)です。患部に1~2mmほどの水疱があらわれ、破れることで痛みを伴うただれとなります。1週間前後で症状が悪化し、その後はかさぶたとなって2週間ほどで改善します。性器以外にも、口元でおきる(いわゆる口唇ヘルペス)ことも多いです。
初めて感染した場合には重症化することが多く、発熱や倦怠感、リンパの腫れなどの全身症状を伴うこともあります。発疹の症状も激しく、女性では痛みによって排尿が困難になることもあります。
また一度感染すると、生涯に渡ってウイルスが体内に潜伏し続けるのも特徴であり、患者の6~7割が症状を再発します。再発時は多くの場合で発症時と同じ部分に水泡があらわれます。1週間前後で改善するので軽めの症状ではありますが、再発を繰り返すことで重症化していきます。
免疫力の低下が再発のきっかけになるため、疲労やストレスには注意が必要です。再発の際には、患部に違和感やかゆみなどの前駆症状が起きるので、治療薬の服用で早期の対処が可能です。
性器ヘルペスに効く薬
- バラシクロビル配合の抗ウイルス薬
- 先発薬:バルトレックス(グラクソスミスクライン)
- 後発薬:バルクロビル(ヒーリングファーマ)
- ファムシクロビル配合の抗ウイルス薬
- 先発薬:ファムビル錠(マルホ)
- 後発薬:ビロビル(エフディーシー)
- 後発薬:ファムシマック(マクレオーズ)
- アシクロビル配合の抗ウイルス薬
- 先発薬:ゾビラックス(グラクソスミスクライン)
性器ヘルペスの治療は、主に抗ウイルス薬が使われています。抗ウイルス薬は感染しているウイルスの増殖を阻害する治療薬です。抗ウイルス薬を飲むことでウイルスの活動を阻害し、治療期間を短縮します。バラシクロビル(バルトレックス)、アシクロビル(ゾビラックス)、ファムシクロビル(ビロビル)が性器ヘルペスに有効な抗ウイルスとして使われています。
特に頻繁に用いられているのがバルトレックスです。有効成分のバラシクロビルは持続性に優れており、他の抗ウイルス薬と比べて少ない服用回数で治療できます。使い勝手の良さと効き目の高さから、最も人気の高い抗ウイルス薬です。
バルトレックスは再発予防の使用においても適応を得ています。毎日1錠を飲み続けることで、性器ヘルペスの再発を抑え続けることができます。毎日の服用には、ジェネリックであるバルクロビルを選ぶことで、治療費の負担を抑えることができます。
性器カンジダ症

病原体 | カンジダ・アルビカンス |
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潜伏期間 | 特になし |
主な治療法 | 抗真菌薬の外用 |
性器カンジダの特徴的な症状は、陰部のかゆみやヨーグルト状のおりものです。主に女性に多い疾患であり、5人に1人が膣カンジダを経験していると言われています。
男性にも感染しますが、女性に比べると発症率が低いです。男性の主な症状は亀頭炎で、痒みや違和感が起き、白いカスのようなものが付着します。
性器カンジダは常在菌の1種であるカンジダ菌が原因で発症します。常在菌が原因であるため、特定の潜伏期間がありません。性交の経験が無くとも、体調不良や抗生物質の服用などをきっかけに発症します。よって厳密には性病とはいえません。
性器カンジダに効く薬
- クロトリマゾール配合の抗真菌薬
- 先発薬:カーネステン膣錠(バイエル)
- 先発薬:カーネステンクリーム(バイエル)
- フルコナゾール配合の抗真菌薬
- 先発薬:ジフルカン(ファイザー)
- 後発薬:フォルカン(シプラ)
- 後発薬:ゾコン(エフディシー)
性器カンジダの治療には、主に抗真菌薬が使われます。抗真菌薬は感染した真菌(カビ)の増殖を阻害する治療薬です。抗真菌薬を患部に使うことでカンジダ菌の増殖を阻害し、症状の解消を促します。性器カンジダでは膣錠やクリームなどの外用薬もしくは内服薬が用いられます。
外用薬としてよく用いられるのは、クロトリマゾールという成分です。カーネステン膣錠やカーネステンクリームという名称で販売されており、臨床試験で86.6%という有効性が示されています。日本ではエンぺシドの名称で利用されています。カーネステンクリームは女性にも男性にも使えるカンジダ治療薬です。
内服薬として用いられるのがフルコナゾールという成分です。フルコナゾールを使った治療では、たった1回の服用でカンジダを完治させることができます。外用薬に比べると、治療にかかる手間が大幅に軽減されています。フルコナゾールを配合したフォルカンなどの内服薬は、女性専用のカンジダ治療薬です。
尖圭コンジローマ

病原体 | ヒトパピローマウイルス(HPV) |
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潜伏期間 | 3週間~8ヶ月 |
主な治療法 | 抗ウイルス効果のある塗り薬の外用 外科手術によるイボの切除 |
尖圭コンジローマの症状は、性器周辺に発生するイボです。イボは複数発生して、並びが不規則であったり、表面がザラザラしているのが特徴です。
イボの大きさは初めは1~3mmほどですが、時間の経過と共に肥大化していきます。男性であれば亀頭や冠状溝、女性であれば大小陰唇や膣内、肛門周辺にも発生します。イボに痛みや痒みは伴わないため、女性の場合、膣内に発生すると発見が遅れやすいです。
尖圭コンジローマは肥大化が進むと、ニワトリのトサカやカリフラワーのような大きな病変になります。大きくなると薬だけでは除去が難しくなるため、外科手術が必須になる場合もあります。尖圭コンジローマの可能性が疑われるときは素早く治療を開始しましょう。
尖圭コンジローマに効く薬
尖圭コンジローマの治療には、イミキモドという成分を配合した塗り薬(べセルナクリーム)が用いられます。イミキモドには塗布した部分の免疫機能を強化する作用があり、ウイルスに感染した細胞を除去する効果があります。週3回の塗布で尖圭コンジローマを完治させることが可能です。
イミキモドを使った治療では、跡を残さずに尖圭コンジローマを完治させることができます。凍結療法やレーザー治療といった従来の方法では、物理的にイボを取り除くことになるため、手術後に傷跡や痛みが残る心配がありました。イミキモドではイボを直接傷つけることなく除去できることから、患部にダメージを残すことはありません。
イミキモドを使った治療では、一定期間の塗布が必要になるため、安価なジェネリックがおすすめです。イミキアドクリームはべセルナクリームと同じ用量のイミキモドを配合したジェネリックです。安価ながらも、先発薬と同等の効果が期待できます。
トリコモナス症

病原体 | トリコモナス原虫 |
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潜伏期間 | 10日前後 |
主な治療法 | 抗原虫薬の内服 |
トリコモナス症は主に女性に多い性感染症です。女性でも感染者の半数は無症状であるとされており、軽度な症状に留まることも少なくありません。
男性ではほとんど症状が現れないことが多いです。時として、尿道の痛みや痒み、微量な分泌物といった尿道炎の症状を呈することがあります。
女性に見られる主な症状は、陰部のかゆみや痛み、おりものの増加です。「熱い」と感じるほどの強いかゆみや、魚の腐敗臭に似た強烈な匂いを伴うおりものが特徴的です。おりものは乳白色〜黄緑色をしており、泡が混ざっていることもあります。
トリコモナス症に効く薬
トリコモナス症の治療に使われるのは、抗原虫薬と呼ばれる薬です。病原体であるトリコモナス原虫の生命活動を阻害する効果があります。メトロニダゾール(フラジール)、チニダゾール(ファシジン)が、トリコモナス症に有効な抗原虫薬として使われています。
特によく用いられているのがフラジールです。有効成分のメトロニダゾールは、トリコモナス原虫に対する96.4%という高い有効率が認められており、50年以上も第一選択薬として活躍しています。フラジールには膣内に直接投与する膣錠もありますが、確実に体内の原虫まで成分を届けられる内服薬による治療が最も適しています。
細菌性膣症

病原体 | 好気性菌・嫌気性菌などの雑菌 |
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潜伏期間 | 特になし |
主な治療法 | 抗原中薬の局所投与もしくは内服 |
細菌性膣症は、おりものに異常が起きる疾患です。おりものが白や灰色に変色したり、強烈な生臭い悪臭を放つようになります。特定の病原体に感染して発症するわけではないため、厳密には性病ではありません。とはいえ、性交をきっかけに発症することも多いことから、性感染症関連疾患とも呼ばれます。
細菌性膣症を発症しても、無症状である場合も多いです。しかし、放置してしまうと子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などの別の疾患に発展する恐れがあります。また、妊婦が細菌性膣症を発症すると流産や早産のリスクが高まるので、疑いがある場合はすぐに治療を開始しましょう。
細菌性膣症に効く薬
- メトロニダゾール配合の抗原虫薬
- 先発薬:フラジール(アボットラボラトリーズ)
細菌性膣症の治療には、抗原虫薬のフラジールが使われます。フラジールは幅広い効果を持っており、トリコモナス原虫だけでなく、さまざまな細菌にも効果を発揮します。おりものの異常は、膣内の細菌が増殖することで起きるため、フラジールが数を減らすことでおりものの状態を正常化させます。抗原虫薬として50年以上使われているフラジールは、細菌性膣症にも有効な優れた抗原虫薬です。
梅毒

病原体 | 梅毒トレポネーマ |
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潜伏期間 | 3週間 |
主な治療法 | 抗生物質の内服 |
梅毒は、さまざまな症状を引き起こす全身性の感染症です。4段階に分かれて症状が発現し、発症と鎮静化を繰り返しながら慢性的に進行します。重症化すると命の危機にも関わる感染症ではありますが、現代では重症に至る例は減っています。反面、梅毒患者は年々増えており、厳重な注意が要る感染症であることには変わりありません。
梅毒の初期症状は、硬いしこりや足の付け根の腫れです。男性は亀頭や包皮、亀頭溝(カリ首)などに、女性は大陰唇や小陰唇、子宮膣部などに硬いしこりがあらわれ、その後に足の付け根のリンパ節が腫れだします。しこりや腫れは第1期の症状であり、2~3週ほどの経過で1度消えます。これは自然治癒したわけではなく、第2期に移行している状態です。全身に発疹や倦怠感、発熱などの症状があらわれたら第2期が始まっておりますので、重症化する前に治療を開始しましょう。
梅毒に効く薬
- アモキシシリン配合の抗生物質
- 先発薬:サワシリン(アステラス製薬)
- 後発薬:ノバモックス(シプラ)
梅毒の治療には、ペニシリン系と呼ばれる種類の抗生物質が使われます。抗生物質には、感染している細菌の生命活動を阻害して除去する効果があります。抗生物質を使うことで、ほぼ確実に梅毒を治すことができます。ペニシリン系の代表的な薬としては、アモキシシリン(サワシリン)が挙げられます。
アモキシシリンは、サワシリンの名称で販売されている内服型の抗生物質です。梅毒はアモキシシリンに耐性がないため、優れた効き目を発揮します。服用後数時間で効き目があり、細菌の除去が始まります。細菌の除去に伴い、発熱や倦怠感などの現象が起きますが、24時間以内に自然と解消されます。通販では安価なジェネリックであるノバモックスが人気です。
淋菌感染症(淋病)

病原体 | 淋菌 |
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潜伏期間 | 2~7日 |
主な治療法 | 抗生物質の静脈または筋肉注射 |
淋菌感染症は、感染した部位の炎症が主な症状の性感染症です。代表的な性感染症のひとつであり、尿道や膣内に感染すると、排尿痛やおりものの異常といった症状が起こります。咽頭や直腸などにも感染し、炎症が起きることもわかっています。
男性では強い排尿痛や尿道からドロドロした膿が分泌されるといった激しい症状が見られる一方で、女性では感染者の約半数が無症状になるといわれています。女性では軽微な症状に留まることも多く、発見が遅れる場合もあります。淋菌感染症が進行すると不妊の原因となることもあるため、早期の発見と治療が重要です。
淋菌感染症と似た感染症として性器クラミジアがあげられます。性器クラミジアは淋菌感染症と同じく代表的な性感染症であり、淋菌感染症と似た炎症が尿道や膣内などに発生します。併発のリスクも高く、患者の2~3割が淋菌感染症と性器クラミジアを併発している恐れがあります。淋菌感染症と性器クラミジアでは使用する治療薬が異なるため、必ず検査をしたうえで治療を始める必要があります。
淋菌感染症の治療に使われる薬
- セフトリアキソン配合の抗生物質
- 先発薬:ロセフィン(太陽ファルマ)
- スペクチノマイシン配合の抗生物質
- 先発薬:トロビシン(ファイザー)
- セフィキシム配合の抗生物質
- 先発薬:セフスパン(長生堂製薬)
- 後発薬:ジプラックス(シプラ)
- ノルフロキサシン配合の抗生物質
- 先発薬:バクシダール(陽進堂)
- 後発薬:ノルフロックス(シプラ)
淋菌感染症の第一選択薬は、注射剤であるセフトリアキソンもしくはスペクチノマイシンです。淋菌感染症は抗生物質の耐性化が進んでおり、内服タイプの抗生物質による治療は推奨されておりません。その為、注射から投与するセフトリアキソンもしくはスペクチノマイシンが必要であり、医療機関の受診が必須です。
アレルギーなどの問題から、セフトリアキソンやスペクチノマイシンが使用できない場合に限り、細菌の耐性化がまだ少ないセフィキシムが使われることもあります。セフィキシムを配合している薬として、セフスパンのジェネリックであるジプラックスが挙げられます。
エイズ(HIV感染症)

病原体 | HIV(ヒト免疫不全ウイルス) |
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潜伏期間 | 2~6週間 |
主な治療法 | 抗HIV薬の内服 |
エイズ(HIV感染症)は、HIV感染による免疫機能障害により、さまざまな感染症や疾患が合併症を起こしている状態です。HIVは1度感染すると完全に除去することができません。これまでは致命的な感染症でしたが、現在では早期に治療を開始できれば病状の進行を食い止め、一般人とほとんど変わらない生活を送れる感染症となりました。HIV感染症は、早期に発見してすぐに治療を始めることが大切です。
HIV感染症は、初感染期、無症候期、エイズ期の3段階にわかれて進行します。初感染期には発熱や腫れ、咽頭痛、かゆみ、発疹、息切れ、倦怠感、筋肉痛などさまざまな症状が発症します。2~6週が経過すると自然に症状が治まり、無症候期と移行します。
無症候期には特に目立った症状がありません。この間にHIV感染症は進行し、約5~10年の経過で最終段階であるエイズ期へと至ります。そのため、HIV感染症の重症化を防ぐには、初感染期か無症候期のあいだに治療を開始する必要があります。
無症候期になると非常に発見が難しくなるため、初感染期に起きるさまざまな症状がHIV感染症を発見するきっかけとなります。原因不明の発熱や腫れなどの症状が1ヶ月程度続いている場合、HIV感染症の可能性があります。すぐに病院の検査を受けましょう。
エイズの治療に使われる薬
エイズ(HIV感染症)の治療は、主に抗HIV薬が使われます。ウイルスの増殖を抑えることでHIV感染症の悪化を防ぎ、エイズへの進行を食い止める治療薬です。強力な抗HIV薬を病状に合わせて複数併用することで高い確率でウイルスの増殖を防ぎます。
抗HIV薬は、逆転写酵素阻害剤(ツルバダ、エムトリバ、ビリアードなど)、逆転写酵素阻害剤(ストックリンなど)、プロテアーゼ阻害剤(レイアタッツ、プリジスタなど)、インテグラーゼ阻害剤(スタリビルド、トリーメクなど)、CCR5阻害剤(シーエルセントリ)、融合阻害剤といった6種類の働きを持つ薬から相性の良い組み合わせで使われています。
また抗HIV薬に期待できる効果は、症状の進行抑制です。HIV感染症を完治させる薬ではないため、生涯服用を続ける必要があります。治療費の負担がとても膨大と言える額になります。なるべく費用を抑えるためにも、ジェネリック医薬品が広く使われています。
テンビルEMは、抗HIV薬であるツルバダのジェネリックです。ツルバダと同種同量の有効成分を配合しており、同等の効果が見込めます。
B型肝炎

病原体 | B型肝炎ウイルス |
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潜伏期間 | 1~3ヶ月(平均90日) |
主な治療法 | 抗ウイルス薬の内服 |
B型肝炎は、肝臓に炎症がおきる性感染症です。急性肝炎と慢性肝炎の2種類があり、急性肝炎であれば免疫機能の働きで自然治癒します。急性肝炎の発症後、免疫機能がウイルスの除去に失敗すると慢性肝炎へ進行します。そのため、慢性肝炎を発症する患者は5歳未満の小児に多く、成人の発症率は5%程度とされています。慢性肝炎へと進行すると現在の治療薬では完治できないため、注意が必要です。B型肝炎は早期の発見と治療が重要な性感染症と言えます。
急性肝炎はほとんどが無症状であるため、発見するには検査を受ける必要があります。稀に倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などの全身症状が起きます。これらの症状が起きている場合、重度の急性肝炎の可能性があり、入院の必要も生じます。
B型肝炎の治療に使われる薬
- ラミブジン配合の抗ウイルス薬
- 先発薬:ゼフィックス(グラクソ・スミスクライン)
- エンテカビル配合の抗ウイルス薬
- 先発薬:バラクルード(ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
B型肝炎の治療には、主に抗ウイルス薬が使われます。逆転写酵素阻害剤と呼ばれる抗ウイルス薬であり、慢性肝炎の治療にのみ使われます。一般的に急性肝炎の治療に薬は使われません。ラミブジン(ゼフィックス)、エンテカビル(バラクルード)などの逆転写酵素阻害剤が、B型肝炎に有効な抗ウイルス薬として使われています。抗ウイルス薬は、慢性肝炎の進行を抑制する治療薬です。慢性肝炎を完治させる薬ではないため、生涯服用を続ける必要があります。
また、ラミブジンやエンテカビルはエイズおよびHIV感染症にも適用がある治療薬です。B型肝炎とHIV感染症は併発のリスクがあり、ラミブジンやエンテカビルを単剤で使用するとHIVウイルスが耐性を持つ可能性があります。使用する際は必ず病院で検査を受け、医師の指示に従いましょう。
ケジラミ症

病原体 | ケジラミ |
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潜伏期間 | 1~2ヶ月 |
主な治療法 | 剃毛もしくは駆虫薬の外用 |
ケジラミ症は、激しいかゆみが主な症状の性感染症です。性器周辺の毛や生えた皮膚が主な患部となります。激しいかゆみを感じるのに患部の皮膚に病変が起きていない場合、ケジラミ症の疑いが高くなります。
ケジラミはオスだと0.8~1.0mm程度、メスだと1.0~1.2mm程度の大きさまで成長するため、目視で確認することも可能です。楕円形の卵も目視できます。また、白地の下着や服を身に着けることでケジラミの糞を付着させ、感染を確認する方法もあります。
ケジラミの成虫は、頭髪、眉毛、まつ毛、わき毛、胸毛、太ももの短毛など毛であればどこでも感染するリスクがあります。孵化して成虫になるまでに1ヶ月ほどかかり、その後、1度に30~40個程度の卵を産みます。成虫は1ヶ月ほど生存しますので除去しないかぎりケジラミは増え続けて自然治癒しません。患部に接触することで他人にも感染しますので、早期に治療を始めて完治するまで性行為などの接触は避けましょう。
ケジラミ症の治療に使われる薬
- フェノトリン配合の駆虫薬
- 先発薬:スミスリン(大日本除虫菊)
ケジラミ症の治療には、駆虫薬を利用することがあります。駆虫薬は寄生虫の神経伝達を阻害する治療薬です。患部に塗布すると潜んでいるケジラミの神経伝達が阻害され、身体を動かすことができなくなります。正常な生命活動が行えなくなるので死に至りケジラミ症の症状が改善されます。フェノトリン(スミスリン)がケジラミ症に有効な駆虫薬として使われています。
ケジラミ症の最も簡単かつ有効な治療法は、1度患部に生える毛をすべて剃ることです。ケジラミは患部の毛に生息し、卵も毛に植え付けます。一度、すべての毛を剃り落とすことで寄生しているケジラミを排除することができます。駆虫薬は、頭髪や眉毛など毛を剃ることが困難な場合のみに使われています。
赤痢アメーバ症

病原体 | 赤痢アメーバ |
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潜伏期間 | 2〜3週間 |
主な治療法 | 抗原虫薬の内服 |
赤痢アメーバ症は、特徴的な粘血便や下痢、排便時の腹痛が主な症状の性感染症です。アメーバ性大腸炎とアメーバ性肝膿瘍の2種類が知られており、アメーバ性大腸炎が悪化して赤痢アメーバが拡散されるとアメーバ性肝膿瘍へと進行します。肝臓だけでなく脳や肺などにも拡散される可能性があり、危険な合併症の発症リスクが高まります。赤痢アメーバ症が疑われる初期症状を確認したら直ちに病院で検査を受けましょう。
赤痢アメーバ症の最も特徴的な初期症状は、特徴的な粘血便です。排便時にイチゴゼリーを連想するような粘血便が出ることで知られています。粘血便と合わせて下痢、排便時の腹痛、しぶり腹、鼓腸などの症状が起きている場合、高い確率でアメーバ性大腸炎を発症しています。更に、発熱、吐き気、右上腹部の痛みなどが併発している場合、アメーバ性肝膿瘍まで進行している可能性が高く、早期の治療が必要な状態だと言えます。
赤痢アメーバ症の治療に使われる薬
- メトロニダゾール配合の抗原虫薬
- 先発薬:フラジール(アボットラボラトリーズ)
赤痢アメーバ症の治療は、主に抗原虫薬のフラジールが使われます。フラジールはトリコモナス原虫の治療薬として有名な抗原虫薬です。体内の原虫に吸収され、生命活動に必要なたんぱく質の合成を阻害します。たんぱく質の合成できない原虫を死滅させて症状の改善を促します。
原因である赤痢アメーバは、寄生性原虫に分類されています。そのため、フラジールの効果の対象となっており、赤痢アメーバに有効な抗原虫薬として利用されています。重度の症状でなければフラジールの投与のみで赤痢アメーバ症を治療できます。フラジールへの耐性はまだ確認されていませんが、耐性化を防ぐためにも適切な服用を心がけましょう。
疑わしき場合にはまずは検査を

ここまで代表的な性病の症状や治療薬について紹介してきました。罹患している性病によって、有効な薬や治療法は全く異なります。大切なのは、治療を始める前に性病の種類を特定することです。
自身の性病特定するには、検査が不可欠です。自覚症状だけでも、ある程度の当たりをつけることはできますが、絶対と言い切ることはできません。間違った認識のまま不適切な治療を行うことは、病気の悪化を招くことに繋がります。
検査キットを使えば、性病の検査は自宅でも行えます。疑わしき症状が出ている場合は、まず検査を行いましょう。薬で治療を始めるのはそれからです。当サイトでは、クラミジアやヘルペスなど代表的な性病の検査キットと治療薬を購入できます。