さつまいもは血糖値が上がりにくい低GI食品!食べ方や注意点を紹介
- 公開日
- 2025年05月29日
- 更新日

血糖値が気になる方の中には、「さつまいもは甘いため、血糖値が上がりやすい食品」というイメージをお持ちの方も少なくありません。
しかし実際には、さつまいもは血糖値が上がりにくく、上手に取り入れれば血糖値対策にも役立つ食品です。
特に糖尿病予備群の方や血糖コントロールを意識している方にとっては、白米などの炭水化物を控える代わりに、適切な方法でさつまいもを取り入れることで、血糖値の安定や過剰な糖質摂取の予防に繋げることができます。
本記事では、さつまいもが血糖値のコントロールに役立つ理由に加え、血糖値を上げにくいさつまいもの食べ方や注意点について詳しく紹介します。
さつまいもの食べ方を工夫して日々の食生活に取り入れ、血糖値の管理に役立てていきましょう。
さつまいもは低GI!血糖値が気になる人に適した食品

さつまいもは糖質を多く含むイメージがあるため、「血糖値が気になる人は控えたほうがよいのでは?」と感じる方も少なくありません。
しかし実際には、さつまいもは血糖値に与える影響が少ない食材といえます。適量であれば、血糖値が気になる方や、糖尿病の方でも食べて問題ありません。
その理由は、さつまいもがGI値の低い、いわゆる「低GI食品」に分類されることにあります。
GI値(グリセミック・インデックス)は、食品が血糖値を上昇させる速度を示す指標。GI値が低い食品ほど、食後の血糖値の上昇は緩やかになる。
つまり、低GI食品であるさつまいもでは、血糖値の急上昇が起こりにくいのです。これにより、糖質を多く含む食材でありながらも、血糖値の大きな変動を起こしにくくなっています。
さつまいものGI値は55で、低GI食品に分類されます。以下に、GI値の分類と具体的な食品例を表でまとめました。(日本ダイエットスペシャリスト協会,GI値 Glycemic index,[リンク])
GI値 | 分類 | 食品例 |
---|---|---|
55以下 | 低GI食品 | さつまいも、木綿豆腐、五穀米 |
56〜69 | 中GI食品 | ライ麦パン、そば、スパゲッティ |
70以上 | 高GI食品 | 食パン、白米、うどん |
なお、さつまいもが低GIである理由は、その成分にあります。さつまいもには糖の吸収を緩やかにする水溶性食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維は、消化管を通過する際にゼリー状の物質を作り出し、この物質が消化を緩やかにして糖の吸収速度を遅らせます。
また、さつまいもにはポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」も含まれています。クロロゲン酸は、食後の血糖値上昇を抑える作用があるとされています。
これらの成分の働きによって、さつまいものGI値は低く抑えられています。そのため、白米やパンなどの高GI食品をさつまいもに置き換えることにより、血糖コントロールに役立てることもできます。
白米をさつまいもに置き換えることで糖尿病予防にも効果的
普段の食事の主食を低GI食品であるさつまいもに置き換えることで、血糖値のコントロールや糖尿病予防に役立ちます。
さつまいもは自然な甘みがありながらも、白米や食パンに比べてGI値が低く、糖質量も控えめなため、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。
実際に、白米1杯(150g)とさつまいも約1/2本(150g)を比較すると、以下のような違いがあります。(文部科学省,食品成分データベース,[リンク])
食品 | 量 | 糖質量 | GI値 |
---|---|---|---|
白米 | 150g(お茶碗1杯分) | 51.9g | 84 |
さつまいも | 150g(約1/2本分) | 42.5g | 55 |
このように、白米をさつまいもに置き換えるだけで、1食あたり約9.4gの糖質を減らすことができ、食後の血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待できます。
ただし、白米やパンと比べればやや少ないものの、さつまいもは決して糖質量が少ない食品というわけではありません。炭水化物源の一つとして適量を守り、食べ過ぎには十分注意が必要です。
また、糖尿病の予防には、食事全体のバランスや適度な運動といった複合的な要素が重要です。主食をさつまいもに置き換えるだけで糖尿病を確実に防げるわけではなく、あくまで食生活改善の一つの手段にすぎないことを覚えておきましょう。

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血糖値を上げないさつまいもの食べ方3選

ここからは、さつまいもをより効果的に取り入れるための食べ方を紹介します。さつまいもはもともと血糖値を上げにくい食品ですが、食べ方によってその特性をさらに活かすことができます。
それぞれの食べ方について、順番に見ていきましょう。
1.皮をむかずに食べる
血糖値の急上昇を防ぎながらさつまいもをおいしく味わうためには、皮ごと食べることが効果的です。
さつまいもの食物繊維は皮の部分に多く含まれています。生のさつまいも100gあたりに含まれる食物繊維の量は、皮なしで2.2gですが、皮つきでは2.8gにまで増えます。食物繊維は糖の吸収を穏やかにし、食後血糖値の急激な上昇を防ぐ働きがあります。
さらに、さつまいもの皮にはクロロゲン酸というポリフェノールの一種も多く含まれています。クロロゲン酸は糖の吸収を抑えるだけでなく、抗酸化作用や脂肪の蓄積を予防する働きも期待できます。
さつまいもに含まれるポリフェノールの約8割は皮の近くに集中しているため、栄養を無駄なく摂取するには皮ごと食べるのがおすすめです。調理する際は、ぜひ皮ごと蒸したり焼いたりして、さつまいもの栄養を余すことなく取り入れましょう。
2.冷やして食べる
さつまいもは、調理後に冷やして食べることで血糖値の急上昇を防ぐ効果がさらに高まります。
これは、加熱したさつまいもを冷ます過程で、さつまいものデンプンがレジスタントスターチという成分に変化するためです。
消化酵素で分解されず、小腸で消化されないまま大腸まで届くデンプンのこと。難消化性デンプンとも呼ばれる。
レジスタントスターチは食物繊維に似た働きを持ち、消化吸収に時間がかかるため糖の吸収がゆるやかになり、食後血糖値の急激な上昇を防ぐ効果が期待できます。
また、レジスタントスターチは、腸の中の善玉菌(体に良い細菌)のエサにもなります。そのため、腸の働きを助け、便通を良くしたり、体の免疫力を高めるなど、腸内環境を整える効果が期待できます。
冷やしたさつまいもは、サラダに加えたり、デザート感覚でそのまま食べたりと手軽に取り入れられる点も魅力です。血糖値が気になる方は、ぜひ冷やしたさつまいもを食生活に取り入れてみましょう。
3.GI値が高くなる調理法は避ける
さつまいもはもともと低GI食品ですが、調理法によってはGI値が大きく上昇するため、血糖コントロールを意識する場合は調理方法に注意が必要です。
特に避けたいのが「揚げる」調理法です。揚げ物は高温調理によって水分が抜け、成分が凝縮されることで糖度が高くなり、その結果GI値も上昇します。
大学芋や天ぷらといったメニューはその典型例で、糖質だけでなく脂質の摂取量も増えるため、血糖値の急上昇を招きやすくなります。
血糖値の安定を目指すためにも、さつまいもの揚げ物はできるだけ控え、蒸す・茹でるといったシンプルな調理法を選びましょう。調理法を工夫することで、さつまいもの自然な甘みを楽しみながら、血糖コントロールにも役立てることができます。
糖度の高い品種は選ばないよう注意が必要

血糖値の安定を目指す場合は、さつまいもの品種選びも重要なポイントです。
さつまいもにはさまざまな品種があり、品種によって糖度が大きく異なります。特に注意したいのは、糖度の高い以下の品種です。(焼き芋に使われるさつまいもの種類(品種)一覧,照沼(てるぬま)の干し芋メディア, [リンク])
品種 | 糖度 |
---|---|
紅はるか | 約30度 |
安納芋 | 約20度 |
紅あずま | 約14度 |
これらはしっとりとした食感と強い甘みが特徴で、糖質量が多いため血糖値の上昇を招きやすくなります。
血糖値の急上昇を避けたい場合は、糖度が比較的低めの以下の品種を選ぶのがおすすめです。
品種 | 糖度 |
---|---|
鳴門金時 | 約13度 |
シルクスイート | 約8度 |
これらの品種はほどよい甘さで、血糖コントロールに適しています。さつまいもは健康的な食品ではありますが、品種によって糖度が大きく変わるため、目的に合わせた品種選びを心がけましょう。
食べすぎによる糖質のとりすぎに注意
さつまいもは、血糖値の上昇を穏やかにする低GI食品のひとつで、血糖コントロールに役立つといわれています。
しかし、だからといって大量に食べてもよいわけではありません。さつまいもには100gあたり約28.3gの糖質が含まれており、食べ過ぎれば糖質の過剰摂取につながり、かえって血糖値に悪影響を及ぼす可能性があります。
適切な摂取量は、さつまいもを主食として置き換える場合と、間食として食べる場合で異なります。
- 主食として置き換える場合は、1食あたり1/2本(約150g)が目安です。
- 間食として日常的に取り入れる場合は、1日あたり約30~50g程度(小さめの輪切り2~3枚程度)に抑えるのが望ましいでしょう。
どちらの場合も、食べ過ぎに注意し、1日の総糖質量やカロリーのバランスを考えたうえで取り入れることが大切です。
さつまいもと血糖値に関するQ&A
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- 空腹時にさつまいもを食べてもいい?
- 健康な人なら特に問題はありませんが、糖尿病や血糖管理が必要な方は食べ過ぎに注意が必要です。さつまいもは白米やパンに比べて血糖値を緩やかに上げる低GI食品ですが、100gあたり約28.3gの糖質を含むため、食べ過ぎれば血糖値が急上昇するリスクがあります。特に空腹時は胃の通過が速く、糖質が吸収されやすいため要注意です。適量(1/2本程度)であれば問題ありませんが、野菜などの食物繊維を先に食べ、お腹をある程度満たしてから摂取した方が血糖値は上がりにくくなります。
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- 朝ご飯にさつまいもを食べると血糖値はどうなる?
- 起床時は空腹状態となるため、比較的血糖値が上がりやすくなります。食べ過ぎには注意しましょう。とはいえ、適量の範囲なら問題ありません。むしろ、朝はビタミンCの吸収率が高まる時間帯であり、さつまいもの栄養素を効率よく補給できます。また、さつまいもに含まれる豊富な食物繊維が腸の動きを活発にし、便通の改善にも効果が期待できます。朝食におすすめなのは、冷やした焼き芋です。作り置きができるため、忙しい朝でも手軽に食べられます。焼き芋は冷蔵で約1週間、冷凍なら数か月保存可能です。
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- 白米とさつまいもはどちらが血糖値が上がる?
- 白米とさつまいもを比較すると、白米のほうが血糖値が上がりやすい食品です。さつまいものGI値は55ですが、白米のGI値は84と高くなっています。GI値は高いほど食後の血糖値が急上昇しやすいため、白米はさつまいもよりも血糖値を上げやすい食品といえます。血糖値が気になる場合は、主食の白米を適量のさつまいもに置き換えることで、食後の血糖値の上昇を緩やかに抑えることができます。
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- じゃがいもとさつまいもはどちらが血糖値が上がる?
- じゃがいものほうが、さつまいもより血糖値が上がりやすい食品です。じゃがいもは100gあたり76kcalとカロリーは低めですが、GI値は90と非常に高く、食後血糖値が急激に上昇しやすい特徴があります。一方、さつまいもは100gあたり132kcalとカロリーは高いものの、GI値は55と低めで、血糖値の上昇は比較的穏やかです。血糖値が気になる方は、カロリーだけでなくGI値にも注目し、じゃがいもよりも適量のさつまいもを取り入れるほうが血糖コントロールに適しています。
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- さつまいもは毎日食べると血糖値に悪い?
- さつまいもは適量を守れば、毎日食べても血糖値に悪影響を与える心配はありません。ただし、食べ過ぎるとカロリーオーバーとなり、結果的に血糖値が上がりやすくなるため注意が必要です。間食として取り入れる場合には、1日あたり約30~50g程度(小さめの輪切り2~3枚程度)を目安にしましょう。また、調理法にも工夫を加えることが大切です。加熱後に冷やして食べるとレジスタントスターチが増え、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。さらに、皮ごと食べることで食物繊維も摂取でき、血糖コントロールに役立ちます。
さつまいもの食べ方を工夫して血糖値を安定させよう

さつまいもは「甘い=血糖値が上がりやすい」と思われがちですが、適切に取り入れることで血糖値の安定に役立つ優れた食品です。
低GI食品であるさつまいもには、食物繊維やクロロゲン酸などの成分が豊富に含まれており、これらの成分が血糖値の急上昇を抑えてくれます。
さつまいもは、皮ごと食べる、加熱後に冷やす、蒸す・茹でるなどの工夫をすることで、食後の血糖値の上昇をおだやかに抑えられます。一方、天ぷらや大学芋などの揚げ物にしたり、糖度の高い品種を選んだりすると、血糖値の上昇につながるため注意が必要です。
血糖値が気になる方は、日々の食生活にさつまいもを賢く取り入れ、健康的な血糖コントロールを実践していきましょう。

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