さつまいもは皮ごと食べられる?栄養や洗い方、おすすめレシピを紹介
- 公開日
- 2025年06月20日
- 更新日

「さつまいもって皮ごと食べられる?」「皮はむいた方がいいの?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?
実は、さつまいもの皮には食物繊維やポリフェノールなど、健康によい栄養素が豊富に含まれており、皮ごと食べることでその栄養をまるごと取り入れることができます。
この記事では、さつまいもを皮ごと食べることで摂取できる栄養素や、正しい洗い方について詳しく解説します。また、皮ごと食べる際の注意点や、皮つきのままで手軽に作れる料理のレシピもあわせて紹介します。
さつまいもの栄養素を無駄なく取り入れ、おいしく食べる方法を知りたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
さつまいもは皮ごと食べられる!

さつまいもの皮には、体に悪い影響を及ぼす成分は含まれていません。そのため、さつまいもは皮ごと食べても安心です。
むしろ皮やその周辺には、食物繊維やポリフェノールなど、健康によい栄養素が豊富に含まれており、捨ててしまうのは非常にもったいないといえます。
中には「皮に農薬が残っているのでは?」と気になる方もいるかもしれませんが、日本で販売されている食品への残留農薬の基準は食品衛生法により定められており、基準を超えた食品の販売は法律で禁止されています。
さらに、農薬の使用方法自体も農薬取締法により厳しく管理されており、店頭に並ぶさつまいもなどの野菜は、農薬が検出されないか、ごく微量にとどまるよう安全が確保されています。
また、多くの農薬は水に溶けやすく、皮についた土や汚れとともに水洗いで落ちやすいため、皮ごと食べたい場合もよく洗えば過度な心配はいりません。
ただし、さつまいもの皮には繊維質が多く含まれているため、消化にやや負担がかかることがあります。胃腸の調子が悪いときや、小さなお子さんが食べる場合は、量に注意してください。
皮に含まれる栄養は?

さつまいもの皮やその周辺には、以下のような栄養素が含まれています。
それぞれの栄養素がどのような効果をもたらすのか、順番に説明します。
便秘解消に役立つ「食物繊維」
さつまいもの皮やその周辺には、便秘解消に役立つ「食物繊維」が多く含まれています。
特に注目したいのは、皮付きで調理した場合の食物繊維の量です。
たとえば、さつまいもを蒸して食べた場合、皮なしでは約2.3gの食物繊維ですが、皮ごと食べると約3.8gにもなります。皮なしと比べて約1.5倍以上の食物繊維を摂取できることになります(食品成分データベース,文部科学省,[リンク])。
食物繊維は、大腸内で善玉菌のエサとなって腸内環境を整えるほか、腸が内容物を押し出すように動く「ぜん動運動」を促し、便通をスムーズにする効果があります。
毎日すっきりとしたお通じを目指すなら、皮付きのさつまいもを積極的に食生活に取り入れてみましょう。

さつまいもで便秘を解消できる?悪化を防ぐ食べ方と簡単レシピを紹介
さつまいもが便秘に効果的な理由や、逆にさつまいもが原因で便秘が悪化する理由について詳しく解説。便秘になりにくいさつまいもの食べ方とは?
便をやわらかくする「ヤラピン」
さつまいもには「ヤラピン」という樹脂の一種である成分も含まれています。さつまいもを切ると、断面から白い液体がにじむことがありますが、これがヤラピンです。
ヤラピンには腸のぜん動運動を促す働きがあり、さらに便をやわらかくする作用もあるため、食物繊維と同じく便秘の解消に役立つとされています。
また、ヤラピンは加熱に強く、調理しても効果が期待できるのもうれしい点です。
皮やその周辺に多く含まれているため、さつまいもを皮ごと食べることで効率よくヤラピンを摂取できます。
抗酸化作用を持つ「クロロゲン酸」
さつまいもには「クロロゲン酸」という成分が含まれており、特に皮の周辺部分に多く存在しています。
クロロゲン酸は、コーヒーにも含まれることで知られるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があることが特徴です。
この抗酸化作用により、老化や動脈硬化などの原因となる活性酸素を取り除く効果が期待できます。
そのため、さつまいもを皮ごと食べることでクロロゲン酸を効率よく摂取でき、体の内側からのエイジングケアや生活習慣病の予防にも役立つとされています。
視力改善も期待できる「アントシアニン」
さつまいもには、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」も含まれています。
アントシアニンは、赤ワインやブルーベリー、なす、紫芋などに含まれる成分で、強い抗酸化作用があります。この作用により、体内で発生する活性酸素を取り除く働きをします。
そのため、老化や生活習慣病の予防に役立つとされ、クロロゲン酸と並んで注目されている栄養素のひとつです。
また、アントシアニンには、目の網膜にあるロドプシンというタンパク質が光を受けて分解された後、再び作られる過程を助ける働きがあるとされています。この働きにより、視力の改善や目の疲れの軽減にも効果が期待されています。
ビタミンAに変換される「βカロテン」
さつまいもには、カロテノイドと呼ばれる色素の一種である「βカロテン」も含まれています。
βカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わる性質があります。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つほか、免疫力を高めたり、夜間の視力を保ったりする働きがあります。
特に、乾燥や外部の刺激から体を守るバリア機能を強化する効果があり、肌や喉、腸の粘膜を健康に保つためにも大切な成分です。
また、βカロテンには抗酸化作用もあり、体内に発生した活性酸素を取り除くことで、老化や生活習慣病の予防にも役立ちます。
黒い部分は食べられる?

さつまいもの皮に黒い蜜のようなものが付いていて、「これって食べても大丈夫?」と不安に感じたことがある方も多いでしょう。
この黒い部分の正体は、ヤラピンです。ヤラピンは、さつまいもを切ったときに断面からにじみ出る白い液体に含まれる、樹脂の一種です。
ヤラピンは、空気に触れて時間が経つと黒く変色する性質があります。そのため、さつまいもの端の断面や、輸送中のこすれや傷からヤラピンがにじみ出て乾燥すると、皮に黒く固まって見えるようになるのです。
黒い部分は見た目こそ気になるかもしれませんが、ヤラピン自体は腸の働きを助ける作用を持っており、食べても問題ありません。
ただし、黒く固まった部分は加熱しても硬いまま残ることが多く、食感が気になる場合があります。気になる方は、調理前に取り除いておくとよいでしょう。
皮ごと食べる前に!さつまいもの洗い方

さつまいもを皮ごと食べる場合は、皮についた汚れをしっかり落とすことが大切です。
皮には土や泥が残っていることがあるため、調理前に清潔な状態にしておきましょう。以下の手順で、皮を傷つけずやさしく洗うのがポイントです。
- 水をたっぷり入れたボウルにさつまいもを入れ、10分ほど浸けておく
- 浮き出た汚れを、手やスポンジでこすりすぎないようにやさしく洗い流す
- 洗い終わったら、清潔なふきんやキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
さつまいもを水に浸けておくことで、手では取り除きにくい汚れが浮いて落としやすくなります。スポンジで洗うのに抵抗がある場合は、たわしやキッチンペーパーで代用しても問題ありません。
泥や汚れがひどいときは、くしゃくしゃにしたアルミホイルを使ってこすると、細かな汚れまできれいに落とせます。ただし、力を入れすぎると皮がむけてしまうことがあるため、あくまでやさしく丁寧に洗いましょう。
いつ洗う?ひげは取る?皮ごと食べる際のポイント

さつまいもを皮ごと食べる際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
それぞれのポイントについて、順番に解説します。
さつまいもは調理の直前に洗う
さつまいもを皮ごと食べる際には、洗い方だけでなく、洗うタイミングにも注意が必要です。さつまいもは水に濡れると傷みやすくなるため、洗うのは必ず調理の直前に行いましょう。
保存前にさつまいもをうっかり水洗いしてしまうと、カビや腐敗の原因になることがあります。特に長く保存したい場合は、土がついたままの状態で保管するのがおすすめです。土付きのさつまいもは、比較的鮮度を保ちやすく、1〜2ヶ月ほど保存することができます。
保存するときは、新聞紙に包んだり段ボールに入れたりして、直射日光を避けた風通しの良い場所に置いておくと、より長持ちしやすくなります。
さつまいもを皮ごと食べるには清潔さが重要ですが、洗うのはあくまで調理直前にとどめ、保存中は乾燥した状態を保つように心がけましょう。
芽やひげを取り除く必要はない
さつまいもを皮ごと食べる際に、芽やひげを取り除くべきか迷う方も多いかもしれません。
結論から言うと、さつまいもの芽やひげには毒性がないため、基本的には食べても問題ありません。じゃがいものように有毒なソラニンを含んでいるわけではなく、体に悪影響を及ぼす心配はないとされています。
ただし、芽が出ているさつまいもは、鮮度が落ちて風味が悪くなっていることがあります。また、ひげもそのまま食べることができますが、口当たりが少し気になる場合も。
品質や食感を大切にしたい場合には、ひと手間かけて芽やひげを処理してから調理することをおすすめします。
アク抜きを行うと苦味が減る
さつまいもは皮ごと食べることができますが、「皮に苦味があってちょっと食べにくい」と感じる方も少なくありません。
この苦味の原因は、さつまいもに含まれるヤラピンやクロロゲン酸によるものです。どちらもアクになる成分であり、渋みや苦味のもとになることがあります。
アク自体に体への害はありませんが、調理中にさつまいもの色が黒ずんだり、風味が落ちたりすることがあります。こうした変化が気になる場合は、あらかじめアク抜きをしておくとよいでしょう。手順は以下の通りです。
- さつまいもを洗う
- 皮ごと、調理したい大きさに切る
- ボウルにたっぷりの水を張り、10〜15分ほど水にさらす
- 水気を切って調理する
このひと手間を加えることで、苦味がやわらぎ、皮ごとのさつまいもをよりおいしく味わうことができます。
おいしく食べるならコレ!さつまいもを皮ごと使うレシピ3選
ここからは、皮ごとさつまいもを食べる際におすすめのレシピを3つ紹介します。
どれも手軽に作ることができ、さつまいもを皮ごとおいしく味わえるレシピとなっているため、ぜひ実際に作ってみてください。
スイーツ風さつまいも餃子

おかずにもおやつにもおすすめな、スイーツ風さつまいも餃子のレシピを紹介します。
幅広いアレンジも可能なため、ぜひお好みのトッピングを楽しんでみてください。
調理にかかる時間
約20〜25分
材料(2人分)
- さつまいも(中):1本(約200g)
- 砂糖:大さじ1~2(好みで調整)
- バター:10g(風味づけ用)
- 餃子の皮:10枚
- サラダ油:適量
作り方
- さつまいもをよく洗い、皮ごと1cm幅程度にカットして茹でるか電子レンジで加熱し、柔らかくします(レンジ600Wで5~6分)。
- 熱いうちに皮ごとつぶし、砂糖とバターを加えて混ぜます。なめらかなスイートポテト風の餡を作ります。
- 餃子の皮に②の餡をのせ、ふちに水をつけて半月状に包みます。
- フライパンに油を熱し、片面2〜3分ずつ、両面にこんがり焼き色がつくまで焼きます。
- お好みで仕上げにシナモンシュガーやハチミツなどをかけ、完成です。
- さつまいもの皮も一緒に潰すことで、食物繊維やポリフェノールをまるごと摂取できる。
- 餃子の皮を使うことで成形が簡単。パリッと焼き上がり、食感も楽しい。
- おかず系にしたい場合は、砂糖を控えめにしてチーズやツナを加えるのもおすすめ。
さつまいもと小松菜のごま和え

皮ごと使ったさつまいもの自然な甘みと、小松菜のシャキッとした食感がよく合う、さつまいもと小松菜のごま和えのレシピを紹介します。
副菜としてはもちろん、冷めてもおいしいのでお弁当にもぴったり。簡単に作れて栄養価も高く、毎日の食卓におすすめです。
調理にかかる時間
約15分
材料(2人分)
- さつまいも(皮ごと・中):1本(約150g)
- 小松菜:1/2束
- 白すりごま:大さじ1
- しょうゆ:小さじ1
- 砂糖:小さじ1/2
作り方
- さつまいもをよく洗い、皮ごと5mm幅のいちょう切りにして、蒸すか電子レンジ(600W)で約3〜4分加熱します。
- 小松菜は根元を切り落としてさっと茹で、水気をしぼって3cm幅に切ります。
- ボウルに白すりごま・しょうゆ・砂糖を入れて混ぜ、調味だれを作ります。
- 加熱したさつまいもと小松菜を調味だれに加え、全体をやさしく和えます。
- 器に盛りつけて完成です。
- 皮ごと使うことで、食物繊維やポリフェノールなどの栄養を無駄なく摂取できる。
- 蒸すことでさつまいも本来の甘みが引き立ち、和え物にぴったり。
- 冷蔵で2〜3日保存可能なので作り置きにもおすすめ。
さつまいもとチーズのこんがり焼き

お弁当やおつまみにも最適な、さつまいもとチーズのこんがり焼きのレシピを紹介します。
軽い口当たりなのにボリュームも感じられる一品なので、ぜひ副菜としても活用してみてください。
調理にかかる時間
約20分
材料(2人分)
- さつまいも(中):1本(約200g)
- とろけるチーズ:30〜40g
- オリーブオイル:小さじ1
- 塩・こしょう:少々
- パセリ(あれば):少々
作り方
- さつまいもをよく洗い、皮ごと5〜7mm幅の輪切りまたは斜め切りにします。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、さつまいもを並べて両面に焼き色がつくまで中火で焼きます(ふたをして蒸し焼きにすると中まで火が通りやすいです)。
- 両面が焼けたら塩・こしょうをふり、上にチーズをのせてふたをしてチーズがとろけるまで加熱します。
- お好みでパセリを散らして完成です。
- さつまいもの皮の風味がチーズのコクとよく合い、満足感のある一品に。
- 食物繊維・ポリフェノール・カルシウムが一皿で摂れる。
- 味付けをアレンジすれば甘じょっぱい系から洋風おつまみにも。
さつまいもを皮ごと食べることに関するQ&A
-
- 犬もさつまいもを皮ごと食べられる?
- 犬には、さつまいもを皮ごと与えない方がよいとされています。さつまいもの皮には「シュウ酸」が多く含まれており、これが尿路結石のリスクを高める可能性があるためです。特に、過去に尿路結石を経験したことのある犬には注意が必要です。また、さつまいもの皮には固くて消化しにくい繊維が多く含まれているため、犬によっては下痢や嘔吐などの消化不良を起こすこともあります。そのため、犬にさつまいもを与える場合は、皮をしっかり取り除き、身の部分だけを少量与えるのが安心です。
-
- さつまいもの皮だけを使ったおすすめレシピは?
- さつまいもの皮だけを使うなら、カリカリスティックにするのがおすすめです。皮を7~8mm幅の細切りにして水にさらし、アクを抜いた後はしっかりと水気を切ります。そのまま150~160℃の油でじっくり揚げると、香ばしくてカリッとした食感に仕上がります。仕上げに塩をひとふりすれば、おつまみやおやつにぴったりな一品に。皮を無駄なくおいしく活用できます。
-
- 赤ちゃんに皮つきのさつまいもを食べさせても大丈夫?
- 赤ちゃんには、さつまいもを皮ごと食べさせない方がよいとされています。皮やそのすぐ下の部分には繊維が多く含まれており、特に離乳食初期の赤ちゃんには負担になりやすいためです。皮を無理に食べさせると、消化不良を起こすことがあります。消化機能が未発達なうちは、皮を厚めにむいて与える方が安心です。
-
- さつまいもの皮むきにはピーラーを使ってもいい?
- さつまいもの皮むきには、ピーラーを使っても問題ありません。にんじんの皮をむくときと同じように、さつまいもを縦に持ち、ピーラーを下に滑らせるようにすると、簡単に皮をむくことができます。ただし、ピーラーは薄く皮をむくため、繊維質を避けたい赤ちゃん用の調理には、包丁で厚めにむく方が安心です。用途に応じて、ピーラーと包丁を使い分けましょう。
-
- さつまいもの皮をむいた後、変色を防ぐ方法は?
- さつまいもの皮をむいた後に変色を防ぐには、切ったらすぐに水につけることが大切です。さつまいもを放置すると、皮の近くに多く含まれるヤラピンやクロロゲン酸が空気に触れて酸化し、切り口が黒っぽく変色してしまいます。この変色を防ぐには、ボウルに水を張り、切ったさつまいもを10〜15分ほどさらしておくと効果的です。さらに、変色が気になる場合は、皮を2〜3mmほど厚めにむくのもひとつの方法です。なお、むいた皮はきんぴらなどにして活用すれば、無駄なくおいしく食べることができます。
さつまいもは皮ごと食べて栄養をまるごと摂取しよう

さつまいもは皮ごと食べることで、食物繊維やクロロゲン酸、ヤラピン、βカロテンなど、さまざまな栄養素をまるごと摂取できます。便秘の改善や、抗酸化作用による老化・生活習慣病の予防など、健康面でも多くのメリットが期待されます。
皮には独特の苦味や食感がありますが、アク抜きや丁寧な洗浄を行うことで、おいしく食べることができます。皮の黒い部分や芽、ひげにも毒性はなく、基本的には取り除かなくても問題ありません。ただし、胃腸が弱い方や赤ちゃんには、皮を厚めにむくなどの配慮が必要です。
今回紹介したレシピを活用すれば、栄養を無駄なく摂取し、おいしくさつまいもを楽しむことができます。ぜひ、日々の食事に皮ごとのさつまいもを取り入れてみてください。

便秘やお腹の張りに悩む方におすすめのサプリメント。インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」に基づいたハーブを配合しており、お腹の調子をサポートします。